【感想・ネタバレ】戦略質問―短時間だからこそ優れた打ち手がひらめくのレビュー

あらすじ

「3カ月、1億円」かけてつくる予定調和の戦略計画
「1時間、10の質問」からつくる“とがった”戦略コア
あなたはどっちを選ぶ? 短時間だからこそ優れた打ち手がひらめく

質問が「思考のスイッチ」を入れる

戦略やビジネスモデルを発想するためのスタートが「ひらめき」であるのはいうまでもない。
そのために、いかに脳に非日常性を与えるかが重要だと思う。それを実現するための有力な方法のひとつが、戦略質問である。
一例を紹介すると、

「あなたの会社は新しい戦略を策定されましたが、それにより、どこが弱くなりますか?」

という質問がある。
立案された戦略が、本当に戦略になっているか(「選択と集中」がおこなわれているか)を問う質問である。戦略であれば、「選択と集中」の犠牲になる領域があるはずだ。元来、戦略は膨張しやすい。戦略策定の初期段階では、「選択と集中」を肝に銘じつつ、いろいろな議論がおこなわれる。その中で、ここも問題とか、ここも対応が必要、となる。結局、選択と集中どころか、戦略は予定調和、八方美人対応になってしまう。この質問への回答を参考に、企業のミッションとその寿命、ディレクション(「やること/やらないことの範囲」)を明確にしていく。
本書には、戦略にまつわる10の質問を紹介。戦略アイディアをひらめく力、発想する力を与えてくれる1冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

戦略を考える上で本質を捉えるヒントになる質問がまとめられている。個人的に好きなのは以下。

・今のまま何も変わらなければどうなるか?
・今の戦略が成功して課題が全て解決したらどうなるか?
・今の戦略が成功したら何が弱くなるか?
・あなたの会社がデジタル化したいのは商品/プロセス/人材のどれでしょうか
・あなたの会社に自分の子どもを入れたいか?
・あなたの会社の社員が他の会社に転職したら活躍できるか?

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

ビジョン、戦略、戦術、オペレーション


戦力のイインフレ、工業化、同質化
→"発想"を伴うものにまで手順を与えうるものなのか

その戦略に「決断」の匂いはするか

判断、と、決断の違い

× あるべき姿はなに
◯ あなたの個人的な野心は何?

戦略立案→発想と調整。
前者は短時間でいい。後者は時間がかかる。


思考の真空地帯
→考え事?調べごと?決め事?

「やらなければいけないこと」ではなく「やってみたいこと」
→リーダーシップの厚みが変わる

ウォールームの四つのアングル
・長期スパン
・タブーを打破する
・重要だが緊急性が低いものを短時間で描き切る
・暗黙の野心やアイデアを引き出す

質問→
質問者が回答を得ることが目的ではない。
相手の脳に非日常性を与え、気付きや思考を働かせるきっかけとして使う

「何を持って◯◯が成功したと言えるのか」

ビジョン:
使命、価値、方向性

方向性→何をやるか=何をやらないか

ソニーのウォークマン
→当時、移動中の音楽鑑賞のニーズはなかった
→蓋を開けたら大ヒット
→ニーズがなかったのは、無理だと思ってたから欲しいと思わなかっただけ

業績が悪くなってきた→ビジョンが終焉を迎えているのではないかという問いがいちばんの近道

良い戦略には弱点がある

戦略=選択と集中

変革を起こすのはワカモノ、バカモノ、ヨソモノ

南極探検
世界最古のリクルーティング広告

経営戦略と経営計画は別物
戦略→勝ち方、勝ち残り方をきめる
計画→戦略に基づいて経営資源をどう割り当て、いつ、どんな成果を得るのか決める

投資家という外圧。彼らはコミットメントを求める。

市場の新規既存×顧客の新規既存
それぞれの分配率は?

"人間は元来、自分の優秀さを、物事の問題点を指摘することによりアピールする修正がある"

スリーホライゾンモデル
事業のマネジメントスタイルがそのライフサイクルによって変わる
不確実性を武器にする→管理する→排除する

ミッシングパーツはあって当たり前のもの、考慮すべき前提として捉える。
一旦それは揃っているものとみなして、その後、どうやってパーツを補うか検討

"この課題が全て解決した時、この会社はどういう会社になっているか"

新聞作戦 p166
他者からどう評されたいから、あるべき姿を導出。

ナレッジワーカーかスキルワーカーか

HRM vs HCM

"うちにくれば市場価値がつけられて、大きなキャリアアップできるよ"

パイプライン管理 210
→進捗ない人"だけ"が参加

100点の戦略があっても実行が20点なら戦略実現は20点

どこの部署に任せるか、ではなく誰に任せるか、任せたいか

優秀な人は誰?→忙しい人は当然優秀

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

経営戦略の核ってこうやって作るんだ…!と目から鱗の一冊。こういう議論が経営者と闊達にできるようになれば楽しいだろうなぁ、と、まだその域に至らない自分の不出来を噛み締めつつ読んだ。しばらくしたら、また読み返したい。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

