あらすじ
松下幸之助「心得帖シリーズ」の五作目。本書では松下がささやかな形で始めた事業を、一代にして世界的企業に育て上げた要因を自ら分析して、二十項目にまとめたものである。経営に当たる者が、人間とはどういう特質をもった存在であるかを知らずに、正しい経営を行うことができるだろうか。使命感無きところには、為すべきを為す勇気も生まれてはこないだろう。そこに経営の失敗に通じる道を歩んでしまう危険性が生じてくるというわけだ。経営者はいうまでもなく、課の経営、部の経営に当たる人達にも是非一読を薦めたい一冊。
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Posted by ブクログ
全員経営、素直さ、カイゼンしていくこと。
ジョブスのシンプルさやアジャイルな精神に通じる。
-引用-
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事業経営においては、技術力、販売力、資金力、人材といった、大切なものはいろいろあるが、一番根本になるのは、正しい経営理念である。それが根底にあってこそ、人も技術も資金もはじめて真に活かされてくるし、また一面それらはそうした正しい経営理念のあるところから生まれてきやすいとも言える。
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経営に魂が入った瞬間に事業は急速に発展した。
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事業は人なり
どんなに完備した組織をつくり、新しい手法を導入してみても、それを生かす人を得なければ、成果もあがらず、したがって企業の使命も果たしていく事ができない。企業が社会に貢献しつつ、みずからも隆々と発展していけるかどうかは、一にかかって人にあるとも言える。
この企業は何のためにあるのか、またどのように経営していくのか、という基本の考え方、正しい経営理念、使命感というものを持つ必要がある。これにもとづいた力強い指導もでき、メンバーもそれに従って是非の判断ができるから、人が育ちやすい。だから経営者として人を得たいと思うならば、まずみずからがしっかりした使命感、経営理念をもつことが先決である。
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経営理念というものは、単に紙にかかれた文章であっては何にもならないのであって、それが一人ひとりの知肉となって、はじめて生かされてくるのである。だからあらゆる機会に繰り返し繰り返し訴えなければならない。
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大切なのは形ではなく、心構えである。衆知を集めて経営をしていくことの大切さを知って、日頃からつとめて皆の声を聴き、また従業員が自由にものを言いやすい空気をつくっておくということである。そういうことが日常的にできていれば、事にあたって経営者が一人で判断しても、その判断の中にはすでに皆の衆知が生きていると言えよう。
Posted by ブクログ
『ハーバード流交渉術』の原理原則に基づくという話を読んで、7年ぶりに再読。入社前の課題図書でした。
人が見たら知れているレベルかもしれませんが、最近は判断に迷うことが多く、何が正しいのかということは非常に難しい。迷ったときはコレに立ち返る、やってみました。
まあ、これをどう生かすか、まだまだ自分には難しいと再認識したけど、とりあえず、共存共栄に、日に新た、改めて読むと胸が痛むことが多いわ。
また、素直な心の最終章には図らずも心を洗われました。
素直な心=とらわれない心、いかに私利私欲を捨てるか、平凡な人間も1万日=約30年やったら持てるらしい。
仮に今までできていてもまだ7年、そう、自分は私利私欲の塊ですわ。先は長いぜ。。。