あらすじ
壊れかけた家庭のために毎週一本バラを買う私に、花屋のあるおは同じ話ばかりする。繰り返しに苛立ち、私は彼と抱き合ってしまう。その瞬間は確かなのに、翌日になると、あるおは私を覚えていない……ものを覚えられない青年への愛を描く表題作ほか、男女の性と対話を見つめた九篇。
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Posted by ブクログ
表題作を含む短編集。
以下の3編が凄くよかったなぁ。
● 『あたしのこと憶えてる?』―花屋で働く年下のボーイフレンド、あるおは、逢うたびに同じことを話す。彼はものを憶えられない「病気」だった。
忘れてしまわれることが悲しみというよりも、それ自体が楽しい春菊さんの妄想なのかなあ。て読みました。毎日が新鮮な年下のボーイフレンド。かわいくって素敵で『愛しくてたまらな』くなってしまうじゃないですか。
● 『ときどき軽い』-ティッシュの箱の中から、透明なゼリー状の生き物?が出てきて…。
なんなのこれ…!言うくらいアタマオカシイ妄想(笑)
こんなこと思いつく春菊さんがかわいい。
● 『コウスケ』―35歳の伯母は未婚の母で、ようやくできた子供をやりすぎってくらいに溺愛していて…。
びっくりしました。なんなのこれ…!www
この衝撃で、収録作品のほかのが霞んで見えちゃいました。
巻末の、瀧波ユカリさんによる解説がよかった。
それから同じく巻末の、春菊さん自身による「あとがき」も良い。