【感想・ネタバレ】人生の締め切りを前に 男と女、それぞれの作法のレビュー

あらすじ

年を重ね自らの死を意識したとき、男と女で感じ方や備えはどこまで変わるのか。生き方の達人どうしが初対談。年々、夫や妻の気持ちがわからなくなるあなたに送る。

「妻を亡くし、もう生きていてもしょうがないと思って、青酸カリを手に入れようかと考えたこともありました」「僕は下重さんと違って、弱い人間なんです」……テレビで見せる姿と違い、87歳になってひとりで生きることの意味を見つめる田原氏。それに対し、老境を迎えた生き方について数々のベストセラーを執筆する85歳の下重氏はどう答えるか。
定年を迎えたサラリーマンの男たちはなぜ急に弱くなるのか、夫を喪った妻と妻を喪った夫の違い、生きているうちから死後の手続きを始めることの是非、理想の最後など、高齢化社会を生きる知恵と名言が満載です。

主な発言)
誰かに求められているという実感がなにより大切です(下重)
男は定年退職しても、「元○○」なんだ(田原)
断捨離は自分の生きてきた証を捨てるのと同じ(下重)
「朝生」の放送中に死ぬのが理想の最後です(田原)
検査結果が正常値から多少はみ出しても、それがどうした(下重)
僕は自殺した西部邁の気持ちがよくわかるんです(田原)
服に気を遣わないのは、その日を真剣に生きていない証拠(下重)
やることがないっていうのは、探していないことの言い訳(田原)
開き直るのは女性より男性のほうが得意(下重)
僕は女房の骨をまだ自宅に置いてあるんです(田原)
損か得かという基準でものを考える人は、例外なくつまらない(下重)
男はね、70代になってもセックスしたいんです(田原)
人間は、昨日と今日で違う自分を見つけることもある(下重)ほか

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Posted by ブクログ

世界観10/10点(田原さん87歳で描く壮大な3つの目標!)
惹き込まれ10/10点(宗教、死等、下重さんと率直に意見し合っている。自然体!)
キャラクター10/10点(熱意の力か!田原さんの本は私は好き。)
読みやすさ10/10点(対談形式分かりやすい。お二人共書くことのプロなので当然分かりやすい。)

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2023年01月07日

Posted by ブクログ

田原総一朗の突っ込みに対し、下重暁子がパシッと答える対談集。
小気味の良い丁々発止に、二人の傍らで聞いているかのような臨場感。80歳代の二人ゆえ、話題は当然老いについて。
男を代表し田原氏が、男は孤独に苦しんでいると吐露するのに対し、下重氏は、女性は生活者で男より孤独に耐えられるとバッサリ。
最近話題の「終活」についても。
マスコミが他にネタが思いつかないから騒ぎ立てるので、家族を信頼していればデスノートや遺言など必要ないと。
他に楽しいことがあるはずなのに、死ぬことばかり考えているから毎日が暗くなるのだと、二人が同意する。
田原氏が放送中に死ねたら本望だと言えば、下重氏は夕暮れ時に夕焼けから日の光が弱まって最期に闇になる瞬間に逝くのが理想の死の場面だと、答える。
健康あるいは病気についても、検査結果が正常値から多少はみ出してもそれがどうした、肉体的な衰えなんて当たり前なのだから、その変化を楽しめ、と下重氏は突っぱねる。
老化に思い惑う高齢者に、一読の価値があるのでは。

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2021年12月09日

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