【感想・ネタバレ】王様でたどるイギリス史のレビュー

あらすじ

フランス人ウィリアム1世征服王,海賊エリザベス1世,悪魔学者ジェームズ1世,お百姓王ジョージ3世…….個性的な王様たちのもとで醸成された文化と気質を深く深~く掘り下げて,現代へとつながるイギリスの素顔に迫ります.「紅茶を飲む英国紳士」はなぜ生まれたのか? 「料理がマズイ」は戦略だった!? イギリスの「なぜ」がわかる本!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

イギリス、そこは昔から今までずっと、王と女王の国。

イギリスは、日本が特に親しみを感じているヨーロッパの国ではないかと思う。島国であること、そして、王室があること。ある意味、王様でたどる歴史というのは、普通の視点のようにも感じるが、時代区分ではなく王様を中心に歴史を追うのには、また新たな発見もあった。

王様(女王様もいるけれど)の、征服者という戦闘性。世界中に植民地を広げ、身内になれば優しく抱える上から目線の侵略。好戦性と裏表な寛大さ。両輪となる議会との立ち位置や関わり。華やかな時代の裏にある貧富の差と、慈善という公私曖昧な社会福祉。食事はエネルギー補給でしかなく、感情はユーモアに包み込んでサラリと流し、居心地の良い家と、品格のある自然と、手塩にかけて整えた庭を愛する。

私が感じている、知っているだけの、いくつかのイギリス人らしさに関して、その理由をあげて解説されていて、なるほどと思いながら読んだ。王、騎士、そして紳士、やはりイギリス(的なもの)が好きだなと思う。

EUから離脱し、コモンウェルスは形だけ、スコットランドやアイルランドの独立も見え隠れする現代のイギリスは、激しく揺れ動いている。王室の存在感も、危機ではないけれど、永遠ではないだろう。実際、王室は変わらないものではなく、メンバーが増えたり離脱したり、それぞれが時代に応じて、様々な動きを見せている。いつまで王室が「イギリス」を代表できるのか、それがイギリスのポイントだと思う。また、ある意味、日本のポイントでもあると思う。

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2020年04月05日

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