あらすじ
親父が再婚するぅ? 突然のビッグニュースに、福岡に単身赴任している父を訪ねた勝利。父と息子、男同士で過ごす夜、5歳年上のいとこ・かれんへの思いをはじめて打ち明ける。まだまだ秘密にしなければならない恋だけど、少しだけ、前進。なのに美術教師のかれんには彼女に思いを寄せる同僚がいるし、大学生になった勝利は、陸上部のマネージャーから告白されて…。公にできない恋ゆえの悩みが続く。
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Posted by ブクログ
目次
・WE'VE ONLY JUST BEGUN
・GOOD FOR YOU
夏休みの最後、父親の再婚話を聞くためになぜかかれんと二人で福岡に行く話と、クリスマスにかれんに指輪を渡す予定が、ケンカして気まずい二人は大みそかまでこじらせてしまう話。
なんかグルグルするだけで、全然話が進展していかない。
24歳と19歳の、同居している男女で、ここまで何もないってどう?
っていうのは、まあ、しょうがないにしても、ここにきてこの作品の気に入らない理由がわかった。
大人が、きちんと書かれていないことだ。
ラノベでもヤングアダルトでもいいんだけど、主に青少年をターゲットにした作品なら、余計に大人をきちんと書いてほしいのだ。
単身赴任をしても、自分の身の回りすらちゃんとできない勝利の父。
そのうえデキ婚で再婚って、自分を律することも出来てないってことじゃないか。
今まで息子に身の回りのことをすべて任せ、それができなくなったら若い女の子にやってもらう?
そんな父を子どもは尊敬できるのか?
私なら軽蔑する。
Posted by ブクログ
お父さんの再婚相手は、初恋の近所のお姉さん(O_O) ネタに使ったはいいが、勝利がどう感じたか、それをかれんがどう感じ取ったか、村山由佳の中でうまく処理しきれていないまま、書いている気もする。恋愛、結婚について娘は母親に相談するものだが、息子は父親にあまり相談しないものだ。あとがきに書いているとおり、もう作者が完全に勝利目線で、男女だけを逆転させて書いている。行動はわりと男の行動をうまくトレースしているが、嫉妬など感情の動きは女性の動きのまま。ま、それも含めてこのシリーズを楽しむべきだろうな。第二章は、ラノベのお約束、温泉回。けんかして最後にラブシーンで仲直りともう既にパターン化し、平成の寅さんの印象。それはそれでこの作品の魅力になってる。
文庫版のあとがきは含蓄ありますねぇ。自分が思っていることと同じことを文字にしてくれていて、すばらしいです。