あらすじ
フェイスブック社が社名を「Meta」に変更すると発表した。「Meta」とは「Metaverse=メタバース」の「Meta」である。では「メタバース」とは何か? ITに関するわかりやすい説明に定評のある岡嶋裕史氏(中央大学教授)が、その基礎知識から未来の可能性までを解説。「メタバース」は第四次産業革命に匹敵する変革を我々の日常にもたらすのか? はたまた、ただのバズワードで終わるのか?
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Posted by ブクログ
202205.06
昨今よく聞くようになったメタバースについて関心があり、「メタバースとは何か」というタイトルがまさに私の疑問と一致(要はメタバースとは名前しか知らない)したので読んでみた。
こういう一つの事柄に対する導入書はとてもありがたい。
あとソードアートオンラインをアニメで見ていたので、メタバースの理解がしやすかった。
というか、かなり大雑把にいうと「メタバースってSAOのこと?」ぐらいの理解はできた。笑
SNSは楽しい。なぜならそこはある程度自分の趣味・思考が似た人だけが集まるようにフィルターにフィルターを重ねた空間だから。
SNSとは考え方が合う人同士を集める場所ではなく、考え方の合わない人を排除するツールなのだ。
そこで広告を見せることでSNSは利益を得ている。
自分と似た人が薦めてくれる商品だから、そりゃあ買っちゃうよね・・・私もインスタがなかったら買ってなかった商品いっぱいあるわ。
話は逸れたが・・・そのSNSをさらに進化させたのがメタバースと言える。
その空間には自分に似た人たちしか集まらない。
SNSはスマホなどのスクリーンを通して利用するので、どうしても現実から離れることはできないが、メタバースは五感をフルに活用するので、「メタバースの中で生きる」ことも可能なのだ。
そして私たちのこれからの生活の軸足は確実にメタバースへ移していくこととなる。ビジネスチャンスは無限にある。
メタバースと対になるのがミラーワールドだ。
メタバースは現実とは異なる世界を作るのに対し、ミラーワールドは現実のコピーを作ることを目的とする。(ARなど。ARはポケモンGOをイメージすると良い)
リプリゼンテーションとは、コンテンツに多様性を正しく反映させようとすることである。
欧米では仮想現実内でもルッキズムは批判の対象となり、美男美女しか出てこないコンテンツは減っている。
自由と平等は近年よく叫ばれているが、この二つは相性が悪い。
自由を尊重すれば不平等が生じるし、平等を尊重すれば不自由さが出てくる。
現代はどちらかというと自由に重きが置かれている現状で、「自由な生活を謳歌して価値ある人生を自ら勝ち取るべき」とまで拡大してくるとちょっとしんどくなってくる。
そうなると自分の価値観を認めてくれる人たちの中だけでナンバーワンを目指す方が合理的なのだ。
インターネットは議論には向いていない。
インターネットが得意なのは個々にカスタマイズされた快適な空間を作ることなのだ。