【感想・ネタバレ】影のない四十日間 上のレビュー

あらすじ

クレメットとニーナは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドにまたがるサーミ人居住地でトナカイ関連の事件を扱うトナカイ警察の警察官。二人が配置されたノルウェーのカウトケイノで、サーミ人のトナカイ所有者マッティスが殺された。直前にクレメットたちが、隣人からの苦情を受けて彼のもとを訪れたばかりだった。トナカイ所有者同士のトラブルが原因なのか? サーミ人を排斥しようとする勢力、サーミ人の権利を主張する勢力、様々な思惑が入り乱れるなか彼らは捜査を進めるが……。フランス批評家賞など23の賞を受賞した傑作ミステリ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ネットで見かけて。

ヨーロッパの北の果て、
ノルウェーとスェーデンとフィンランドが接するところ。
先住民サーミ人のシャーマンが使っていた太鼓が博物館から盗まれる。
トナカイ警察のクレメットとニーナも捜査に駆り出され、
トナカイ所有者のところに聞き込みに言った直後に、その所有者が殺される。

先住民サーミ人が暮らしていた地域で活躍するトナカイ警察のクレメットとニーナ。
トナカイ警察は、トナカイの密漁や盗難、
決められた放牧地からトナカイの群れが出たり、
春の群れ分けでもめたりすると駆り出される。
クレメットが、
所有者が殺され残されたトナカイの群れを集めていく様子が、
興味深かった。

他にも、四十日間の極夜が終わった日は37分間しか日が差さないとか、
そのあと、昼が42分づつ長くなっていくとか、
トナカイの数を数えられるのを、銀行口座の残高を知られるように嫌がるとか、
煙草を買いに100キロぐらい平気で車を飛ばすとか、
サーミのシャーマンが太鼓を使うとか。

太鼓は最初にどういう形状なのか説明がなかったので、
よくわからずいわゆる大太鼓を小さくしたような、
胴の両方に革がはってあるようなものを思い浮かべてしまった。
しかも模様が描かれているのが、革の表面だっとは。

(下巻へ)

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

太陽が一切昇らない期間が40日間もある北欧サプミの地。
トナカイ放牧が生業としてあるこの地にて、トナカイ警察として、放牧者たちのいざこざを捌く(やれトナカイの群れが決められた範囲を越えて移動したがためにほかの群れと混じってしまっている、やれトナカイが盗まれたなどなど)クレメットとニーナ。

待ちに待った太陽がまた昇るその日、トナカイ放牧を担う土着民族サーミ人のマッティスが両耳を切り取られた状態で死体で発見される。
また、時をほぼ同じくしてサーミ人のアイデンティティ、差別受難の歴史のアイコンとも言えるサーミの太鼓が何者かに博物館から盗まれる事件も発生。

めったに事件らしい事件の起きないこの地にて立て続けに2件も。

儀式殺人かのような様相を見せる殺人事件と民族を象徴する民芸品の盗難、そりゃ関係ないわけないのだがどこに接点があるのかわからない。。

北欧の先住民族、土着生活を深くストーリーに絡ませるところが特徴的。
サーミ人とかラップ人とかの呼称はジョー・ネスボの作品で出てきたのを覚えているが、コタ(テントみたいな一時的な住処)とかグンピ(ググってもよくわからなかったけど、山小屋的なもの?)、ヨイク(伝統民謡)など見知らぬ用語が飛び交い濃密な民族色。
加えて0時間から次第に伸びていく日照時間というこの土地ならではの雰囲気固め。

ここにもう一声とばかりに意味深に織り込められた鉱物採掘の利権闘争(なのか?)が後半どう物語を盛り上げていくのか?ってとこでしょうか。

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2025年05月11日

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