あらすじ
落語専門誌「季刊落語」の編集部は総員二名。入社早々配属された間宮緑は,その場で辞表を書こうかと世をはかなみかけたが,何とか気を取り直した。唯一の上司兼相棒は,この道三十年のベテラン牧大路。二と二を足して五にも十にもしてしまう,並外れた洞察力の主である。牧編集長にかかると,寄席を巻き込んだ御家騒動や山荘の摩訶不思議,潰え去る喫茶店の顛末といった“落ち”の見えない事件が,信じがたい飛躍を見せて着地する。時に掛け合いを演じながら,牧の辿る筋道を必死に追いかける緑。そして今日も,落語漬けの一日が始まる……。
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Posted by ブクログ
再読。旅用に文庫本と借りるため、久々に読んでみた。前は2012年にハードカバーで読んでた。これがデビュー作だそうだ。5編の連作短編集。「季刊落語」の間宮緑が語り手、編集長の牧大路が探偵役。ちょっと牧ができ過ぎというか、わかりすぎなんだよな。私の観察力がないだけなんだろうか。落語がらみの話は面白い。寄席に行って、生の落語を聞いたらまた違うんだろうな。シリーズ続編の七度狐、やさしい死神も読み返したくなった。特に七度狐は面白かったような。ちょっと最近読みたい本が続いてるな。いいことだ。
Posted by ブクログ
落語雑誌の編集者が名推理を披露する連作のシリーズ第一弾。必ずしも落語界の事件ばかりではないが、その場合は古典落語をモチーフにしたり(例えば「不機嫌なソムリエ」なら「厩火事」)して、落語と無関係にならないような配慮が感じられて、高感度が高い。一見、日常の謎ものようにも思えるけれど、人死が起きる事件もあって実はかなりハードめ。推理は細やかなディテールを積み上げるタイプで個人的にはこれで十分だけれど、そこまでガチガチではなく、大ネタもないから、それだけを求める人には不満も出るかも知れない。
Posted by ブクログ
あくまでもフェアに犯人を問う表題作の他、サスペンス色横溢する逃亡劇、日常の謎の種明かしが思わぬ方向へ進む人情話、落語のオマージュといいながら、謎解きを十分楽しめるミステリー短編集になっている。ただ短いからこそというお話も多かった。落語で言うと強情灸かこんにゃく問答か。長い怪談話になった時、どうなるのか。シリーズ物だけに次の本が楽しみ。
これはきつい
化物屋敷ってなんだ?お化け長屋か?化物使いか?
3年目は3年目でいいでしょ?
厩火事はいい話だけど名作かなあ?噺家による部分が多いぞ。
話に名作なし、噺家に名演あり。
イラストはきれいだから星2つ。