あらすじ
ほんとうにうまい大根は、
「ほんとうに、うまいねえ」
むかし、三井老人が、よくいっていたものだ。(本文より)
四季折々の味を慈しみ、土地土地の食を堪能する、たべものエッセイの神髄。
幼き日の海苔弁当の思い出から時代劇の食べもの、卵のスケッチ、そして大根の滋味に目覚めるまで。あるいは東京下町から奥多摩、仙台、湯布院、さらにフランス、スペイン、インドネシアまで――。古今東西の味と人をめぐるおいしい話の数々を、時代小説の大家にして食エッセイの達人が味わい深く描く。
〈巻末対談〉荻昌弘×池波正太郎「すきやき」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
するすると読める文章が心地よい。
食べ物とそれを取り巻く風景が浮かんできて、お腹は空くし旅には行きたくなるし…なエッセイ。
食べ物などから連想して小説のタイトルや音楽のイメージを得ることがあるというのが印象的だった。
Posted by ブクログ
池波正太郎の食エッセイは安定して面白い。池波正太郎の生きた時代の食を味わってみたいと何度も思う。三井老人のいう大根のうまさやフランスの田舎料理などなど、その土地土地、四季折々の旬を食べることが醍醐味だと思う。
最近、家の裏のベーカリーが開店前から行列してしまう。朝焼き上がるパンを週末の楽しみにしていたがもうそれも叶わない。バズることに囚われたライフスタイルや経済活動から離れて、好きなものやうまいものを味わいたいなと思う。
Posted by ブクログ
何というか、人としての余裕が流石だなぁと。
然し乍ら、ちょっと前までって、家人にやきそばをやれ、というように命じてたのねー。
男尊女卑っていうのとは違うけれど、時代を感じたなぁ。
歳を取ったら色々と削ぎ落としていかないとと仰ってたけど、何歳位でそう思われたのかな。