あらすじ
埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。様々な場所で潜伏生活を送りながら捜査の手を逃れ、必死に逃亡を続ける彼の目的は? その逃避行の日々とは? 映像化で話題沸騰の注目作!
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Posted by ブクログ
映画を観ていたので、内容は知っていましたが結末も異なり最後まで楽しめました。鏑木慶一が亡くなってしまったのは残念だなと思いましたが、筆者があとがきでも記載してうたように、冤罪の残酷さを伝えるためには必要という話で納得しました。映画も面白くて、主題歌も素敵なのでぜひ読んで、観てください〜
Posted by ブクログ
作者の後書きまで含めて良かった。
私自身死刑判決や冤罪について政治的な意見も思うところもなかったが、考えさせられる本だった。
鏑木くんどこへ行っても好かれる良い人だった。能力が高いだけでなく、思いやりにあふれていた。読んでいくに進んで、捕まらないで!逃げ切って!と思った。最後は残念なんて言葉では言い表せないが、死後も鏑木くんのことを思って動いてくれる人たちがいることが暖かいし、彼の人柄が表されている感じで良かったな。
Posted by ブクログ
小説「正体」の鏑木慶一が各地で使った偽名は、冤罪で犯人として捕まった人、冤罪ではないかと遺族が再審請求している事件の犯人の名前をもじった名前になっています。
・桜井翔司 介護施設(グループホーム「アオバ」
布川事件(桜井 昌司 氏)
事件発生: 1967年(昭和42年)、茨城県利根町布川で男性が殺害された強盗殺人事件
・遠藤雄一 工事現場(牛久の工事現場)
遠藤事件(遠藤 祐一 氏)
事件発生:1975年(昭和50年)
新潟ひき逃げ事件
・那須 隆士 WEBライター
弘前事件(那須 隆 氏)
事件発生: 1949年(昭和24年) 弘前大教授夫人殺し事件
・袴田勲 スキー場の旅館(山喜荘)
袴田事件(袴田 巖 氏)
1966年(昭和41年)、静岡県清水市(現在の静岡市清水区)で味噌製造会社の専務一家4人が殺害・放火された事件
・久間道慧 パン工場(カスガパン)/ 新興宗教施設
飯塚事件 (久間 三千年 氏)
関連事件: (1992年発生) 概要: 福岡県飯塚市で女児2名が殺害された事件
Posted by ブクログ
面白かったし、文章が頭に入ってきやすくて、するすると読めてしまった。
死刑囚鏑木と、工事現場の日雇い労働者、都会の編集者、スキー場の住み込みバイト、パン工場のパート、そして介護施設の職員。それぞれが鏑木との時間を共有するなかで彼への信頼や尊敬を抱き、皆がまさか彼に限って、と疑う。自分が関わった人間が殺人犯だなんて信じたくないだけかもしれないが、鏑木の人柄あってこそだったのだと私は思う。
きっと彼は本当に全良な人間で、ただあまりにも不幸な人間だったのだと思う。殺人犯だと間違えられたことも、唯一の目撃者がアルツハイマーだったことも、司法と政治の闇によって殺されてしまったことも。一応報われたとはいえ、悲しい結末だった。しかし、この作品はフィクションとはいえ、現実にもこのようなことはゼロではないのだろう。あまり詳しくはないし自分から調べたこともないが、これまでも冤罪で命を落とした人がいるというのは何度も聞いたことがある。
この本のどこかで「人間が判断するから間違いもある」とあったが、間違いなどあってよいのだろうか。人の命や尊厳がかかわるのに、ヒューマンエラーとして処理してしまっていいのだろうか。日本の司法は昔に比べたらきっと良くなってはいるものの、まだ完全なものだとは言えない。今もどこか遠くで冤罪に苦しむ人がいて、もしかしたら明日は我が身かもしれない。冤罪というものがなくなりますように、と思うことしかできないが、思い続けていたい。
Posted by ブクログ
いろんな人の利得や思惑に巻き込まれて、少年死刑囚にまで貶められながら、人としての尊厳を損なうことなく、必死に戦う主人公の姿がとても印象的でした。最後は、主人公が浮かばれない部分はありましたが、物語としては、より考えさせる内容となり、良かったと思います。
Posted by ブクログ
冤罪をテーマにした本は久しぶりだった。視点がいろんな人から書かれるので飽きずに読めた。スキップみたいに跳ねながらすれ違った真犯人のことももっと知りたい。
Posted by ブクログ
とにかく切なく、やるせなさを感じる読後感の作品でした。各章を通して分かる鏑木慶一の人間性の素晴らしさからの最後の2章は本当に素晴らしかったです。鏑木慶一目線でなく、関係を持った人物からの目線で描かれる物語だったのも良かったです。600ページ越えのボリュームも気にならないくらいの素晴らしい作品でした。
