あらすじ
人も町も伝統も、変化しながら生きていく。今の時代の優しい近郊小説。――瀧井朝世(ライター) 未来を照らすのは受け継がれる心意気。温もり溢れた人生賛歌の物語! ――内田剛(ブックジャーナリスト) 後継者不足に悩む老舗人形店に、外国人の若い女性が弟子入り志願!? お人好しな若社長は、仕事に恋に大奮闘! 亡き父のあとを受け、森岡恭平が社長を務める森岡人形は、低迷する売上、高齢化した職人の後継ぎ不在と、問題が山積。さらに恭平自身の婚活問題も難航しており……。そんなある日、職人たちが足繁く通うパブで働くクリシアというフィリピン人女性が、社屋を訪ねてきた。職人の一人が、酔った勢いで「俺の弟子にしてやる」と、彼女に約束したと言うのだが……。笑って、泣いて。読みどころ満載のハートフル・ストーリー。
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Posted by ブクログ
2022/9/21
おもしろいなぁ。やっぱりおもしろい。
クスッと笑えて最後にちょっと泣ける。
最高やん。
お仕事小説の名手で今回も結構なお手前。
雛人形職人のプロフェッショナルにときめくよ。
ほんとにこんな風にスポットライトがあたって潤えばいいのにな。
職人全部にそう思う。
彼らの未来が見たいので、またどこかに出てきてくれることを願います。
Posted by ブクログ
雛人形を作り上げるのに、専門の職人が何人もいること、なんとなく知っていたので、話に入っていきやすかった。
それぞれの人間模様、後継者問題、恋愛めいたこと…全てが絡み合うところは絡み合い、流れるところは流れ、とても読みやすかった。
この後日談も想像してしまうし、それも合わせて、朝ドラにピッタリと勝手に思ってしまう。
Posted by ブクログ
老舗人形の8代目をしている恭平は、職人が高齢化し後継者が育たない現状に危機感を覚えていた。
高校時代ボート部のキャプテンをして最高のモテ期だったにも関わらず、未だ独身で周りはヤキモキしていた。そんな時、ベテラン職人がフィリピン人の女の子を酔っ払った勢いで弟子にしてやると言ったのを本気にし、店にやってきて…
とにかく恭平が人が良い。いきなりやってきたクリシアに対しても追い返さず、自分の店で雇ったり、無償で母校のボート部のコーチも引き受けたりなどお人好し意外何者でもない。
出戻りで地元へ帰ってきた寿々花との距離も中々じれったくてもどかしかったけど、上手くいきそうで良かったです。
酒癖悪い宮沢だったけど、孫の雛人形の頭だけ作れてホッとしました。恭平の優しい嘘で救われた気がしました。