あらすじ
世界を見る解像度を上げろ!
「宇宙兄弟」「ドラゴン桜」
「マチネの終わりに」
メガヒット編集者が行き着いた、あらゆるクリエイティブに必須の根源的な力
「ぼくらの仮説が世界をつくる」「WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~」に続く、3冊目の著作は、感性よりも表現力よりもたいせつな「観察する」力について。
数多くのトップクリエイターに伴走し、新人漫画家を育成するなかでたどり着いた最重要な能力、それが観察力だ。「仮説→観察→検証」のサイクルを上手にまわせる者だけが、深く対象を理解し、心を動かす作品を残すことができる。
では、観察力とは何か? どうすれば身につくのか。
文学から心理学、仏教、経営まであらゆるジャンルを横断し、3年をかけて思索を深めてきたその「ドミノの1枚目」とは!
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Posted by ブクログ
【一言まとめ(キャッチフレーズ風)】
この本は、「インプットの質を高め、人生や創作を豊かにする“観察力”の本質」を教えてくれる一冊でした。
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【要約(内容の流れ・ポイント)】
本書は、観察力が経営や創作、そして日常のあらゆる場面でどれほど重要かを、具体的なエピソードや心理学・哲学の知見を交えて解説しています。
1. **観察力がインプットの質を決める**
→ アウトプットの質はインプットの質で決まる。そのインプットの質を高めるのが「観察力」だと著者は語ります。経営や創作に役立つ能力を考えたとき、直感的に「観察力」こそが土台になると感じたという言葉が印象的です。
2. **良い観察と悪い観察の違い**
→ 良い観察とは、仮説を持ちながらも客観的に物事を見て、仮説と現実のズレに気づき、仮説を更新し続けること。一方で、悪い観察は「分かったつもり」になり、仮説の更新が止まってしまう状態。常に「普通」でい続けることの難しさや、当たり前を当たり前にやり続けることの大切さも語られています。
3. **観察を妨げるバイアスや感情との向き合い方**
→ アインシュタインの「常識とは18歳までに身につけた偏見の塊」という言葉や、ハロー効果・生存者バイアス・根本的な帰属の誤りなど、観察を歪める心理的なバイアスについても触れられています。また、僕らは「感情」のフィルターを通して観察していること、感情は自分で選んでいるものであり、良い悪いはないという視点も新鮮でした。
4. **「ディスクリプション」の重要性**
→ 観察したものを「ちゃんと言葉にする」ことの大切さ。著者は、目に映るものを言葉に置き換えることを「ディスクリプション」と呼び、見たものをそのまま記述することで、曖昧な仮説が言葉として形になると説きます。これにより、分かったつもりを防ぎ、より深い理解につながるのだと感じました。
5. **他者や自分との向き合い方**
→ クリシュナムルティの「彼はこんな人だ」ではなく「二月に彼はこんな人だった」と言うことの大切さや、一期一会の感覚で人と向き合うことの重要性も印象的でした。肩書きや過去のイメージにとらわれず、常に新鮮な心で観察することが人生を豊かにする――そんなメッセージが伝わってきます。
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【読んで感じたこと・自分の意見】
本書を通じて、「観察力」とは単なる“見る力”ではなく、仮説を持ちつつも柔軟に現実を受け止め、常に自分の認識をアップデートし続ける力だと実感しました。
特に、「分かったつもり」にならず、見たものを言葉にして記述する「ディスクリプション」の重要性は、日々の仕事や人間関係にもすぐに活かせると感じました。
また、感情やバイアスが観察を歪めること、そして感情は自分で選んでいるという視点は、自己理解や他者理解を深めるうえでとても役立つ考え方だと思います。
