あらすじ
山田龍一朗は、今春なんとか志望高校に入学できた15歳。山田家の父親は三年前に事故で他界。会社勤めの母親と、幼稚園に通う三つ子の妹たちの面倒をみるのが龍一朗の役目。もともと料理は好きだけど……。それぞれつまづいたり、悩んだり、助けられたりしながら日々を刻んでいく山田家と龍一朗を、こまやかで確かな筆致で描いた青春と成長の物語。第1回「おいしい文学賞」受賞作!
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3年前に父を亡くした高一の料理男子が、会社員の母と、年の離れた三つ子の妹たちの面倒を見つつ、暮らしていく・・・というほのぼの青春ものかと思いきや、章ごとに主人公が家族の中で変わっていくという、オムニバス群像劇。
家族全員が主人公になり、最後はもう一度お兄ちゃんが主人公。
どのお話もいいのですが、中でもお母さんの話。お母さんは、みんなからはのほほんキャラと見られていますが、そのお話はとても切なく、深夜に一人で読んでいたせいか、ぼろぼろ泣いてしまいました。
読みやすい文章ですが、読後にじんわり暖かく、幸せな気持ちになれる一冊。
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料理描写が心地よい、というだけではなくセンシティブな青春諸問題を母・青年・幼児・父・教師・匠の人…と数ある立場から、複層的かつ多重視点で書かれている「おいしさ」が様々に詰められた作品でした。「おいしい文学賞」、注目です。
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第1回おいしい文学賞受賞作!カツサンドやらちょいまえごはんやらご縁があった賞。
山田一家のお話、それぞれが主人公でおもしろい。
事故で亡くなった父のパートもあり。
渉が夢でおとーさんに会った、とよくいうのが分かった。それにしても三つ子ちゃんたち、あんなにも似ていないものなのか・・
琴子さんのパートの冒頭「私は恵まれている」はよかった。パートナーをなくしているにも関わらず、恵まれていると自覚しているところがかっこいい。
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料理が得意だった専業主夫の父親を亡くし、全く料理センスがない母親に代わり家計を預り、日々、家族の胃袋を満たすべく料理をする高校生、山田龍一朗。
彼の周りを取り巻くのは、とても素敵な家族、ご近所さん、クラスメイト。
悩んだり、嫉妬したり、刺激されたり恋したり。
本当に『ハートフル』の一言に尽きる!
7編から構成されていますが、どの話もこの一家の(亡くなった父親も!)誰かが主人公。
この家族の誰にも彼にも温かい気持ちにさせられるのです。
個人的には『春がうまれる』と『母さんの料理がへたすぎて』がお気に入り。
何年も料理を作ってきているのに一向に料理が得意になれない私も、こんな息子が欲しい…。
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高校生の男の子と、料理の下手なお母さん、三つ子の妹たちの家族の物語。
母子家庭で、仕事をしているお母さんの代わりに家事を切り盛りする男の子の、学校生活と家事の両立、進路の悩みなど、等身大で描かれていて、自分の高校生時代とは性別も状況も違うけど、感情移入して読めました。
妹たちの「三つ子」という設定は突飛だと思ったけど、3人でワンセットな団結力と、それぞれが個性を求めてもがく様子が、うまく描かれていたと思います。
時々天国(?)のお父さんが出てくるのが、唐突にファンタジーになるので最初は違和感があったけど、切なくて、それでいてほんわかとした気持ちになりました。
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一人一人、料理と絡めての日常の物語。
山田家が中心の話しだけど、山田家以外にも登場人物が出てきて、その人数が少しばかり多いので、読んでいて、ちょっとゴチャゴチャする感じ。
登場人物の心情が分かって、面白い本でした。
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おいしい文学賞第一回受賞作。若者向けのライトテイストながらしっかりと家族愛や若者の葛藤が盛り込まれていて、料理系の小説の中でもかなり出来がいいのではないかと感じました。
交通事故で父親を亡くした一家を舞台にした連作集です。料理力、家庭力で家族を支える長男。明るくて仕事は有能家事は無能な母親。天真爛漫な三つ子姉妹。