元IBMで戦略グループのリーダーだった金巻さんによる本質的に戦略を考えるためにどのような問いを投げかけたら思考が進むのかということを考えた本。単に施策をホチキス留めして時間軸にそって整理することが戦略策定ではなく、少人数で40分程度でアイデアを練り、あとはそれを検証する。それが戦略策定というものであって、コンサルが入って数ヶ月でまとめるようなものではないという。
本書で紹介される質問の数々は経営者の頭の中にあるアイデアを引き出すために実践できるものであることに加え、どうしても考えやすいwhatやhowに流れてしまう我々の思考を引き留め、whyを考えることを可能にしてくれる。
それにより、我々にはできないとか、人材がいないというオペレーショルな問題を一時的に棚に上げて議論することができるようになる。
文章やクライアントとの会話から著者が真摯にクライアントに向き合い戦略を考えてきたことが伝わってくる良書である。また読みたい。

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2022年08月11日

Posted by ブクログ

次の戦略を考える立場になった身として、非常に色々な付箋ポイントがあった本。
コンサル側の視点として、どういう視点で考えて「問いかけ」を活用していくか。色々と取り入れていきたいです。

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2022年01月11日

Posted by ブクログ

(著者には大変失礼ながら)そこまで期待して読んだわけじゃなかったのですが、
読んでみるととても良かったです。

戦略コンサル出身の著者が一般的な戦略コンサルの手法とは異なるやり方で、
経営者と戦略について議論するときの手法が書かれた本。
経営は、問いの集合と聞いたことがありますが、
まさしく経営者をハッとさせるような「問い」を通じて、
経営者の脳みそをスパークさせるやり方がユニークです。

問い自体も経営者ではない自分には、??な時もあるのですが、
おそらくそれは自分の経験不足で、
ワードチョイス一つこだわるだけで、
ここまで思考を深めれるのかと感じました。

この問いを発するにはそれなりの信頼も獲得しておかなければいけませんが、
このような問いが発せれるような人間になりたいなとも思わされる良書です。

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2021年12月22日

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戦略やDXなど、耳障りはいいが曖昧なテーマを考える上でのヒントになった。
良い戦略を考えるためには選択肢を狭めない、かつ向かうべき方向の解像度をどれだけあげられるかが重要になるのだと思った。
戦略で何が弱くなるか?成功したら社員はどんな恩恵を受けるか?といった戦略質問は、解像度を高める方法の一つであり、今後戦略を検討する上で自分自身に問うことも有効だと思った
(ただ、総じて自分にはまだレベルが高い…)

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

企業戦略の立案について、戦略立案時の核心をつくキークエスチョンを挙げながら説明した本。「経営戦略の立案を経営者に大政奉還する」をテーマに、決定者を中心とした短時間少人数での戦略検討を推奨している。
戦略とは「選択と集中」であり、ミッション(自社の使命)に紐付いたディレクション(優先順位)を元に策定してくものである。

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2022年11月25日

Posted by ブクログ

戦略コンサルタントである著者が短時間で戦略を策定するための質問や考え方についてまとめた一冊。

たいていは3時間かかる経営戦略の策定を40分の短時間でかつ少人数で戦略を策定するために10のセントラルクエスチョンから企業の課題を見出しそこから戦略を構築していくというコンサルタントとしての技法が多数紹介されており勉強になりました。
また、ウォールームの事例なども書かれていて勉強になりました。
人事やDXに対する企業としての考え方なども書かれていてこちらも勉強になりました。

ビジョンを「ミッション」「ディレクション」「バリュー」の3つの組み合わせであることやデジタルにおける対象を商品、プロセス、人材のどれに照準を絞るかやHRMよりHCMで育成された方を重視して雇用することなど戦略をより具体的にするための手法が多く書かれているところは印象に残りました。

本書で紹介されている質問から想像をすることが大事であると感じました。
事業を永続させていくためにも常に危機感を持ち、少人数で短時間で戦略を練る本書での技術を活かしていきたいと感じた一冊でした。

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2022年05月11日

Posted by ブクログ

「戦略は40分で視える」という指摘や10つのセントラルクエスチョン、ウォールーム、ジャイキリなど超第一線の経営者らとともに編み出した結論ゆえに示唆に富む内容は多い。しかし、如何せん約250頁の使い方が著者の昔話やIBM時代の思い出話がダラダラ述べられていて、話もあっちこっちにいって読んでいて疲れる(頭を使う、という意味ではなく)。経営者とダイレクトにこの会話を出来る人も限られる(超トップの戦略コンサルタントか経営者自身)ことを考えると著者の体験談で語られる構成だとどうだろう?と思わせられる。

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2022年03月05日

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