あらすじ
日本人の旅行好きは江戸時代から始まった! 農民も町人も男も女も、こぞって観光旅行を楽しんだ。その知られざる実態と背景を詳述。土産物好きのワケ、関所通過の方法、飲食・名所巡りのお値段、武士や大名は…? 誰かに話したくなる一冊!
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Posted by ブクログ
江戸時代の旅行事情を庶民、大名、外交使節それぞれの立場から復元した良著。
ほかの方のレビューは違う本ではないかと思える楽しい一冊だった。江戸時代の旅行事情を多くの書物からまとめて一冊。温泉、寺社。庶民の暮らしの中にもレジャーがあったようだ。
江戸の大名屋敷が観光スポットになったり湯治から短期滞在へと変化する温泉事情など面白い。
それぞれの章をもっと掘り下げても楽しめそうな一冊。
面白い本だった
江戸時代の旅行全般を扱う本には書かれないようなネタを提供してくれるので、読んでも良いと思う。
なかなかに活き活きとした庶民の生活の様子などを見せてくれるし、将軍の外出など興味深い。戸山荘のことは初めて知ったので、別途、調べることが出来た。
ただし、何回か出てくる「今も江戸も変わらない」という奇妙な表現に緊張させられた。最後に、第六章冒頭で「今も江戸時代も変わらない」とありホッとする。朝日新書出版の編集者にはシッカリしておくれと言いたい。
Posted by ブクログ
庶民も旅を楽しめるようになった江戸時代。その旅の実情とは?
プロローグ~街道には旅人がいっぱい
第一章 庶民の旅の表と裏
第二章 買い物、芝居ーしたたかな女性の旅
第三章 大江戸、人気観光地になる
第四章 大名の「団体旅行」は七難八苦
第五章 乱暴極まりない武士・公家の旅
第六章 自粛を求められた将軍の旅
第七章 外交使節、江戸へ行く
参考文献有り。
添乗員付きの団体パッケージツアー、旅をPRするメディア、
様々なガイドブックに観光マップ、観光ガイドの案内、
協定旅館のシステム・・・現代の旅行の如くのそれらは、
江戸時代の旅行ブームの姿だった。
講と御師の繋がりで行く参詣は、添乗員付きの団体旅行。
各地名所や食事、楽しみが盛り込まれたパッケージツアー。
湯治のための温泉旅行もある。献上湯が箱根のPRに。
女性だって旅に行こう!
一か月かけて関東の名所を巡り、買い物&芝居を満喫。
そりゃあ、入り鉄砲に出女、煩雑で厳しい手続きもあるけれど、
こんなに旅行者が増えちゃあ、抜け道だってあるさ。
江戸が観光地になったのは、寺の戦略と将軍・吉宗の存在。
そんな江戸へ向かう大名行列の真相は、藩にも本陣にも苦難。
旅程を記すダイヤグラムまで作成するくらい。
更に大変なのがお国替え。全藩士の引っ越しは七難八苦。
迷惑な旅もある。権威を傘に着た旗本と公家の公用旅。
茶壺に追われてトッピンシャンとは言ったものです。
将軍の御成と江戸在府の大名の疑似旅行、
オランダ使節、朝鮮通信使、琉球使節の江戸行きもあり、
旅という視点での江戸の時代様子が楽しめますが、
裏事情といっても抜け参りや、犯罪等の暗い事情には
ほとんど触れられていないのが、残念。危険もあったはず。