【感想・ネタバレ】平等バカのレビュー

あらすじ

新型コロナワクチン接種の大混乱
緊急事態宣言下での東京オリンピック強行
拡大し続ける経済格差、公平じゃない消費税、
勘違いした多様性――偽りの「公平」から目を背けるな!
『ホンマでっか!? TV』でおなじみの生物学者・池田清彦が説く、
不平等な現実に向き合う知恵と教養

新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり大混乱が起きた。
同じ高齢者でも具体的に誰から打つのかに頭を無駄に悩ませ、
接種態勢を整えるのに時間を要する自治体が続出したからだ。
また、かつて東日本大震災の被災地支援で毛布を用意したにもかかわらず、
避難所のすべての人に届かないからと配布を取りやめたことがあったそうだ。
いずれも平等にこだわるあまり、非合理極まりない事態に陥っていたのである。

こうした事例を挙げるまでもなく、社会を見回すと平等に拘泥するあまり
非効率なことが起きる事例が蔓延している。
拡大し続ける経済格差、公平ではない消費税、
「多様性」を謳いながら平等に縛られる学校教育の現場はどうか?
恣意的に「平等」を使って国民を騙す行政は大問題だが、
国民の側にも「平等が何より大事」という思い込みがあるのではないか?
日本を覆う「平等が正義」という空気の本質をあぶりだす一冊。

「時にはあえて平等を選択するのが必要なケースはもちろんある。
ただし、しつこく上っ面の『平等』だけを追い求める
『平等バカ』の先にあるのは、実は『不公平』であり、
時としてそれはより深刻な格差にもつながるのである」
(本書「はじめに」より)

●完全な公平を求めるのは非現実的である
●平等バカの根っこにある「嫉妬羨望システム」
●消費税は「広く公平に」課税されてなどいない
●平等に働いても賃金は不平等になる理不尽
●平等な授業が落ちこぼれをつくる
●表面的なジェンダー平等ではむしろ生きづらい
●新しい資本主義には頭脳の多様性が欠かせない
●「決める政治」がはらむ独裁のリスク
●脱「平等バカ」は、自分の頭で考えることから……etc.

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Posted by ブクログ

「大教室での“話が面白い”と噂の教授の講義」に耳を傾けることに近いような感じでドンドンと読み進めた感じだ。実際、生物学関係の研究者であった著者は長く大学教員を務めていた経過も在るのだという。
内容は「漠然と抱く問題意識のような何か」に“形”を与えてくれるような感であると思う。非常に愉しく本書に付き合った…
冒頭部に近い辺りで、大きな災害の避難所で「実際に在ったという話し」が紹介されている。これには驚かざるを得ない…
500人程度の老若男女が避難所に在った。そこに“支援物資”というようなことで300枚の毛布が届いた。これに関して「この避難所の全員に行き渡らない…」ということで、結果的に黙殺されて毛布は使用されなかった…そんな出来事が実際に在ったらしい。
「500人程度の老若男女が在る災害時の避難所の300枚の毛布が支援物資として届いた」ということなら、体力の弱い子ども達や高齢者、或いは体調が思わしくない人達に使って頂けば善いというように思うのだが、「この避難所の全員に行き渡らない…」ということで「無かったことに…」というように黙殺された例が実際に在ったらしい。こういうのは、相当に想像力豊かな小説家でも思い浮かばないかもしれないような事態だと思う。
本書はそういう「やや驚かざるを得ない??」という事例も引きながら、「少し変じゃないか?!」という“平等”とやらで、この国の社会が少し「オカシイ様相?」を呈しているかもしれないというように思うという旨が綴られている。
そういうことで、昨今の感染症の問題に関する対応、大学のような場所で行われるようになった様々な最近の慣行というようなことが、著者自身の近年の経験や人生の中での記憶も交えて語られる。更に生物に関する研究者らしく、「そもそも生物としての人間の様相を想うと…」というような要素まで交えて色々と語られる。
個人的には「“悪平等主義人民共和国”とでも呼びたい妙な様相の社会???」というような問題意識を永く持っているので、本書で綴られる様々な話題に関して「一々頷く…」というような気もした。
本書に関しては、かなり幅広い世代の人達に向けて、一定程度の「考える材料」を提供してくれるのではないだろうか?そういう意味で、少し強く本書を御勧めしたい感だ…

0
2021年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国が行うアレコレにモヤモヤする貴方、本書を読めばワザと国民を平等バカ思想に染める意図が分かります・・・思考能力を低下させ情緒で政策を誘導できるからです、政府の陰謀じゃーーーーーーー

新型コロナワクチン接種の大混乱緊急事態宣言下での東京オリンピック強行拡大し続ける経済格差、公平じゃない消費税、勘違いした多様性――偽りの「公平」から目を背けるな!『ホンマでっか!? TV』でおなじみの生物学者・池田清彦が説く、不平等な現実に向き合う知恵と教養、新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり大混乱が起きた。同じ高齢者でも具体的に誰から打つのかに頭を無駄に悩ませ、接種態勢を整えるのに時間を要する自治体が続出したからだ。また、かつて東日本大震災の被災地支援で毛布を用意したにもかかわらず、避難所のすべての人に届かないからと配布を取りやめたことがあったそうだ。いずれも平等にこだわるあまり、非合理極まりない事態に陥っていたのである。こうした事例を挙げるまでもなく、社会を見回すと平等に拘泥するあまり
非効率なことが起きる事例が蔓延している。拡大し続ける経済格差、公平ではない消費税、「多様性」を謳いながら平等に縛られる学校教育の現場はどうか?恣意的に「平等」を使って国民を騙す行政は大問題だが、国民の側にも「平等が何より大事」という思い込みがあるのではないか?日本を覆う「平等が正義」という空気の本質をあぶりだす一冊。「時にはあえて平等を選択するのが必要なケースはもちろんある。ただし、しつこく上っ面の『平等』だけを追い求める『平等バカ』の先にあるのは、実は『不公平』であり、時としてそれはより深刻な格差にもつながるのである」(本書「はじめに」より)
●完全な公平を求めるのは非現実的である
●平等バカの根っこにある「嫉妬羨望システム」
●消費税は「広く公平に」課税されてなどいない
●平等に働いても賃金は不平等になる理不尽
●平等な授業が落ちこぼれをつくる
●表面的なジェンダー平等ではむしろ生きづらい
●新しい資本主義には頭脳の多様性が欠かせない
●「決める政治」がはらむ独裁のリスク
●脱「平等バカ」は、自分の頭で考えることから……etc.

0
2024年05月11日

Posted by ブクログ

人間は、うまく行かない制度をゼロから作ろうとするより、そこになにか加えて改善しようとすることが証明されてるんだね。

0
2021年12月02日

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