小学一年生がそんなに口回るかいと突っ込み入れたくなるところは有りますが、こんな明るい家庭はいいよなあとしみじみ思いました。
最近料理の楽しさを再確認した所なので、家族に料理作っておいしい顔を見る事が出来るのってめちゃくちゃ幸せだと思います。長男も紆余曲折して自分の道を見つけて行くのですが、嫉妬や何か分からない心のモヤモヤを書き表すのが上手い。
ファンタジーも多少含まれていますが、おおよそ家族青春小説ととらえて構わないと思います。
これが第一作目のようですが、良くまとまっていて以後も期待出来そうです。是非頑張って頂きたいです(謎の上から目線)
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ほのぼの。
おいしい文学賞受賞とのことで、おいしいごはん、家族の物語。
児童書ではない?けど漢字さえ読めれば小学生でも面白いのでは。
主夫だった父を亡くした高校生龍一朗が主人公。題名通り、母は料理が下手で、龍一朗が家事全般をになう。
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シンママを支える高校生長男の成長記。
書き下ろし。
・母さんは料理がへたすぎる
・ないないづくしの女王さま
・待ちぼうけの幸せ
・プレゼント
・ウソつきたちの恋
・春が生まれる
・母さんの料理がへたすぎて
主夫だった父親が不慮の事故で旅立ち、料理が苦手な母に代わって食事の支度をする龍一朗。
おまけに3つ子の三姉妹のお守もあり、毎日が大変。
三つ子の中には不思議な力を持ち、あの世と交信する子がいたり、夫との別れに未練を残した母はそれに助けられたり。
龍一朗は親友の飛躍的な活躍に、自分を卑下してしまうが、自分の料理が周りを幸せにし、他人と比べず、自分の道を進むことの大切さを学んでゆく。
心温まるストーリーで、後半は泣けた。
現代の話なのに、スマホとか登場せず、時代を感じさせない語り口も好印象。
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全7篇からなる連作短編集です。
章ごとに主人公が異なり、視点が変わることによって、ラブコメやファンタジー、青春小説など色々な楽しみ方ができました。
父親を亡くしたという暗い要素はあるものの、終始ポワーンと温かく包み込むような雰囲気でしたので、ホームドラマを見ているようでした。明るく前向きにさせてくれる作品で、
改めて、手料理は人を暖かくさせるなと思いました。料理人やコンビニが作る料理も美味しいですが、やっぱり自分が作った料理や近しい人が作る料理の方が温かみがあるかなと思ってしまいます。
5人家族+1人、それぞれの人物に愛着があり、とても魅力的でした。全員にエールをあげたいです。
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第1回おいしい文学賞受賞作品。
「母さんは料理がへたすぎる」「ないないづくしの女王さま」「待ちぼうけの幸せ」「プレゼント」
「ウソつきたちの恋」「春が生まれる」「母さんの料理がへたすぎて」
7話収録の連作短編集。
主人公は父親亡き後、会社勤めの母親と三つ子の妹達の面倒を見る15歳の山田龍一朗。
料理センスゼロの母に代わり毎日の食事作りを、いとも軽やかに行う龍一朗が微笑ましく三つ子の妹(透・蛍・渉)も愛くるしい。
友情に恋、進路と悩みはあれど、相手を思い遣りながら毎日を懸命に過ごす家族達に癒しを貰えるハートフルな物語。
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『待ちぼうけの幸せ』
夢で亡くなった人に会える、の逆の視点。
死後の世界の主人公のところに、生きている人が会いにくる話。
この発想がなかったから、とても心があたたかくなった。
『春が生まれる』
妻が娘に連れられて亡くなった夫のいる世界へ。
涙なしには読めなかった。
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シングルマザーと3つ子の妹を支える高校生男子が主人公。
幼い頃から主夫だった父親に影響され料理の腕をメキメキあげていくが、父親が突然他界してしまう。
全く料理ができないが、明るくバリバリ働く母、
無邪気でオマセな可愛い3つごちゃん、
そして主人公それぞれを主役にした短編がつながって、少しずつ家族が成長していく。
家族の食卓が恋しくなるお話。