あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
化学は暗記科目ではない。
電子の動きを理解すれば、化学はすべて見えてくる。
電子を共有することで、原子は結びつき、分子ができている。
原子ごとの電子のふるまいがわかれば、化学はこんなにおもしろい!
授業がわかる。応用が効く。楽しくなる。
わからない高校生、必読の入門書。
化学嫌いなあなたの、化学の見方が変わります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2000年に出版されロングセラーとなっていた旧版の新訂版。高校卒業以来何十年も分子式に触る機会のない僕だが、著者の語り口はどこか当時の教師のそれに似て懐かしく、なんら引っ掛かることなく読み進めることができた(決して今風の文体ではないが)。
副題に「電子を見れば化学はわかる」とある通り、化学反応における電子の振る舞いを中心に解説が進められていく。第4章までの理解のしやすさは特筆もの。原子核が電子を共有し強い結合をなす「共有結合」、電子が一方の原子核から他方に供給されて結合する「配位結合」、イオン化傾向と電子親和力から生じるクーロン力による「イオン結合」…全て電子の「ペアになりたがる」「自由に飛び回る方がエネルギーが低く安定的」という特質を軸に解説されており、理解しやすい。特に水分子の持つ特異的な構造についての解説が鮮やかな「水素結合」の段が面白かった。論点がやや細かくなる第5章以降はついていくのが難しいが、各種科学読み物を読んでいて必要な時に参照するために手元に置いておく価値は十分あると思う。