あらすじ
あなた、やっぱり処女なんでしょ――。「少女小説家」は嘲笑された。『なんて素敵にジャパネスク』『クララ白書』ほかベストセラーを多数送り出し、セクハラという言葉が世間に登場し始めた頃、「いっぱし」の年齢・三十歳を超えた著者。女としてただ社会に在るだけで四方八方から襲い来る違和感を、まっすぐに、そして鮮やかに描いた不朽のエッセイが満を持して復刊!
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Posted by ブクログ
切れのよい言葉で綴られるエッセイ。
以下、お気に入りの段落。
・いっぱしの女の夢の家
『共感』についての話が心に残っている。
自分を顧みる。
・いっぱしの女から男たちへ
『オンナにも、オンナと生まれたからには栄耀栄華を極めたいと思う人もいるはずだけれど、それはひとつのタイプであって、十字架というようなものではない。肩にくいこむ十字架というより、いくつかの選択肢のなかから選びとった、天にはためくスパンコール付きの軍旗みたいなものである。いざとなれば、作戦変更も名誉ある撤退もありうる。理屈なんて、あとでなんとでもつけられる。この選択肢の多さにかけては、男はほとんど太刀打ちできない。』
氷室冴子さんの著者、もっと読みたい。
単行本は1992年発行。
Posted by ブクログ
1992年発行の単行本を新版として再刊行。
懐かしい。私にとっては『なんて素敵にジャパネスク』の原作者さん。小説は原作として読んだかな?というぐらいの記憶しかないのが申し訳ない(;'∀')
「詠嘆なんか大嫌い」…昔の女友達にたまに会うとこういう感じ(現在の愚痴をずーっと言う)になるのかなぁ。もう会ってないのでなんとも言えない。
「一番とおい他人について」…女性の「それ分かる(共感)」について。
「レズについて」…女が女にあこがれること、について。女性が「こうなりたい」と思うときの対象って女性なのが普通なのでは?
「なるほど」…セクハラについて。この時代の一部の男性は気持ち悪かったなぁ。今も一定数いるかな?ああ気持ち悪い。
「やっぱり評論も読みたい」…「ベルばら」とか「ポーの一族」とか。ベルばらからツヴァイク、一条ゆかりからサガンを読む読者たち。的外れなオジサン評論家たちから評されることに傷つきはしたけれど、評論がないと世界がどんづまりになってしまう、と思う、と。
15年ほど生まれ年が違うので少しジェネレーションギャップを感じた。でもそれは好いこと。15年でギャップがなかったら令和でも変わってなくて恐ろしいことになっていると思う。
「まえがきにかえて」や「なるほど」で女性に対して「処女かどうか」などという質問をするおっさん、私も遭遇したことあります、19歳のとき。学生なので激怒してガン無視できたけど、社会人なら受け流したんだろうなぁ~。ああいやだぁ。嫌な記憶。
Posted by ブクログ
読んだ理由: クララ白書が大好きだったので。
1992年発行だけれど、時代の感覚はそれほど変わっていないことに驚く。セクシャルハラスメントという言葉が出てきて、今までモヤっとしていた不愉快な出来事が、多くの女性が感じていた事なんだと気付くエピソードや、久しぶりに会った既婚の友達が夫の愚痴しか言わずがっかり、など ”あるある〜” と共感しながら読んだ。