あらすじ
高貴な身分ながら天涯孤独となり、困窮を極めたケイトのもとを、亡き母の名づけ親だという年老いた伯爵夫人が訪ねてきた。老婦人は事情も告げず、ケイトをなかば強引に馬車に押し込むと、ロンドンを遠く離れた、荒れ果てた屋敷へと連れていった。ここに何があるというの……?ケイトはいぶかりながらも、あまりに急な出来事と長旅の疲れから、気を失ってしまう。目を覚ますと、見知らぬ男がすぐそばにいた。蝋燭の火に照らされたどこまでも青い瞳が、じっと見つめている。ケイトはぼんやりした意識の中で、その輝きに吸い込まれた。
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Posted by ブクログ
リージェンシー。イベリア戦争の傷痍軍人がヒーロー。相続から外されたこと+傷のため婚約者に振られたひきこもりヒーロー×父と兄をイベリア戦争で亡くし困窮したヒロイン。
ヒロインの設定がとっても可哀想だけど、それにくじけず自分の力で生きていこうとするところが立派。ヒーローも貧乏(屋敷とかあるけど)なので、会ってすぐに愛のない契約結婚という流れにならないのも安心。
ヒロインは父と兄についていった前線で怪我をした兵士を看護していたけれど、家柄のいいレディが男の体を見たり触れたりしていたことで非難されるとかも時代が時代とはいえ可哀想。(「クリミアの天使」ナイチンゲールが活躍するのはこの30年くらい後。)
ネットで他の方のレビューを拝読してあらすじ分かってても舞踏会のシーンは箱ティッシュ用意しないと読めなかった。このシーンにしか出てこない登場人物たちの背景がもうね、うるうるする。
ヒロインの過去があまりにかわいそうなので、「実は~だった」という救済エピソードを脳内で捏造して読んだけど、ヒーローヒロインともいい人でいい話だった。最後の最後がまたロマンス小説らしいハッピーエンドでよかった。