【感想・ネタバレ】神と王 亡国の書のレビュー

あらすじ

『神様の御用人』 浅葉なつの新作ファンタジーついに始動!
『古事記』からインスピレーションを得て生まれた「神」と「世界の謎」をめぐる壮大な物語。

(『神と王』あらすじ)

この世界に乱立する国々の中、古い歴史を持つ国・弓可留(ゆっかる)。
父の後を継ぎ、歴史学者として日々研究に励んでいた慈空(じくう)はあの日、すべてを失った。
他国の「神と歴史」を奪って肥大する隣国・沈寧(じんねい)が、弓可留の宮殿に攻め入って王族を殺し、信仰のよりどころである国の宝珠『羅の文書』を奪い去ったのだった。

命からがら逃げ出した慈空の前に、謎の二人組が現れ、ある「石」の在り処を問う。その石こそは、慈空が親友だった王子から託されたもの――弓可留のもう一つの宝珠「弓の心臓」だった。

「神はなぜ、国を見殺しにした?」

片刃の剣を持つ風天(ふうてん)、不思議な生物を手首に飼いならす日樹(ひつき)、そして行商集団・不知魚人(いさなびと)出身の瑞雲(ずいうん)らと交わり、信じていた世界が根底から覆ってしまいそうな日々の中で慈空は、『羅の文書』の奪還を決意する。
踏みにじられた故郷のため、亡き親友のため、そして――

構想に4年をかけ、緻密に作りこんだ設定、個性的なキャラクターたちが、誰も知らない魅惑の世界へと誘います!

●カバー画を担当するのは『キングダムハーツ』シリーズ『FF XIII』『グラブル』『Fate/GO』『NieR リィンカネ』等に携わったイラストレーターの岩佐ユウスケ氏。生き生きと躍動し、それぞれの信念を感じさせるキャラクター造形で『神と王』シリーズを盛り上げます。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルと装丁に惹かれて読みました。
キャラクターのイラストが素晴らしく好み!

最後に明かされる謎もあるけど、まだまだ明らかになってないものもあり、今後のストーリー展開が楽しみです。

初めて読む作家さんですが、セリフでキャラクターの特徴を描き分けるのが上手いなぁ、と感心しました。笑笑(私の読解力と想像力の問題)
↑プロの作家さんに言うことじゃないのかもしれないけど、分からないと読み進めるテンポが悪くなるので^^;

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

弓可留の歴史学者・慈空は、沈寧に国と王族を奪われ、「弓の心臓」という宝珠を託されたまま、傷を抱えて逃れていく。追手に追われながらも、風天と日樹に救われ、さまざまな人々が暮らす不知魚人の住まいで、これまで目を背けてきた存在と向き合うことになる。その出会いは、彼の過去の価値観を静かに揺らしはじめた。

一方、沈寧の王太女・薫蘭は、父王の暴虐に心を痛め、「正しさ」を求めてひそかに誓いを抱えていた。
慈空が捕らわれたとき、彼の想いに触れた薫蘭は、宝珠を守るために彼を逃し、偽物だけを父王へと差し出す。

すべてを失った慈空は、風天の問いに導かれるように、それでも生きる道を選ぶ。やがて沈寧へ潜入する計画が進む中で、「祈る」という行為に寄りかかる人々の姿にも触れ、世界の広さと心の奥の柔らかさを知っていく。

そして祭りの日。
白叡の策と薫蘭の願いが交錯する中、王の暴走は終わりを告げ、風天は“神の名”を利用した権力の歪みを鋭く問いただす。やがて風天こそが斯城の王であると明かされ、沈寧と弓可留は新たな支配のもとへ戻っていく。

物語の中で、慈空は“不知魚人”の中に混ざり者や杜人がいると知る。彼の故郷では、杜人は“知能の低い、差別すべき存在”として語られていた。だからこそ、世話をしてくれた人たちだと知っていても、どこか胸の奥に不快な影が差したのだろう。そんな慈空に瑞雲は問う。
「知らないから怖いんだ。混ざり者も杜人も、お前は言葉を交わしたことがないだけだろう」と。

