あらすじ
ついに王都コーラルの目前に迫った国王軍だったが、宿敵ペールゼンによってウォルの出生に疑問が投げかけられた。混乱する国王軍に襲いかかるティレドン騎士団。コーラル奪回篇完結。
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Posted by ブクログ
国王の庶子であることが、王座を継ぐにふさわしくないという改革派の言い分だったが、今度は庶子ですらない、全くどこの誰とも知れない出自であることが分かった。
誠実に王家に忠誠を誓う人たちがここでウォルに敵対した理由がこれだった。
ここにきて沈黙を守っていた女官長・カリンが、ついに真実を語る。
言っても詮無いことではあるが、フェルナン伯爵といいカリン女官長といい、もっと早く真実を周りに告げていたらここまで事態は悪化しなかったと思うんだよなあ。
それぞれの気持ちというのはあるにせよ、本来自分の気持ちより国の在りようを優先する人たちだと思うのだが。
そういった意味では、間違った手段とはいえ、目的を見失ったとはいえ、ラスボスだったペールゼン侯爵の方が国を見据えていたともいえるかもしれない。
ともあれ、ウォルとリィの国盗り物語はここで完。
ああ、面白かった。
Posted by ブクログ
ついに、第一章に決着がつきました! おめでとうございます!
【以下、遠慮なくネタバレ】
最初、ウォルが実は国王の息子じゃない、と言われ始めた時には、ウォルを大好きな周りの人たちのことを思うと、どうしようかと思いましたが。
結局、そうじゃなくて、ちゃんと息子だったのだ、とわかって安心しました。
よかったです。
そして、カリンに女の生き様、のようなものを感じました。
すごいよ、カリン。
誰にも、何も言えないまま。
一人でずっと戦い続けてたんだもんね。
そして何よりも。
剣を取るだけが戦いじゃないんだって思い切り頭を殴られたような気分で。
すっごい息をのみました。
このどんでん返しはすごい! 素晴らしすぎる!
もうね、くらくらしますよ! 個人的に!
ベタじゃないのが、いいよね。素晴らしいです。
確かに、リィは戦場では素晴らしい働きをしたかもしれない。
でも、最後に決着をつけたのが、結局、人であらざるリィじゃなくて、ちゃんと人間なカリンであることが、秀逸だと思いました。
やっぱり、名作には名作の理由があるんだろうな、と思いました。