あらすじ
夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来より人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか? 宇宙はどこまで美しいのか? 最新の研究成果をやさしくひもとく知的冒険の書。
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Posted by ブクログ
村山先生の本も見かけると買ってしまっている気がします(天文の先生には、指名買いする方が多いです)。村山さんって、難しいことをわかりやすく、かつ楽しそうに話すのが好きなんです。この本も宇宙の法則を一つの綺麗な数式で表現したいという想いが物理学の原動力だということを楽しそうに説明していきます。とはいえ、その数式はいくら見ても訳が分からないのですが……。
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標準理論の最先端研究者が、暗黒エネルギーの発見に打ちひしがれず立ち向かう姿勢に勇気をもらう。
村山先生の、高みから腰を下ろしてこちらに目線を真っ直ぐ合わせるような、自分の言葉を用いて平易に語る説明は健在。
真にリスペクトするに値する科学者の一人。
Posted by ブクログ
表紙や本文中の写真を見ても分かるように、宇宙は、まず、見た目が美しい。それに加えて、美しい法則のもとに成り立っている点が完璧すぎる。アニメ「チ。」にハマっているけれど、登場人物たちもそういう点に魅了されたんだろうな。重い元素は星の中でしか作られないこと、ウルトラマンの故郷・M78星雲についてのうんちくなどを知ることができた。
Posted by ブクログ
解説が丁寧でわかりやすい。が、扱っている内容が難易度高く(受け取り手の器が小さく)難しすぎた。
なんとか1章目あたりまでは理解しつつ読めたような気がする。
ただ著者が魅力に感じている宇宙の見た目の美しさと科学的な美しさがよく伝わった。
もう少し私自身に知識が身についた頃、もう一度読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
難しいと思うよりも、宇宙の前では人間って小さいなと思います。
宇宙はとどまることなく膨張を続けている。
太陽の何倍もの惑星が存在する。
限りなく大きいと感じる太陽系も、銀河系の一部であり、銀河系も更に小さな点に過ぎない。
宇宙を形作るダークマターの存在。
宇宙の法則は美しい記号のようなもの。
正直、難しいことは分かりませんが、アインシュタインやガリレオ、ホーキング博士といった巨人の肩にのることで宇宙の謎が少しずつ解き明かされてきた。
星空にひとが魅了されるのは、美しさもあるかもしれませんが、その先の何かに想いを馳せるからでしょうか。
Posted by ブクログ
『世界は「関係」でできている』を読んで、物理系の書籍が読みたくなって購入した。
写真がカラーなのが良いし、参考になるYouTubeのアドレスがQRコードで添付されているのも良い。この手の書籍でよくあるのだが、後半に行くにつれてだんだん内容がわからなくなってくるということが本書でもなくはないが、冒頭の写真などだけでも十分にワクワクできる。
内容がわからないと言いながらも、著者の説明は例えなども交えてイメージがしやすいものになっている。対称性の破れの説明にまさか洗濯物の干し方が出てくるとは思わない。こういう身近な例で説明できるというのは著者本人が普段からよく考えているということだろう。
あとがきに
「私が南部理論をやっと理解できたもの、ロックダウン中のことです。」という記述がある。おそらく、最前線で働いているだろう著者でも理解しきれていない理論があり、それでも全線で研究できているというのはなんかちょっとほっとすることであった。
Posted by ブクログ
宇宙は果てしなく広がり、私たちの想像を超えたスケールで存在している。その光が地球に届くまでには膨大な距離を旅し屈折し時に歪む。どういうこと?物理の難解な理論が広がる。頭が回らない、追いつきようもない。オリオン座!金星!というだけにしよう。その写真は不思議なほど美しい。彗星や天体ショーを楽しもう。宇宙の壮大さに思いを馳せ解き明かそうとする。我々がなぜにいるのかにさえ答えを導きだそうとする。凄いなあ、きっと美しいのだろうなあ。
Posted by ブクログ
「宇宙が美しいのは、きっと美しい統一理論で形成されているからだ」と。しかしながら、まだ宇宙を支配する「究極の統一理論」は発見されていない。その東一理論は対称性が高く、簡潔で、安定感があるものでなければならない。特に量子の世界では、クォーク、レプトンがそれぞれ6種類ずつ、それ以外にも光子、グルーオン、Wボソン、Zボソン、にヒッグス粒子と量子についての発見が続くほど複雑になっている。インフレーションや暗黒エネルギーなど、ほとんど何もわかっていないことも多いのだ。
知ろうとすればするほどわからなくなるというのが、量子の世界だね。写真が豊富で良書なのだけれど、宇宙に関してはどんな本を読んでも、スッキリしないのは仕方がないことなのだ。
Posted by ブクログ
図や写真が綺麗でわかりやすく解説しようという意図はよく理解できる。が、いかんせん2章以後は難しい。最後の2章の対称性の破れについての解説は超困難。落ち着いてもう一度じっくり取り組まないと。