あらすじ
人は、死んだらどうなるの?――いなくなるのよ――いなくなって、どうなるの?――いなくなって、それだけなの――。その会話から三年後、凰介の母はこの世を去った。父の洋一郎と二人だけの暮らしが始まって数日後、幼馴染みの亜紀の母親が自殺を遂げる。夫の職場である医科大学の研究棟の屋上から飛び降りたのだ。そして亜紀が交通事故に遭い、洋一郎までもが……。父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは? いま最も注目される俊英が放つ、巧緻に描かれた傑作。第七回本格ミステリ大賞受賞作。
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匿名
完全に騙されました。ストーリーが二転三転して、怪しいと思ってた人が、聖人だと思ってた人が……
読みながら抱いていた違和感もミスリードでほんとに見事でした。
小学生が受け止めるには重すぎる真実だったけど、読後感は良いです。
匿名
ゾクゾクしたぜ!
父親と息子のハートフルな話だと思っていた。いや、間違いとまでは言わないが、ミステリーとの融合があり、新たなジャンルを開拓したようで鳥肌が止まんねぇよ!
Posted by ブクログ
ミステリーなのかな。知人から勧められて読んだ。面白かった。物語のほとんどが伏線で、最後の数ページで一気に全貌が明らかになる。どんでん返しあり。家族愛って大事。主人公の少年、素敵なお父さんを持ってよかったね。そういえば、お父さんの職業が本当にソレなのかどうか、確たる描写はなかったのか…。さすが。脱帽。
Posted by ブクログ
面白かった。再読なんだけどかなり忘れていて新鮮な気持ちで読めた。
完全に忘れていたわけではなく、父親の洋一郎が怪しく見えて、実はそうでないくらいの記憶は残っていた。ただしそれ以外のたくさんのどんでん返しはしっかり忘れていて驚きを楽しんだ。
星5個に限りなく近い4で。
Posted by ブクログ
道尾作品を何冊か読んだあとだと、みんなが疑わしく見えてくるんですよね。もう最初から疑ってかかってしまうというか。
今回は凰介か田地が嘘を言っている(=犯人)、もしくは精神状態がおかしいと思ってました。登場人物があまり多くないからその2人くらいしか疑えないのですが、道尾作品なので絶対どこかにトリックがあるはずだと。
どちらの家族もお母さんがいなくなってしまったわけだけど、それほど暗いエンディングでもなかったように思います。むしろ未来が開けたかな。後味は悪くないです。
でも凰介も亜紀も子供らしくない。とても小学生には見えない。最低でも中学生くらいに見える。凰介が怪しかったのはそのせいかもしれません。
でもさらっと読めるので全体的にはおもしろかったです。
ただ初潮を迎えた亜紀のところは苦しいかな。
初めて流れる経血を手首の血だと思われて見逃されるとかありえない。警察まで出てきてるし、ましてや病院という医療関係者のいる屋上なのにね。
男性作家だったから使えたのかなって思います。たぶん女性だったらこの展開にはもっていかないだろうな。