あらすじ
「あなたは悪くないんです。」(「燃やす」)「私たちは、この世界で役割を与えられた係なんだ。」(「孫係」)「弱いことってそんないけないんですか?」(「マタニティ」)――さまざまな人生の転機に、まじめさゆえに孤独に思い悩んでしまう女性たちの背中をそっと押して、新しい世界に踏み出す勇気をくれる魔法のひとこと。珠玉の八編、ついに文庫化!巻末に長濱ねるとの特別対談を収録。
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Posted by ブクログ
「孫係」
いい子でいようとするとしんどいし疲れる。
共感しかなかった。
「ドラゴン スープレックス」
まじないや縁起なんてな、自分で決めるもんやねん。→自分の幸せになるためのものやろ?それに囚われるのはおかしいやんか。
これもそうだよなってはっとした。
良かった。
Posted by ブクログ
女性が主人公の短編が8作品。どれも読んでいてつらいテーマだと感じたが、現実的だった。どの主人公にも共感できる部分がある。同じ経験をしたわけでもないのに「わかる」と思わせる力があるのは、人間のよくある心の動きを描いているということなのかもしれない。
心にグッと爪痕を残したのは『あねご』だった。女性の親族の間で受け継がれる呪いのようなものが、最後の『ドラゴン・スープレックス』で祝福に代わっていた。しがらみも少しだけ愛せるような、不思議な気持ちで本を閉じた。
Posted by ブクログ
女性主人公の8つからなる短編集。
個人的には孫係が刺さった。遠方に住む祖父が1ヶ月だけ引っ越してくることになり孫のすみれは自分の家でありながら息が詰まるような感覚を覚える。でも、迎え入れた父母にも、もちろんお世話になる祖父にも誰1人として悪意はないからこそ、そういう感情に後ろめたさが生まれる…といった話。そこで出てきた「役割的にそうせざるを得ない」という考え方はドライだが、生き抜く上で大切な思考だと感じた。
大切なのはその行為が騙して得をしようとしているわけではなく傷つけないように思いやりからくる行動であること。
なるほど、と思いました。
Posted by ブクログ
孫係
おじいちゃまから、役割を演じることを教えられる孫。相手を思い遣って求められる役割を演じる。本当に信じられる人にだけ、悪態をつく。正直なことと優しいことは別。(本人が見るかもしれないネットなんてもってのほか。)
あねご
酒を飲み明るく振る舞っているように見えて、ブスでも相手にしてもらえるよう無理矢理頑張ってきた。酒を飲んで暴れる父は家を出た。キャバクラで芸人で電話すればどこでも酒を飲みに行く見窄らしい父と再会した。お父さんも酒が無いと生きていけない人だった。「あなたがいてくれてよかった。」
オーロラ
恋人が「心の無い場所」へ休暇に行きたいと言い、オーロラの見えるアラスカに来た。オーロラは見えなかった。恋人からは冷められていると分かっている。「戻って来るのはあんただよ。」
マタニティ
子供が出来て不安になる主人公。何でも不安だった。「計画的に妊娠したと思われたらどうしよう」と最初に思うまでに。
「弱い人間でも生きていけるのが社会なんじゃないですか?」
Posted by ブクログ
燃やす、孫係、あねごが特に良かった。その他の話も面白くて、すごく沁みた。
決して壮大ではない痛みや傷に寄り添ってくれるような作品。これはまた読み返したい。
Posted by ブクログ
8つの短編集。登場人物の性格もおかれた状況も様々で、どれも楽しく読んだ。
個人的に一番好きだったのは『孫係』
長野に住むおじいちゃまが仕事の都合で、すみれの家に1ヶ月住むことになった。両親は喜んでいる(特に母親)が、すみれは何だか息苦しさを感じていた。
それは祖父も同じで、二人はお互いに良き祖父、良き孫を演じ、二人でいる時だけ悪態をつくことにする。という話。
確かにこういう風に振る舞っておくべきだなという場面はあるし、自分はこの役割だなと思って動く時もあるから、すごく納得。それが実際の家族間であるというのには少し寂しさも感じるけど。
Posted by ブクログ
燃やす
けいちゃん
お兄ちゃんのお下がりのジーンズ、ジャージがお気に入りで、女の子らしいずぼんは嫌だった。
上のお兄ちゃん
下のお兄ちゃん
お母さん
「はすっぱ」であることを、ほとんど使命にしているみたい。
おばあちゃん
いつもおしゃれをしていた。
お父さん
けいがハイハイをいていた頃に家を出て行った。
背が高く頭が禿げていて髭がぼうぼうの男
裏のおじさん
花壇を手入れしたりウサギの世話をする人のはずだけど、大抵焼却炉にいた。
いちご
浮ちゃん
浮太郎。いちごを育てている。九州の祖父の家の後ろに住んでいた。
私
浮ちゃんとは父方の「遠い親戚」と教えられていた。
弟
孫係
おじいちゃま
長野県で大学の教授をしている。私のママのパパ。
おばあちゃま
私が小学三年生の時に死んでしまった。
私
すみれ。
ママ
パパ
ラブ
コッカースパニエル。
さくら
あねご
私
「イベントサークル」とは名ばかりの、お酒ばかりを飲んでいるサークルに入った。大学一年生なのに「あねご」というあだ名をつけられた。卒業後、食品会社の事務で派遣社員をした。キャバクラで働く。
マイ
園田
キャバクラの常連。
姫香
園田がいつも指名してたキャバ嬢。
お母さん
お父さん
Aさん
俳優。
モリ
芸人。
オーロラ
トーラ
ダンサー。
私
ケイ。会社員。外資系のコスメティックブランドのPRをしている。
メアリ
宿のオーナー。五十代半ばの大柄な白人女性。
マタニティ
私
子どもが出来た。
徳永亮平
田端の大学の同級生。バツイチ。医療系の出版社に勤めている。
田端
徳永を飲み会に連れてきた。
モイ
私が飼っている猫。キジトラ。
ドブロブニク
私
ゆき。大学卒業後に劇団を立ち上げた。
梨木陽平
劇団の主宰。
吉岡
劇団の初期メンバー。
ドラゴン・スープレックス
おばあちゃん
信心深い。本当はひいばあちゃん。
私
樹絵瑠。おばあちゃんには喜恵と呼ばれている。
おっさん
元大学教授だったとか研究者だったとか。
ママ
ダミアン
ママの彼氏。ジャマイカ人。
裕子
ママのママ。