あらすじ
M&Aにおいて、譲渡先の候補になるのは事業会社だけではありません。
「PEファンド」への譲渡もまた、有力な選択肢であり、
事業会社とのM&Aとは違ったメリットが数多くあるのです。
PEファンドの活用という経営戦略の選択肢を知らないままM&Aを実施してしまうのは、
非常にもったいないことだといわざるを得ません。
(「はじめに」より抜粋)
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近年、中堅・中小企業にとって、
PEファンドを活用できるチャンスが、どんどん広がってきています。
PEファンドとは、非上場企業の株式に投資をするファンドです。
投資をした譲渡企業へさまざまな経営資源(人材やノウハウ、資金など)を投じて、
経営をサポートしながら企業価値を上げることを目指します。
そして企業を成長させ、最終的には株式を上場させたり、
より良い相手へM&Aを実施したりしていくことが役割です。
PEファンドはオーナー経営者自身のみならず、
従業員、取引先など、すべての利害関係者に益する存在だといえます。
しかし、わが国ではまだこのPEファンドの本質や、
メリットへの理解が広く浸透しているとはいえません。
本書ではPEファンドの仕組みや特徴、中堅・中小企業のPEファンド活用方法について、
さまざまな事例を用いながら分かりやすく解説します。
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Posted by ブクログ
事例で学ぶPEファンドを活用した中小企業のM&A
著:株式会社日本M&Aセンターファンド部
本書では、PEファンドとのパートナーシップに成功した5社の事例を通じて、PEファンドの役割と活用するメリットが紹介されている。
PEファンドは、投資をした譲渡企業へさまざまな経営資源(人材やノウハウ、資金など)を投じて、経営をサポートしながら、企業価値を上げることを目指す。そして企業を成長させ、最終的には株式を上場させたり、より良い相手へM&Aを実施したりしていくことがPEファンドの役割である。
そのため、オーナー経営者自身のみならず、従業員、取引先など、すべての利害関係者に幸せをもたらすことができる仕組みが、PEファンドの本質と言える。
構成は以下の7章から成る。
①PEファンドのサポートで社内改革を実行一族経営が続く企業で社員から後継者を選び事業承継をした事例
②PEファンドへの株式譲渡により創業者利益を確定し上場企業のグループ入りを実現させた事例
③PEファンドが主導となって社長を招聘し事業承継をした事例
④IPOを目指す経営者がPEファンドをパートナーとして社内体制強化・追加M&Aを実行した事例
⑤経営危機の老舗企業がPEファンドの出資で再生しイグジットした事例
⑥大企業から中堅・中小企業へ拡がるPEファンド活用のチャンス
⑦最高のPEファンドと出会うために欠かせない仲介会社を知る
5社のリアルな事例は読んでいて緊張が漂う。
譲渡する企業はやはり一抹の不安を抱えている。それを解消するのが譲渡側の企業努力でもあり、本書では担当者の熱意が至る所で光っている。
企業同士と言えどもやはり、構成されている人や関係者等の「ヒト」と「感情・想い」が存在している。汗も涙も感情さえも見える化されているような臨場感が味わえる。
章ごとに事例の他にも体系的な知識の説明もあり、事例と知識を重ねながら読むことでその理解も深まる。
Posted by ブクログ
日本でも根付きつつあるPEファンドの活用について、本書では5つの実例と共に、ポイントや用語の解説がなされており、導入編として非常に読みやすい一冊だと感じた。
特に、成長戦略としてのPEファンドの活用方法について良い学びを得られた。M&Aというと、後継者がいないオーナーや経営に行き詰まった企業の選択肢と思われがちだが、PEファンドを活用することで、IPOを目指し自社を一段上のレベルへ引き上げることや、自社に磨きをかけ、将来的に上場企業の傘下入りを目指すことも可能である。
通常のコンサルと違い、LP投資家のお金を預かり、使命感を持ち「自分ごと」として抜本的な改革を行うPEファンドは、アメリカ同様日本でもこれからさらに活用されていくことが予想される。私たちは1人でも多くのオーナー経営者にその選択肢を提供する必要があると感じた。