あらすじ
猟奇殺人事件の犯人ではと疑われるレティーがリィに申し出た不思議な《頼み》とは? 中篇「ファロットの美意識」ほか「ジンジャーの復讐」「深紅の魔女」の短篇2本を収録。
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Posted by ブクログ
今回の主役はレティシア。
治安が良く、滅多に事件など起きない「連邦大学惑星」で殺人事件が発生した。しかも、立て続けに3件もだ。この異常事態に、警察も街も騒然となった。
そんな中、この事件の容疑がレティシアにかかる。
リィもシェラもヴァンツァーも、切り口を見て「こんなのレティシアの仕業じゃない」というのだが、ごくごく普通の人には伝わらない。
そんな中、リィが誘拐されて……
という話でした。
なんというか……このシリーズの面白いところは、
「それぞれ常識の違う個性的な人たちが存在していて、一般社会と嚙み合わない生活を送っているのだけれど、それぞれがなんとか一般社会に馴染もうとしていて、そこに後ろ向きの要素がない」
という点だと思うなあ……としみじみしてしまいました。
我々には「殺人事件」は大事だけれど、それは別の常識に生きている人たちにとっては全然違う感覚だし。
それを「生業」としている者には「プロ」としての誇りがきちんとあるのだよ、というのはなんか難しい話なんだけど、大事なところだよね……と改めて思いました。
リィたちのすごいところは「目指せ一般人」として、自分たちの常識を無理やりこの世界に持ち込もうとしないところで、それは「個性を尊重する」という今の時代に大切なことなんじゃないかな、と思いました。
とはいえ、エンタメとして相変わらず面白いので何度でも読めるいい本です。
Posted by ブクログ
目次
・ファロットの美意識
・ジンジャーの復讐
・深紅の魔女
これは面白かった。
特に「ファロットの美意識」。
これを面白がってはいけないような気はするけど。
元々殺し屋を生業としていたレティシアだから、自分を陥れようと卑怯な手を使う、親の威を借りた小童どもを何のためらいもなく殺してしまうことは、やりかねないと納得だ。
それがいいことだとか悪いことだとかの判断は抜きにして。
けれどもこいつは殺す、こいつは生かすの判断をするというのは…裁くのは…ちょっと違うんじゃないかな。
そこまでの権利はないのでは?
「ジンジャーの復讐」は、ジンジャーのかわいらしさと男気(?)がいいバランスで、よい。
ジンジャーとダイアナは似てるよね。
芝居っ気たっぷりなところも。
「深紅の魔女」は、勝手にしてくださいって感じ。
やっぱりケリーとジャスミンは苦手だ。