あらすじ
千葉県警の警備部長が外出中に誘拐された。
犯人は元自衛官と思われる男で、小指とともに送られてきた脅迫状には、
公安警察のマル自(自衛隊監視班)捜査官の全リストを警察庁のウェブサイトで公開しろとの要求が……。
期限は二日間半。柏警察署に特別捜査本部が設置されるものの、
自衛隊から出向中の副署長・植木は事件から閉め出されてしまう。
自衛隊発足以来続く、警察との水面下での確執が表面化する中、
植木は関係者の協力を得て、事件に関わっていく――。
『このミステリーがすごい! 』大賞出身の元自衛官が描く、傑作ミステリー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ふだん知ることのない自衛隊のこと。令和元年台風で被災した(当方千葉県在住)とき、剥がれた屋根にブルーシートを張ってくれた自衛隊の皆さんには感謝しかないが、そういう姿からは想像もつかない世界が展開する。
刑事ものとか推理ものとかが好きなら絶対に面白いと思う。
残念だったのは、このお話が3部作の3作目だということを、読み終えてから知ったこと。単体でも十分面白いが、だからこそ1作目から順番に読めば良かったと心の底から後悔した。発売した当時にこの本を知らずにいたことも後悔。
Posted by ブクログ
今作は舞台を警察に移しますが、植木の活躍は今作が一番かも知れません。
前2作もそうですが、若者達が悩みながらも様々な人に助けられて成長してゆく姿はとても清々しく頼もしいものです。
そしてまた後半怒涛の展開。悲しくも心打たれる結末。
こちらでも前2作から続く言葉や音楽など、続けて読んでこそ、の楽しみもあります。
自衛隊員や警察官は普段の生活の中で接することはありませんが、3作を通して、服務の宣誓をした職業の方々の覚悟には心打たれます。問題があった時ばかり取り上げられてしまいますが、ほとんどの方がこうした覚悟と矜持を持って職務に当たられているのだと改めて感じました。
植木の秘密は次回作以降に持ち越しのようです。
次は続いて同じ作者の『赤い白球』を読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
私にとっては新しい発見でした。自衛隊と警察との交流?の物語。だから大変面白く読ませていただきました。又これがシリーズ物だったとは驚きでした。最後は予想通りで肝心な事は闇の中。犯人は射殺され何となく有耶無耶に。公安と自衛隊の情報部、警察と法務省、警察と厚生省、基本的な方向は一緒でもうだうだと縄張り争い。色々考えさせられます。
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県警幹部が誘拐された事件を巡って対立する自衛官と警察。
初めての作家さんだったけど、スリリングな展開にグイグイ引き込まれました。
他のシリーズもあるみたいなので、またチェックしたいな。
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面白い!自衛隊と警察、知らなかったが結構根深い関係性があることにびっくりしました。章ごとに主人公が変わる構成に一気に引き込まれ、一気に読んでしまいました。
良かった。
Posted by ブクログ
2019年上梓。神家氏の植木礼三郎陸上3佐が活躍するミステリーである。本作では柏警察署に副署長として出向した植木が、アイドルを狙った狙撃事件と千葉市公安のトップである門脇警備部長が略取(誘拐とは言わないらしい)される事件が起こった。犯人から届いた脅迫状には自衛隊を監視するためのスパイ(マル自というらしい)の名簿を出せという内容で、犯人が自衛隊隊員である可能性が高まり、植木の署内や捜査本部での風当たりが強くなる。オネエ言葉を話すエリートというだけでエキセントリックな印象も受けるが植木礼三郎は物事に対してまっすぐで流されない。シリーズを通じて共感がもてる。今回、脇役は警察から自衛隊に出向してレンジャー訓練中に死亡した父を持つ飯島義恵巡査部長と自衛隊からの捜査協力者として小田信治三等陸曹をフィーチャーしてそれぞれの組織を上手く描き出している。
本作はシリーズ第三作目だか二作目にあたる「七四」も読みたくなった
Posted by ブクログ
警察と自衛隊の階級とか、正式な名称とか漢字が多く、すっと入ってこなくて、一つ一つの単語に引っかかってサクサク読める感じではない。物語自体は謎、推理あり、アクションシーンありで面白い。とにかくいちいち固有名詞の漢字が多く、ちょっと読み進めにくいのが残念。