【感想・ネタバレ】少女には向かない職業のレビュー

あらすじ

中学二年生の一年間で、あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した。夏休みにひとり。それと、冬休みにもうひとり。……あたしはもうだめ。こわくて、どうしたらいいかわからなくて、いまにもからだが勝手に生命活動を停止してしまいそう。少女の魂は殺人に向かない。誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。だけどあの夏はたまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけ。宮乃下静香だけだったから――。これは、ふたりの少女の凄絶な《闘い》の記録。直木賞受賞作家が『私の男』に先駆け、過酷な運命に翻弄される少女の姿を鮮烈に描いた慟哭の傑作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読んだことないと思っていたけど、たぶん中学生くらいの時に読んだことのある本だった。

女子中学生2人が殺人者になる話。
クラスの人気者だけど本当の自分は弱いと思っている大西葵と、網元の孫娘でクラスでは目立たない宮乃下静香が協力して2人の大人を殺す。

途中で静香が裏切ったんじゃないかと思われるフェーズが入るが、それは葵の興味を惹くためだった。

最終的には2人は逮捕されるんだろう。
警察官に罪を告白したのだから。

でも静香のために罪を犯す葵に中学生ならではの不安定さ、それによる絆を感じた。
2人は確かに友だちだった。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

出だしから、人を殺した。なんて興味をそそる書き出しで楽しく読めました。

第二章の109ページの
少女と少女の同級生颯太のやり取りがとても印象的でした。

義父を亡くしたことに落ち込んでいるんじゃない
殺したことを負い目に感じているから落ち込んでいる

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2014年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」とテーマは通じていて、あちらをちょっとマイルドにして、大人の筆で描きなおしたような感じなのですが、やっぱり面白くて、一気に読めます。
冒頭からいきなり「中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人をふたり殺した」と来る。
桜庭さんて、ほかの作品もそうなんだけど、最初の一行がすごいうまい。
もうのっけから引っ張り込まれる。
(で、中二、というだけでなくこの十三歳という年齢が後からまたすごく意味を持ってきたりして、感服)。

主人公の女子中学生、義理の父は飲んだくれで暴力的、母はいつも疲れていて不幸をアピールし続けている、かなりつらい家庭環境。
なのにけどどこかタフで、悲劇のヒロインにはならず、どこか客観的に自分のことを見ている。
抱えている事情とは裏腹に、クラスではお笑い担当で友達も多い。
その主人公に、同じクラスの、普段は目立たない少女が近づいてきて・・・。

現実があまりにひどいから、少女たちは嘘で身を守ろうとしている。
でもその虚構の鎧がはがされたとき、自分たちの小さな手で弱々しく闘わなくてはならない。
勝てば生き延びて、大人になれる。負ければ死んでしまう。
そういう追い込まれた状況で、泣いてぼろぼろになりながらも敵に立ち向かっていく少女たち。

最後はよかった。あれでよかったんだよ。

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2013年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初・桜庭一樹。

島で暮らす中学生の年頃ならではの難しい日常。
その中で起こった、非日常的な出来事。
死亡事故、殺人。

現実離れした話のようでもあり、とってもリアルな中学生の心境が見えるようでもあり、
引き込まれて読み進めました。
文章も、とっても読みやすかったです。

内容的には、ライトノベルな感じも無きにしも非ずと言うところでしょうか。

最後はあっけなかったですが、引っ張らなかったのが、逆に良かったのかな。
想像すると、最後はちょっとグロテスクそうですが、読後感は決して悪くはなかったです。

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2015年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の義父が死ぬところまでは面白かったんだけどな。
最後は静香は普通の子みたいになっちゃうし、だんだん尻すぼみ。
主人公の母親の描写も何か変。娘に向かってああいう事言わないよね、というセリフばかり。
文章は読みやすかったけど、別の作品を読んでみようとは思わないな。

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2012年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中学2年生の1年間で、あたし、大西葵一三歳は、人をふたり殺した。---どうして少年犯罪で捕まる同世代の男の子はぜんぜん飄々としてぶるってないのか。---わたしはもうだめ。こわくて…。少女の魂は殺人に向かない。そんな衝撃的なプロローグで始まる、ある少女の夏から冬にかけての記録。母親は今どきらしい自己愛のみのただの女で母性なんてない。義理の父は元漁師で今は酒浸り、暴力をふるう怪物。学校ではお笑い担当という明るい面を見せているが、本当の顔は見せられない。仲の良かった幼馴染には最近彼女ができた。夏休みのある日、これまで全く接点のなかった目立たないクラスメイト宮乃下静香と付き合うようになってから、葵の運命はひとつの方向に向かって動き出す。葵の家庭は酷いもので同情を禁じ得ないが、彼女の語り口が軽いので、陥っている状況の暗さがあまり感じられない。表面的でどこか薄っぺらいような印象も全体的に感じるが、その流れで二つの殺人が起こってしまうことに、どうしようもない無力感と無念さがある。表面上はなんともないような葵が、時々発散させる怒り(山羊に殴りかかったりアルバイト代を盗んだ父親を罵倒したり)は危険信号だったのか。静香の告白…裕福な老人の家に遺産狙いでもぐりこむ…どこかで聞いた話だと思ったら…某サスペンス小説を静香がアレンジしたもの^^;。あれ?でもそういえば肝心なこのタイトルの元ネタは全くオマージュされてないのね…。自分の受け取り・読み取り力不足のせいかもしれないが、巷の評判ほどには面白いと感じられず、なんとなく納得のいかない物足りなさが残ってしまったのが残念。

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2012年02月21日

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