「普通でい続けることの難しさ」や「当たり前を当たり前にやり続けること」の大切さも、日常の中でつい忘れがちな視点を思い出させてくれました。
さらに、他者をレッテルで判断せず、常に新しい目で向き合うこと――これは、人生をより豊かに、柔軟に生きるための大切なヒントだと感じました。
【この本をおすすめしたい人】
この本は、
- 仕事や創作でより良いアウトプットを目指したい人
- 日常の「分かったつもり」から抜け出したい人
- 人間関係や自己理解を深めたい人
- バイアスや感情に振り回されず、柔軟に物事を見たい人
に特におすすめです。
【まとめ】
読み終えた後、「観察力」を意識することで、日々のインプットもアウトプットも大きく変わる――そんな前向きな気持ちになれる一冊でした。
自分自身の“見る目”を鍛え、より豊かな人生を送りたい方に、ぜひ手に取ってほしい本です。
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Posted by ブクログ
僕のマイベスト本2023。
自分のマインドに間違いなく大きな影響を与えている。いかに日常生活の中で、ニュートラルに現実を見れていないかを痛感した。また、読み物として純粋に面白い。
2024/2/1に読み直した。
1年後にまた読み直すだろう。
キーワードは「観察力を鍛えると世界が変わる」
以下、自分のリマインド用メモ。
1.いい観察とは、主体が物事に仮説を持ちながら、客観的に物事を見て、仮説とその物事の現実とのズレに気づき、仮説の更新を促すこと。
2.観察を阻む「メガネ」という概念
◾︎認知バイアス
→目ではなく脳で見ている
→自分の既存の認知が観察を阻害している
→人は自分が見たいものだけを見ている
→完全にバイアスから逃れることは不可能
ex,偏見、概念
↓どんな種類があるか(一部抜粋)
・確証バイアス
→自分の決定を補完する情報ばかりが目に入る
・ネガディビティーバイアス
→ネガティブな情報に目が行く
→失敗の姿は多様に思い浮かぶが、大抵が杞憂である。失敗の姿が多様≠失敗する確率が高い。
・同調バイアス
→皆がそう言っているから…
・ハロー効果
ex,まこなり正しい
→ハロー効果の1番の弊害は、相手にレッテルを貼り、観察をやめてしまうこと。相手への観察を辞めてはいけない。
◾︎感情
◾︎コンテクスト
→時間と空間
ex,だらしない格好の男の人in公園
3.仮説→観察→問いのサイクル
→仮説を起点にすることで、観察したい熱量
4.完璧に真似るは容易ではない
一流を真似るのは至難の業。
自己流<真似るを推奨
◎真似ないのは自分の出来ないに向き合わないやり方である、確かに
5.妖精の概念の解釈
→起きている問題を妖精や妖怪のせいにしたら個人を責める必要がなくなる。
6.こうしたら良かったのにと過去について言ってしまう虚しさ
→後知恵バイアスである
→未来について言おう
7.分人主義を改めて言語化
→分人は相手との関係性によって引き出される
→人は複数の他者との分人を見せたがらない。僕も友達に引き出される分人を親に見られたくない。
8.不安という感情の整理
→分からないものに対して注意が向いている状態
→分からないものが何かを具体化してはっきりさせると、不安軽減
→今注目していることを手放すと自然と感情が変わって行動が変わる
→そもそも論として感情は自分で選んでいる
9.個性は存在しない!?
→江戸時代に日本に個人という概念が無かった
→僕は何者?「私と私の環境」である
→その人だけで個人として存在しているのでは無い。その周りを取り囲む他者・場所との関係性の中に人はいる(ドーナツ)
10.僕の中にもエポケー
→=判断保留
→分かったと思った瞬間、僕の中に住まうエポケーが鳴く
11.あいまいのすすめ
→分からずにあいまいな状態でいる=思考停止をしない、仮説サイクルをまわす
ex,思考停止ワード、難しい、頑張る、苦手
12.正解主義の弊害
→正解主義の住人は「すること」に囚われている
→正解主義の中にいると、過去と未来にこだわる。それを手放し、あいまいさを受け入れると今だけになるp210
→★相手のために何をするかではなく、どう居るか