あらすじ
書籍編集者の鳴木戸定。彼女は幼い頃、紀行作家の父と行った旅先で特異な体験をする。不器用に生きる定はある日、自分を取り巻く世界の素晴らしさに気づき、溢れ出す熱い思いを止めることができなかった。第1回河合隼雄物語賞受賞作。
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Posted by ブクログ
登場人物が変人だらけ。話の展開もこれまで見たこともないような内容で先が全く読めなかった。
グロい内容や下ネタもバンバン出てくるし爽やかな一冊とはとても言えないけど、だからこそキャラクター達が終盤に見せる表情に純粋さを感じた。
定は無感情で淡々としているキャラクターなんだろうと思っていた。
でも本当は父親が死んだ時の心の揺らぎを抑え込んでおり蓋を開ける場所を探していたのかなと感じた。読者視点で一定の距離感で眺めていた主人公だが嘔吐したあたりから一気に人間味が増してぐっと感情移入できた。
福笑いで使う顔のパーツについてもここに結びついていたのかと驚いた。
個人的な話になるが、私は今好きな事を背負って新たなスタートをしているところでプロレスの試合後の守口の言葉がとても良く勇気づけられた。
Posted by ブクログ
最初の方はあんまりハマらないかもな〜と思ってましたが、乳母が体調悪くなったところくらいから、面白くなってきてどんどん読み進めていきました。
定が生い立ちからなのか、あっさりとした人だったのが守口との会話で感情が芽生えてくるところ(?)は一緒に熱くなりました。
Posted by ブクログ
守口廃尊がいい
定とのやりとりがいい
定の海外での経験や父母悦子との話、もっと聞きたくなった
定のエッセイが読みたいと思った
最後のシーンは笑顔のまま涙がじんわり
雨をやませてほしいという担当作家の要望に対して、まっすぐに儀式という選択をした定がこころに残った
定の選択は定にとって今自分にできるいちばんの方法を選んだだけ、それが大変とかそんなことは置いといて
当たり前とか普通とか常識ってなんだろう、周りからどう映ろうと、きっとすべての言動にはその人が選択した事情や理由があって、それは他人がどうこういうことじゃないよなって、そんなこんなを考えてしまいました
Posted by ブクログ
鳴木戸定
1月1日生まれ。マルキ・ド・サドから名付けられた。編集者になる。
多恵
定の母親。腎炎が悪化し、定が5歳のときに命を落とした。
栄蔵
定の父親。紀行作家だほとんど家にいない。定が12歳のときに死んだ。
岸田悦子
多恵が嫁いだ時にいたお手伝いの婆や。
之賀さいこ
作家。定が担当編集者。
あにた博
作家。定が担当編集者。
六本木大
作家。定が担当編集者。
小暮しずく
定より1年後に入ってきた編集部員。
篝
男性社員。
米永
40代の男性社員。急に仕事を無断で休み、そのまま会社に来なくなった
守口廃尊
守口譲。プロレスラー。1965年生まれ。米永が書籍の担当していた。
若鍋
『週刊事実』の守口担当。20代後半の男性。
水森康人
定の担当作家。
吉永亜紀
編集部員。バツ3。
武智次郎
新宿で迷子になっているところ、定に助けられる。
真紀
悦子の娘。