この言葉が、深いところに落ちていった。“知らなさ”が“怖さ”を生み、その怖さが差別という形をとることがあるのだと。

私はかつて、発達障害のある人たちが怖かった。理解できない行動を見て、不安や不快を抱いた。けれどボランティア先で彼らと過ごすうちに、喜びも悲しみも、ゆっくりとした成長も、私と同じ場所に息づいているのだと知った。触れ合ったとき、私は初めて“無知だった自分”に気づいたのだ。

慈空がさまざまな存在を受け入れていくように、私もまた、人を知り、自分を知り直していく旅の途中にいる。だからこそ、子どもたちに向き合うとき、「知ること」は誰かを理解する光になり、自分の成長へと続く道になるのだと、そっと伝えていきたいと思う。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

歴史学者の父の後を継いだ慈空(じくう)。
弓可留(ゆっかる)国の王太子、留久馬(るくま)と兄弟のように育つ。
平和だった弓可留に隣国の沈寧(じんねい)が攻め入り、王と王太子が殺され、国の宝珠の一つ〈羅の文書〉を奪い去られた。もう一つの宝〈弓の心臓〉を留久馬に託された慈空は、血の海の王宮から抜け出したが ―― 。


日々、神に祈り信仰厚い弓可留の国民だった慈空。国を失くして「何故、神は助けてくれなかったのか」と思います。
〈弓の心臓〉を探す風天や日樹達と出会い、〈羅の文書〉を取り戻すため沈寧に行きますが、捕まってしまいます。最初は頼りない坊ちゃんという印象でしたが、拷問に耐え約束を守ろうとする姿は強く逞しく思えました。沈寧の王太女、薫蘭がまともな人で良かった。

いろいろな種族や国、神様等しっかりした世界観で作られた物語です。神と王、統治するには相反する存在かもしれない二つがどういう形で受け入れられていくのか、今後の物語に注目したいです。

「人を救うのは神ではなく人なのだよ。」という言葉が印象に残りました。

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2024年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

絡み合う人と人の過去、思惑、感情。

主人公 慈空が傷を負ったところ世話をする瑞雲がなかなか格好良い、と思っていた。だが、まさかのまさか、敵国 沈寧で王太女 薫蘭に敵対していた弟 宗満の後援 白叡のような、敵方に見せて寝返るキャラクターが私の好みなのである。とはいえ、白叡は最終的に配下を御せなかったという点で三下であった。

瑞雲の正体は最後に明かされるものの、それもまた彼の魅力、そしてそれに対する慈空の反応が彼の成長を表している。
さらに風天。なんとその正体は、というところであるが、正体が知れたら彼の奇怪な好みや金銭感覚の理由もわかるというもの。
謎はまだ残されているが、読後感もそれなりに良い作品であった。

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2024年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

神と王とのあり方を真摯に問う者がいる。
国同士の争い、殲滅された王家の復讐を誓い形見の弓の心臓を守って逃げる歴史学者の息子慈空の成長と彼を助けて暗躍する風天、日樹、瑞雲。それぞれ出自に秘密があり魅力的なことこの上ない。そしてとりあえずこの巻で一段落する収まりの良さ、すばらしい。
梯子の闇戸、不知魚人、種などの謎やこの世界の始まりへの探究などますます面白くなりそうな次巻が楽しみだ。

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2022年11月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

壮大なストーリーを想像していたのでちょっとがっかり。それぞれの国の代表がそんな簡単に色んな場所で出会える?それぞれがそんなに小さい国?警備が甘い?
十二国記系が大好きな私は、何冊もかけて敵国の仇を打ちつつ・・・なんて話を想像していたら、1冊であっさり終わるし。続きはまた別の話しなのね。登場人物のキャラクターは好きだけど、2冊目以降で面白くなるのかな。

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2024年12月17日

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