あらすじ
延々とくり返されてきた中学受験の是非論に、気鋭の教育ジャーナリストがファイナルアンサー!! 著者は「そもそも中学受験にメリットもデメリットもない。むしろ中学受験で得られるもののうち、何をメリットと感じ、何をデメリットと感じるかにそのひとの教育観、幸福観、人生観などの価値観が表れる」「中学受験はやり方次第で良薬にも毒にもなる」と語る。膨大な取材経験を背景に、中学受験の意味を壮大なスケールで描き出す。
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Posted by ブクログ
中学受験の本でとても参考になると思いました。
以下私にとって心に残った言葉。
•どんな学校にでもいじめはある。
でも起こっていないことに過剰に反応するのではなく、うちの子はどんな学校に行っても大丈夫だからって自信をもって送り出せるように育てるのが親の役割。
•学校選びでは子供自身目が輝いているか、体が躍動しているか、心が安らいでいるか....。
小さい頃からいかに自分のこどもを見る目を養ってきたかが重要。
•「やらないよりはやったほうがいいかも」を積み重ねていったらきりがない。一方、子供の時間も体力も有限だ。負荷が多すぎて子どもが潰れてしまうよりは、多少余裕があるくらいの子どもはいきいきする。余裕がない状態にまで追い込んでいたら、やる気を出す暇もなくなる。
•親子で未熟さをさらけ出し合い、正しさについて話し合い、新たな信頼関係を結び直すことで、それが親子双方の人生を支える。
Posted by ブクログ
中高一貫校に行くことで多様性やハビトゥスを感じられるメリットに共感。3年間試行錯誤しながらやりきって成長することが大事だけれど合格は欲しいなぁと感じた。
飲んでみて改めて思う、中学受験のメリットは大きい。親が子供の特性をよく見て、どの時期に受験という冒険をさせてあげるのが良いのか考えないといけない。
Posted by ブクログ
第四章については、何度も読み返したい言葉がいくつもあった。もともと、中学受験のメリット・デメリットを知りたくて、本書を読んだが、それ以上に子育てとはどういうことかを考えさせられた。
自分自身の価値観・何に喜びを感じるのかを問い続けること、それが教育であり、子育てなのである。そして、子どもにとっての価値観の足がかりとなるのが学校であり、家庭なのである。
以下、メモ
◆中高一貫教育の意味
小学生は遊ぶことが大事!と言う人もいる。しかし、中学受験生の遊び時間は15分しか減っていない。減っているのはメディア(スマホ、パソコン、ゲーム等)である。であれば、目標に向かって努力する中学受験という経験に、その時間をあててもいいのではないか。また、「10歳以降は、脳はほとんど大人と同じになるから、ガンガン勉強させて構わない」と、脳科学者の林成之氏は言っているそうだ。
難関国立大学の進学割合では、内進生が7.6%であるのに対して外進生は0.8%と大きな差があった。
いい大学への近道として中高一貫校をとらえ、そのために中学受験するのは、3つの意味でナンセンスだ。
1.筑駒の東大合格率が示すのは、東大に進学するポテンシャルを持った子どもたちが筑駒には半数いるというだけのことだ。
2.いい大学に行くことを目的とするならば、最も効率がいいのは学校に行かないことだからだ。学校など行かず、朝から晩まで予備校に通って、問題集を解きまくればいい。
3.中学受験をした子としなかった子が、同じ小学校を卒業して、結局同じ大学の教室でクラスメイトとして再会したら、一方の子が中学受験をした意味はなかったことになってしまうのか。そんなはずはない。結局同じ場所にたどり着いたとしても、そこに至る道のりが違えば、人生における意味合いも違う。ただし、どちらの道が優れているかを客観的に評価することはできない。どちらの道かを決めるのはそれぞれの価値観だし、さらに言えば、どの道を選ぶかよりも、選んだ道をどう歩むかのほうがよほど大事だからだ。