【感想・ネタバレ】青空の卵 ひきこもり探偵シリーズ1のレビュー

あらすじ

僕、外資系の保険会社に勤める坂木司には一風変わった友人がいる。それは自称「ひきこもり」のコンピュータープログラマー、鳥井真一。複雑な生い立ちのせいで心を閉ざしがちな彼を、外出させようと僕は日夜頑張っている。料理が趣味の鳥井の食卓に僕が持ち込む、身近に起こった様々な謎。彼の鋭い観察眼は、一体そこにどんな風景を描き出すのか――。大人の視点で推理し、子供の純粋さで真実を語る鳥井。そしてそんな鳥井を支える坂木。謎を解き、人と出会うことによって次第に成長していく二人の姿を描いた感動の著者デビュー作。《ひきこもり探偵》シリーズ第一弾。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大好きな作品。引きこもり探偵シリーズ。もう何回目か分からない再読だけど、いつも読み終えた後、ほっこりしてる。お互いにとって、いなくちゃならない存在なんだよね鳥井と坂木は。
坂木目線で語られる物語だけど、鳥井目線もなんとなく想像できる。弱りきった鳥井に手を伸ばしたのがたまたま自分だった、鳥井の側にいるのは本当は僕じゃなくてもよかったって思っているけど、鳥井にとっては人生のどん底で唯一自分を必要としてくれたのは坂木なんだよね。誰にも代わり得るはずがない。
2人の関係をひとことで言い表すなら「共依存」。一方が崩れたら途端に双方崩れ落ちそうな危うい関係かもしれないけど、前を向くために必死で支えあっている彼らが眩しくて愛しくて、わたしは大好き。何度読み返しても、ずっと大好きだな。

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

困っている人をほっとけない坂木司が自称引きこもりの友人鳥井真一に相談しながら謎を解いて行く。女だからという理不尽で傷ついた巣田さんが今回は加害者だった夏。バイク事故で目が不自由になった塚田くんをつけていた犯人を解決した秋。冬の贈り物を栄三郎が簪に作り変えた。春の子供で親子関係を見つめ直した。和菓子のアンを読んだ時、女性だと思っていた著者。デビュー作を読んでみた。「人に話すほどのことでもない小さな不幸を溜めすぎ落ち込んでいる自分を恥じ泥沼にはまりこんでしまう」なんて繊細なんだろう。続きを読むか迷ってしまう。

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトル買いの1冊。3部作の1冊目短編集。
割とおもしろかったです。ちょっと湿度が高すぎかなーとは思ったけど、ここからどう続くのかが楽しみ。
好感の持てる登場人物も多かったかな。
木村のじーちゃん最高!

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鳥井真一
自称「ひきこもり」のコンピュータープログラマー。複雑な生い立ちのせいで心を閉ざしがち。

坂木司
外資系の保険会社に勤める。鳥井とは中学生のときに出会う。

巣田香織
買い物をしているときに、陳列していた商品にぶつかって坂木に助けられる。百貨店勤務。美人。男嫌い。

滝本孝二
鳥井・坂木と高校で同じクラス。警察官。

小宮弘幸
滝本の後輩。警察官。児童心理学をかじっている。

塚田基
視覚障害者。安藤とバイクに乗っているときの交通事故により光を失った。

木村栄三郎
坂木の契約者。孫が生まれた。昔気質の職人。今な引退して年金暮らし。

安藤純
女装や背広姿で塚田に付きまとう男。鳥井から「人魚姫」と呼ばれる。塚田とバイクに乗っているときに事故に遭い生殖機能を失う。石川助六という芸名の歌舞伎役者。

中川丈太郎
水産会社の社長。妻とし子の代筆をしていた。

中川とし子
安藤の舞台で「六ちゃん」と応援する中年の女性。安藤にプレゼントを送り続ける。

佐藤まりお
じっと立っているところを帰宅中の坂木に発見される。マリオ・佐藤。

鳥井誠一
鳥井の父親。商社マンでバンクーバーに住んでいる。

佐藤隆之
まりおの父。ルチャリブレを求めてメキシコを目指したプロレスラー。エル・ボルカン。

ペドロ
マリオの母と同じアパートに住む。マリオを連れて日本に入国した。

マリア・
隆之の妻、マリオの母。メキシコで
ウェイトレスをしていた。

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日常の謎ものに近いけれど、内容は重め。
それぞれの登場人物の生き方を深堀りするような内容。
ひきこもり探偵は、細かい要素から真相を誰よりも早く読み解いている。
相棒であり親友は、彼が自分を必要としているかに見えて、彼を失うのを恐れている。
自分のことを個性のない人間だと思っているけれど、相棒くんだって人助けに躊躇しないし、外資系保険会社で顧客に好かれて成績出しているし、十分すごい人なんだけどな。
自分のことは正しく見えないものだ。
みんな良い人でハピエンだけど、それは個々が自分の課題と向き合っていくというハピエン。それでしか人は救われない。そのときに誰かが傍にいてくれるとすごく力になる、というお話。

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

病み方が歪んでる。でも、最近多いナルシシスト的なのと違って、そっとしておいてあげようと思えるやつでよかった。キャラ多いのは同じ面子で色んな謎を次々出すと違和感あるからと見た。その辺りも高ポイント。

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2023年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりの引きこもり探偵。
だいたいみんな厄介で、でも最後は楽しくなる。
やっぱり英三郎さんが好きだなあ、かっこいいなあ。あと巣田さんも気持ちの良い女性(本性が)。
主役ふたりの依存関係が若干心配だけど、鳥井の方が何かあったら生きていける。自分の好き嫌いがはっきりしてるから。坂木は典型的なギバー。搾取されても気がつかなそうで、きっとまた鳥井を悲しくされる。
みんな色んな事情で生きてる。ひとりでも、みんなでも。

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2022年11月03日

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