【感想・ネタバレ】フリードリヒ大王 啓蒙君主のペンと剣のレビュー

あらすじ

十八世紀なかばに、オーストリア、フランス、ロシアなどの大国を相手に七年戦争を戦い抜いた小国プロイセンの王フリードリヒ。彼は戦略の大家であると同時に、ヴォルテールを師として詩作に耽り、自らフルートを奏でる芸術家でもあった。しかし、彼にまつわる諸伝説の多くは、プロイセンがドイツ帝国となった十九世紀に成立したものであった。本書は、歪められた虚像の奥から、啓蒙君主の魅力的な人間性を引き出す試みである。

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Posted by ブクログ

虚飾を排した大王の「実像」を描こうとする本。その際とくに注意が払われているのが、フリードリヒと父王フリードリヒ=ヴィルヘルム一世との確執、姉ヴィルヘルミーネとの家族関係、大王による王妃の冷遇、大王の個人的交友関係など、大王の人柄がよく分かるようなエピソードを中心として構成されている。その点では、参考文献にも挙げられている訳書『人はいかにして王となるか』と同様の内容を、ただし詳しい部分はそれ以上に詳しく、簡潔明快に叙述してくれている。『反マキャベリ論』の著者フリードリヒとシュレジエンに侵攻する政治家フリードリヒの対比についてなど、彼の政治哲学と実際の政策の関係については、かなり厳しい評価が下されている。他方で、ヴォルテールとの関係については、ヴォルテールの評伝などと比べればむしろ大王に好意的な書き方であろう。いずれにせよ、一八世紀の宮廷社会に生きる人間の生活様式、生活文化がよく分かる本である。

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2016年04月01日

Posted by ブクログ

公人でなく私人としてのフリードリヒを知りたい人にお勧め。
これ読んだだけで著者の趣味がだいたいわかります(笑)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フリードリヒ大王も興味ある歴史上の人物。啓蒙君主としてよりも7年戦争などの戦いの歴史に興味があったけど、この本に取り上げられているような文学などに関するものも面白いな。フリードリヒ大王の父親のフリードリヒ・ヴィルヘルム王も面白い人物。ケチで嫌われた君主だけどしっかりフリードリヒの戦争を支える土台をのこしてるし。王たちのエピソードも面白いな。大学時代以来の再読でほとんど覚えてなかった。皇帝のほうのフリードリヒ2世にもほんの少し触れていたんだな~。

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2025年09月29日

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