あらすじ
明治20年。僧冬伯のもとへは困り事の相談に日々客人が訪れる。本日は店の経営不振に悩む料理屋の女将で……。僧侶兼相場師の型破りな僧侶と弟子の名コンビが、檀家たちの悩みを解決しながら、師僧の死の真相を追う。連作短編エンターテイメント!
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Posted by ブクログ
江戸から明治に変わった頃は大変だったのだろう。徳川慶喜が大政奉還を決断したことは英断だったとつくづく思う。支配しても大きな利益にならないから植民地にならなかったこともあるが、国を動かすものが躍起になってやれることは全部やって頑張って近代化を進め国を強くしようと努力したことがよかったのだろう。「何とかなる」時には相場師で稼ぐ貧乏なお寺のお坊さん冬伯の温かさ。これはシリーズになるだろうか?
Posted by ブクログ
感想をうっかり消してしまった。
本筋が、途中からメインになったら置いてきぼり感でてきたけど
色々解決してすっきりしたのはよかった。
最初の二篇がまとまってて好きだけど、
明治はこれからも変化していって、これからの若者も大変だ、という
〆は、現代のことも表しているようで感慨深かった。
長らく生きてきて、積み重ねた雑学に助けられることもあれば、
今までできなかったことができるようになったり、
当たり前だったことが禁じられたり、とか、
自分自身のアップデートもしていかないと、生きづらい世の中だなぁ、と。
文句があるなら政治家になれ、はなかなかエグい台詞。
不平不満があれば声をあげよ行動せよ、と言いかえれば、納得の一言ではある。
そうして御坊は動いたのだった。
Posted by ブクログ
明治20年、東京浅草の東春寺は相場師も兼ねるユニークな僧侶・冬伯と弟子の玄泉が切り盛りしている。そんな中、檀家から舞い込むよろず相談に応えていてた。
お気に入りは「維新と息子」。
老舗の北新屋の跡取りの昌太郎は、産まれた時に同じ時に男の子を産んだ小間物屋・井十屋の奥さんが出産で亡くなり、昌太郎の母が母乳をあげていた。それを姑に見られて我が子だと主張しているのと逆の子を跡取りだと言われて、姑と大揉めになり関係が悪化。悪がった井十屋は産まれた子供を引き取りにきたが、その事が後々事件に発展し…
結局、どちらが本当の昌太郎なのかは解らないけれど、井十屋の息子の文吉が借金を抱えている事実が発覚。それでも嫁と子供を守るためにその借金を肩代わりしてでも実家と縁を切った昌太郎が格好いい。冬伯げそのお金を貸してくれて、尚且つ書面でしっかり残すアドバイスをくれたのも良かったです。
ひょうひょうとしててもきっちり物事を見極める冬伯の裁きは見事でした。