【感想・ネタバレ】新釈「五輪書」のレビュー

あらすじ

佐々木小次郎との戦い、二刀流の遣い手……など、戦国末期から江戸初期にかけて生きた、不世出の天才剣豪・宮本武蔵の名を知らない日本人は、まずいないだろう。「五輪書」は、戦国末期から江戸初期に生きた不世出の剣豪、宮本武蔵が最晩年に書き記した兵法書である。兵法書とは、言うまでもなく、武芸の解説や武士の心構えについて、独自の説を理論化したものである。その点、「五輪書」も例外ではない。敵という言葉に象徴される人間関係、個人の覚悟など、これほど現代人の生き方を指し示す兵法書も珍しく、現代人の必読書といえよう。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「新釈「五輪書」」5

著者 長尾剛
出版 PHP文庫

p150より引用
“成すべきは、毎日の努力である。
千日の稽古が「鍛」であり、万日の稽古が「錬」である。
だから「鍛錬」なのである。”

ノンフィクション作家である著者による、
大剣豪・宮本武蔵が書き記した兵法書「五輪書」を、
わかりやすく編集・解釈した一冊。
武蔵自身の考えに対する気概から具体的戦い方まで、
原文と共にかなり大量の著者の解説が書かれています。

上記の引用は、
水之巻のまとめの項の中の一文。
戦が無い時代であっても何かを成し得るには、
この考えが必要不可欠なのではないでしょうか。
水之巻で何度も出てくる「能々稽古すべし」のフレーズに、
大成した人物の経験がにじみ出ている様に感じます。
どんどん鍛錬を重ね、
無意識のうちに体が動くようになる、
それが技を身につけた事になるとの事です。
私も無意識に仕事をこなせる位、
この先も続けて生きたいものです。

以前小説家か誰かが言ったと記憶していますが、
「努力すればなんとかなるという考えは大嫌い」、
というような内容の発言をしたと覚えています。
平凡な人が努力をやめる事で困るのは、
才能のある人ではないかと思います。
同じ事をしている平凡な人たちが、
才能のある人と比べる対象として存在していなければ、
才能の強さも光らないのではないでしょうか。
「五輪書」はs・スマイルズ「自助論」と並んで、
努力ということの大切さに重きを置いた作品だと思います。


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2012年07月15日

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