【感想・ネタバレ】カンバセーションズ・ウィズ・フレンズのレビュー

あらすじ

フランシスは作家志望の21歳の大学生。かつての恋人のボビーと共にダブリンでポエトリー・パフォーマンスを行っている。二人の才能に目をつけたジャーナリストのメリッサと親しくなるが、フランシスはメリッサの俳優の夫に惹かれていく……。BBCドラマ化決定

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Posted by ブクログ

様々なタイミングでバランスが変わるシーソーのような人間関係。読んでいくうちに、あれ、地固まつまちゃうの、と少々物足りなさを覚えたけれども、この展開は(笑)。生きている限り、人と人とは触れあい、作用して、刻一刻と変わっていくのでしょう。
「カンバセーション」というのは通り一辺「会話」「おしゃべり」と捉えていたけど、作中にも出て来るけれども、「交際」という意味もあるんだね。
変化というのはよいことばかりではなく、更に、固定しないことで安住の地ではいられないのだけれど、それでも、生きているってことだよなあ。とりあえず、感想メモ。

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2022年02月01日

Posted by ブクログ

会話をするのは難しい。相手がどう思うか、傷ついてるのか、ってどんなに知った関係でも意外と分からないものだなと思った。特に自分の機嫌が悪かったり相手に馬鹿にされてるとか思って、相手に意地悪で言ってしまったりすることも普通にあるから。そうゆう時は「どうせこんな風にいってもあなたは傷つかないし、私が何を思ってるかなんて分かりっこないだろうからね」みたいな気持ちになるよねー。みんなに少しずつ共感した。最後の終わり方も現代的?で良い。いいことと悪いことと、自分の気持ちと、周りの評価と、意外と噛み合わない行動するのが人間で、それによって世の中複雑になってる。

サリー・ルーニーさんの本は2作目。2作品読むと、彼女の普段考えてることとか、大学時代とかなんとなくわかった気になってしまう。きっとこのキャラクター達自身や彼女たちの友だちのような人なんだろうなと。反資本主義、家父長制反対、パーティで時事問題や文学作品について友だちと話す感じ。この人の本読むと、トリニティ大学のようなトップが集まる大学で文学や政治学を勉強してる学生たちはこんな感じなのかなーという面白い学びがある。正直、大学の友だちとそんな会話全然してなかったなぁ、。(学部的には国際政治や文化の話をしてても全然おかしくなかったけど。)日本だとそうゆう話って憚られるんだよなぁ。友達と仕事や恋愛について語ることはあっても、この社会のあり方や時事問題についての話をすることってほんとない。それって残念だなと思う。見て見ぬふりして関心を持たずに会話にも出さないことで、どれだけ日本社会が衰退してるか考えると悲しくなる。

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2023年11月04日

Posted by ブクログ

自分が傷ついているのを見せるのは負け、それで相手に辛辣な言葉を吐いてしまう。そういう場面が、何度も繰り返し出てくる気がする。
ボビーもフランシスも、近くにいたら仲良くできないし面倒な子たち。でも自信家に見えるボビーがふと吐く本音、やめとけよーと思うけど、混沌に飛び込んでくフランシス。2人とも清々しかった。

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2022年09月07日

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彼がいつものように全部小文字でメールを書いていたので、気が楽になった。こんな緊迫した状況で大文字を使われたら、もっと大事件に感じたことだろう。

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2022年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ストーリーや起こるできごと、ひりひりするような若さは超普遍的でありつつも、登場人物の設定や関係性、ディテールの描写は超現代的で、とてもおもしろかった。また、文章が読みやすく、ぐいぐい読んでしまった。

知的ユーモアあふれるフランシスの視点が本作の大きな魅力だと思うのだけれど、若さゆえか主観的な評価と周囲の反応が食い違っていることも多いのがスリリングで、フランシス本人を含めキャラクター造形を想像する作業がとても楽しかった。

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2022年02月14日

Posted by ブクログ

21才頃のアイルランドの知的な女子大生とさらに知的で美しいレズビアンの友達、そこに入り込む気弱なイケメン俳優と作家の妻の夫婦の間の人間関係をメインにゆっくりと少しづつ人間関係が動いて戻ってまた動いてしていく。ゆったりとした、だけど感情の起伏は激しい物語の流れの中で人と人の間の微妙なつながりやずれが詩的にに描かれる。会話と地の文が一続きになったクールな文体が不思議と癖になり、性別も年も違う主人公の心になんとなく寄り添ってしまう自分がいた。

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2021年12月07日

Posted by ブクログ

「年上の既婚男性と不倫」という枠にはめたくなるけど、二人や取り巻く人たちにそれぞれの事情があって、全く一筋縄ではいかないというのがリアルだった。ニックとの関係に悩むフランシスの本音とか、完全無欠の勝者のようなメリッサが見せる弱さとか、共感するところも多く、登場人物たちに感情移入して読めた。

