あらすじ
日韓関係は,なぜここまで悪化してしまったのか.交流が増えるにつれて,日韓の相互理解は進むはずではなかったのか.――その謎を解明するため,本書は一九四五年から現在に至る歴史を,北朝鮮・中国など国際環境の変容も視野にいれながら,徹底分析する.一つの生命体のように変化を遂げる日韓関係の履歴と未来とは.
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Posted by ブクログ
韓国が民主化、経済発達するにつれ「非対称」から「対称」に変わる日韓関係
両国が競争関係へと移る中で歴史問題も顕在化
政権の移転が繰り返された韓国は過去の政権の対日政策が誤ったものとされるため反故にされやすい
冷戦の進展に左右される日韓関係
・50年代→共産主義のみならず日本への恐怖感から距離を置く韓国
・60年代→軍部独裁のメリットを活かし日本に接近する朴正煕
・70年代→冷戦の膠着で少し距離が開く
・80年代→新冷戦により再び協力関係
冷戦の終了後は北朝鮮を巡って日韓が動く
協力はあくまで安全保障と経済に限られる
金大中を巡る民主主義的な親近感、ソウルオリンピックなどで民間の交流が進む
韓国は保守政権はどちらかというと親日
リベラル政権は反日的傾向が強い
Posted by ブクログ
これは圧巻です。 新書でここまで書けるとは素晴らしい!
主に1945年以降の日韓関係を記述していますが、事実関係を丁寧に扱いながら、「非対称から対称へ」という独自の見方で潮流を読み解きます。特に優れているのは、日本・韓国それぞれの立場・意識・価値観の違いを、極めて冷静・客観的に分析している点。これを読むと、隣国であっても、「正義」(約束・合意を守ろうとする「手続き的正義」の日本と、その時の関係当事者が納得する「実質的正義」の韓国)や「歴史」の捉え方で、お互いに大きな違いがあることがわかります。
特に、第4章では、①国力(パワー)の「均衡化」、②体制価値観の「均質化」、③日韓関係の「多層化・多様化」、④日韓関係の「双方向化」、の4つをもとに「非対称から対称へ」を論じるところは納得感があります。
日韓の一人当たりGDPの差では、1970年の7倍から2018年には1.3倍までに縮小。ソフトパワー(文化)の面でも韓国がグローバルに展開し、かつてとは異なる状況になりながら(非対称から対称へ)、日本側の価値観の変化が追いついていないところもあるとも分析しています。
米中対立のなかでは、日韓が手を結ぶほうが得策とのことですが、韓流好きも嫌韓も、「この本を読まずして日韓関係を語るなかれ」と言いたくなるほどの1冊です。