あらすじ
夫の再就職問題で知人だった佐久間に相談したことで、美人妻・千亜紀の運命は急転していく・・・・・・。
夫・真人が勤めていた大手銀行が倒産。再就職に悩む真人のために29歳になる貞淑な妻・千亜紀は学生時代にバイトしていたときに知り合った大手損害保険会社の元専務だった佐久間德二郞に相談した。すると、佐久間からはかつていた会社への再就職を条件に千亜紀の体を弄ぶ。そして、要求は次第にエスカレートしていく。夫のためとはいえ、佐久間に体を許したことが千亜紀の胸に悔恨の念を宿す一方で、体は佐久間にされた破廉恥な行為を待ち望んでいくのであった。そして、佐久間の命令で入った華道教室で講師として待ち構えていたのは佐久間の後妻である美和だった。バイセクシャルである美和のテクニックに千亜紀は頭では拒むものの、体はいつしか美和を求めるようになっていく。精神的に崩壊しそうになると思いつつも、抗うことのできない快楽に千亜紀は溺れていくのであった・・・・・・。
感情タグBEST3
主人公よ、どこへ行く
(2025/3/20更新)主人公の人妻は、勤め先が倒産した夫の就職活動のため、健気にも面識ある保険会社の元専務で今なお古巣に影響力を持つ男のもとに駆け込む。男はいじらしい人妻の願いを聞き入れる。だがむろん、無条件ではなく。「わかるよね。子供じゃないんだから」と。かくして貞淑な妻は夫のため、家庭のため、生活のために一線を越える。そしていちど越えてしまうと、後戻りはできず、あとはずるずると被虐と官能の蟻地獄に突き進むことに。この筋書きは藍川京の初期作に多い展開だが、当時に比べると、強引なストーリー運びはややマイルドになっていると感じるのは考え過ぎか。しかし、性愛小説の見せ場である絡みのシーンがみっちり多く組み込まれ、かつ様々なプレイが主人公に加えられ、密度の高い、読者を楽しませる内容となっている。そして、物語も終盤近くになって、主人公と夫の仲も回復する。最終章の締め括りは微妙だが、まあハッピーエンドだと思う。濡れ場盛り沢山を評価するが、コメントも書かずに満票を入れている投稿者がいて、ミスリードを防ぎバランスを保つため私からは星三つ。名無しの評価者と平均して星四つ。これが妥当。なお表紙だが、楕円が描かれ、上部にマメ状のボッチが。紅蕊~の表題から女性器を連想した。蛇足ながら。