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2022年12月08日

Posted by ブクログ

シンプルな文章が良かった。
フランシスは知的に振る舞うけど
時々痛々しさを全面に出してて(多分無意識)
そこが読んでて自分にも同じシーンではなくても
似たような振る舞いをしてたなあと思い出した。

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2021年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特異ではない関係性が、当事者の言葉によって複雑な関係性を持っているということがわかる。
村田さんの帯の言葉に納得。

ずしんとくる読後感。浮かび上がる問題や疑惑に自分も一呼吸おいて考えないと読み進められなかった。凄まじい、、

最後のシーンは特に大切にしまっておきたい。惹かれ合う間柄において、こんな会話ができたらいい。

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2021年10月03日

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フランシスのこじらせ具合が自分にも持ち合わせてるものでそれが明確に文章になってて、自分の感情はこういうものかと客観的に考えることができたし、共感できることが多かった。
それが難しいんだけど、自分の気持ちを素直にちゃんと伝えられればそれが一番。何故かそれがすんなりできず難しいんだけど…

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2024年09月01日

Posted by ブクログ

内容に反して透明感のある小説。そのためか、主人公の人生に優しく寄り添うことができた。改めて、自分自身に孤独に向き合う誠実さを持ち続けたいと思わされる、読後感の良い本だった。若いって羨ましいけど…実は色々と大変なのだ!

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2024年03月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特に何かが起こる訳では無いけど常に主人公の緊迫した状態が伝わってきて、主人公が危ない選択をしてしまうんじゃないかってハラハラしながら読み進めた。どんどん不倫の沼にハマっていく主人公とニック、未練が残るボビー、他人と浮気していた過去を持ちながら自分が浮気されると嫉妬に狂うメリッサ、全員に弱い部分があって人間の本質が描かれているような気がした。周りの人間を素晴らしい人間、能力ある人間だと思い込みがちっていう言葉が刺さった。

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2024年02月22日

Posted by ブクログ

どこを読んでも、文章が美しいと感じる本だった。
情景が浮かび上がり、その中に浸れるような感覚。
話の内容よりも、読んでいてその満足度を感じる方が大きかったかもしれない!
あとは装丁好き!!!

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2022年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正直なところ、人生経験が浅いのでそんなにも人に対して特別な感情を抱いたことがなくイマイチ登場人物に共感することができなかった
他人と自分の家庭環境や容姿、価値観や金銭面を比べて自分って一体誰なのか?そこに私はいるのか?ってぐるぐる考えてしまうフランシスをどこか慰めてあげたい気持ちになった
若い子特有の知性と清々しいほど恋に翻弄される幼さのアンバランスなところが現代っぽいのですかね
ボビーとフランシスの友人の枠を突き詰める関係性をこれからも続けていてほしい、依存しあっているのは実は自分たちなのかも

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

大学生のフランシスとボビーは、元恋人同士だが、今は親友として二人で詩のパフォーマンスをしている。ジャーナリストのメリッサと知り合いになり、才能を見込まれ家に招かれる。そこでメリッサの夫の俳優のニックと出会い、フランシスはニックが忘れられなくなる。フランシスとニック、ボビーとメリッサ、フランシスとボビー、それぞれの関係が微妙に絡まり合っていく。
こんなふうに書くと軽いストーリーと思われそうだが、なかなか深かった。そして、刺戟的でいろいろ考えた。良かったんだけど、私にはハードル高いかも。

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2022年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

知的なフランシスはニックとの仲が深まるにつれて自分を失っていく。一人で問題を抱え込んでしまうところがあり、すれ違いからニック、ボビー、メリッサとの人間関係が変化していく。人生経験が少ないからかあまり登場人物に共感出来ず、期待し過ぎたのかあまり自分とは合わなかった。でも他の人の感想を見ると自分が思っているようにも奥深い作品なのかもしれない。

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2022年02月06日

Posted by ブクログ

ヤングアダルトかと思って読んだらめちゃ大学生な話で、私には誰の立場も感情もしっくりこなくて孤独感を味わった。気まずい相手がいる旅行とかそもそも行かないしなぁ…
でも作中で『フランシス・ハ』が出てきて、あ〜この話はフランシス・ハだったのか!と分かって、ふたりの像がようやく結べた。最後の最後でパートナーシップのあり方についても模索していて、あ〜そういうこと!!と…
感覚で沁みてこないのはNot for me だったということだろうし、フランシス・ハ的な物語ならむしろドラマで描かれた方が楽しめる気がするので、ドラマ楽しみです。子宮内膜症ってアメリカではそんな知られてないの??

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2022年01月19日

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