あらすじ
死んでしまいたいと思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。(「健やかな論理」)尊敬する上司のSM動画が流出した。本当の痛みの在り処が写されているような気がした。(「そんなの痛いに決まってる」)生まれたときに引かされる籤は、どんな枝にも結べない。(「籤」)等鬱屈を抱え生きぬく人々の姿を活写した、心が疼く全六編。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
まだ途中だけど、1作目の「健やかな論理」が良すぎて、2作目に進む前に止まってしまった。
希死念慮というか、なんかもういいな、みたいな感覚、長らく忘れていた気がするけど、久しぶりに刺さったな。パッと終わらせてしまう勇気は最後まで出なくて、その瞬間には足が竦んじゃうんだろうけど。
この2年間大事な人と過ごして、こういうことを考えずに生きてこられたんだなと思った。これから大丈夫かな。
「自分にも見えないものが、ずっと積もってるんだよ。最後の一滴が何なのかは、誰にもわからない。」
最初の話がよかったな。全体を通して暗くて救いがなくて、引っ張られそうになった。
「考えても仕方のないことなのだから考えないでおこう、自分自身にそう何度も誓ったことほど、ふいに、ふっと全身を丸ごと覆い隠すように降ってくる。」
Posted by ブクログ
自分の生の轍や人との関わり、考え方へ疑問や後悔や悩みを募らせている人々の短編集。
ただ、物語的なハッピーエンドや救いが必ずある訳ではなく、その人にとっての解を何となく見つけたり、それが人生だと諦めにも似た終わり方であったり。メンタルが終わっている時に読むと、大人は辛いかもしれないなと思いました。
最後の「籤」という話はかなり前向きな終わり方。
今までの人生どれだけハズレを引いただたろう?あの時、あっちを選んでいたら。こうしていたら。ああしていなかったら。たられば、あの時の私。
ただ、ハズレと思っていたことが実はそうではなかった、ということも多い。というかハズレをハズレたらしめるのは、ハズレだと思っている自分の考え方だけなのであって、それは他人から見たら当たりかもしれない最高にベストな選択の可能性もある。ハズレと思っていた選択。でも、だからこそ今こうである。そんな考え方をしていくべきですね。
最後の文章。「明転した。私の舞台。私の人生。」全ての登場人物と、自分自身の人生に思い悩む全ての人々が、いつかこのように思える日が来ますように。
Posted by ブクログ
朝井リョウさんの現実の切り取り方、理解の深さには毎回ハッとさせられる。
身近にいるけど何考えているのかわからない人って、実際は多分こんなこと考えているのかな。
と思わせてくる。
最後の、引き当てるというテーマが誰しも共感できるだろうし、私も刺さった。
なんで私がこんな目に、という不運を肯定的に捉えようという自己啓発本とかはたくさんあるけれど、この話は結論としては似たようなところに落ち着いているんだけど、そこまでのプロセスが人間味をすごく感じた。
下を見ることで世の中の理不尽さを肯定するような。
生きているなと突きつけてくる解像度の高さが朝井リョウ全開で読み応えがありました。