Posted by ブクログ
最初は彼が、本当に人殺しなのかと思っていた。
でも工事現場にいた時から人の良さや正義感を感じ、きっと何かどうしようもない事情があって罪を犯したのだろうと思っていた。
その後読み続けて、彼は姿や名前は変えるけども、根本の性格は一切変えていないことに気づく。正義感は発揮するし、なんなら「スノーボードを1度だけやった」「好きな人と一緒に住んでた」なんて自分の特定につながるようなことを言ってしまう。
もしかして、彼は殺してないんじゃないか?凶悪犯ならば性格ごと変えるんじゃないか?そんな気持ちがだんだんと大きくなってきた。
そして、ラスト。彼の目的は逃げることではなく、立ち向かうことだったのだ。立ち向かうためには、なんとかして井尾由子のもとへ辿り着かなくてはならなかった。
彼が亡くならなければ、自分の潔白を証明したあとに、これまで一緒に働いた和也や淳二、節枝に必ず会いに行っていた。そして今度はカップルとして沙耶香と一緒に暮らしていたはずだ。
本当に胸が張り裂ける思いだけど、彼の死とこの本の存在をもって、冤罪がこの世からなくなることを願います。
※追伸: 調べたら映画版では鏑木は死なずに、生きて無罪判決を聞けるというハッピーエンドらしい。
Posted by ブクログ
初めての600ページ越えの作品。読んで良かった。
鏑木慶一、死んでほしくなかった。
そう思ったけど、そうするしかなかった、冤罪の理不尽さを鏑木慶一という人物を通して伝えたかったという作者の意図を知って、納得した。
理不尽を前にして何ができるかなって考える。
Posted by ブクログ
最後は飛ばし読みをしてしまった。あまりに辛くて一言一句読めなかった。これまで出会ってきた人たちが立ち上がってくれたことがこの本の救い。本人はいないけど。知らないだけで冤罪事件は多くあったんだろう。本人のこともそうだが、彼が出会った人たちの境遇にも読むのが辛かった。自分が今までいかに恵まれてるか。身分が保証されてる身の有り難さを改めて思った。
舞の家族いい家族だな。みんなでお散歩。愛犬の描写がリアルでそこも悲しかった。
Posted by ブクログ
最後は、とても切なくて悲しかった…。
スキーのバイトの時に冤罪について「分かる」と言っていた時に、この人は誰も殺していないのかもと思うようになった。
ただ優しい人だったのに…ただ助けようとしただけだったのに…。
Posted by ブクログ
殺人の描写がグロテスクだったら嫌だな、と思っていたけどそこはほとんど語られなかったのでホッとした。
構成がお見事で不自然な箇所がなく、上手な作家さんだなぁと思いました。
あとがきにもあったけれど、多くの読者と同じように、鏑木を死なせないで欲しかったと思った。
物語の流れとしてそうするのが1番自然だったと思うから、結末が残念と言うのとは違う。
舞と似た気持ちで、いなくなってさみしい、悲しいと言うような感情で、死なないでほしかったな…と。。そこまで引き込んでいく力のある作品でした。
Posted by ブクログ
物語の構成がよかった。
各章の視点(語り手)が脱獄犯の鏑木慶一ではなく、第三者であることによって鏑木慶一という人物を客観的に見れて、より人物像がわかりやすくなってると思った。
鏑木と関わった人の大多数が“親切でいい人“という印象を受けていて、“あんなにいい人が殺人をするはずがない“と感じている所が、鏑木の最期をより無惨に、やるせなさを引き立たせていると思った。
ラストは思ったよりあっさりと終わった印象。
ただ、心に残るものは大きくて、色々な感情を含んだモヤモヤが未だに抜けない…。
Posted by ブクログ
彼のことを、守ってくれる人がそんなに居ないもの?
児童養護施設での彼も、きっといい子だったはず
そんなことする訳ないって声を上げてくれてた?それでも警察が揉み消した?
逃亡中の短い期間に出会った人たちが、あんなにも彼の無実を信じることができたのに、どうして?
普段から素行が悪い子、でもなかったのに?
こんな理不尽なことがある?
冤罪ってこんな事が重なるの?
もう、本当に許せない
人の人生が潰されていく、善良な人の
冤罪の酷さを、伝えたかったから、敢えての展開なんだろうけど…つらすぎる
最初は面白くて続きが気になってスラスラ読んでたけれど、最後に近づくに連れて、恐ろしい結末になりそうで怖かった。
きっとハッピーエンドにはならないんだろうと、ビクビクしながら読んだ。
昔の彼を知ってた訳じゃないのに、整形した彼と同じ人だってわかる?←まだ言ってる
そんな、気づくもの?
もう、本当にかなしい