【感想・ネタバレ】惜別の海(中)のレビュー

あらすじ

朝鮮を服属させ、明を征服する――天下統合を終え、千利休を切腹に追いやると、秀吉は関白就任直後から抱いていた大陸侵略の野望に乗り出す。大森衆には肥前名護屋城の石普請が要請され、待ち受ける苦難を覚悟する六左衛門と十蔵たち。父と恋人と別れる悲しみにくれる於根。だが以蔵には、これを好機ととらえるある企みがあった。

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Posted by ブクログ

千利休の「利休百回記」の存在や豊臣政権の中で置かれた位置などから自分の死期を予測できる病を持っていた。秀吉に卑屈に命乞いをすれば生涯をかけて大成した茶湯がおとしめられるからだ、というのは頷ける感じがした。朝鮮出陣の為に、玄海灘を臨む佐賀県唐津市の東松浦半島に突貫工事で作られた名護屋城。日本全土から百を越す諸大名や諸将が集まり陣所をもうけた凄まじい状況が目に浮かぶ。権勢欲と征明計画という誇大妄想を実行しようとしてる秀吉を止められる人はもう誰もいなかったというのが不幸だ。この混乱に乗じて人買で儲けようと企む以蔵のような人達も実際に沢山いたのだろうと思う。

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2011年12月11日

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