【感想・ネタバレ】小説「安楽死特区」のレビュー

あらすじ

死にたい、と願うのはエゴですか?
生きていて、と望むのは愛ですか?
~死と向き合っている医師だから書けた、現代人のエゴイズム、そして愛と情~
このごろ、「早く日本でも安楽死を認めてほしい」という人が増えた。
その先にどんな未来が待ち受けているのか、書きたかった。(著者)

あらすじ:2024年、オリンピックで疲弊した東京はすっかり元気を失っていた。
人気女流作家の名をほしいままにしていた澤井真子はアルツハイマー型認知症と診断をされ、
小説が書けなくなる前に死にたいとある決断をする。一方、補助人工心臓手術の名医として
名を上げた尾形紘は、緊急搬送された大手自動車メーカー会長の手術執刀を拒否し、心臓移植
待機中の少女の手術に向かったため、大学病院内外から批判の矢を浴びる。失意の中、医師を
辞める決意をした彼に下されたミッション。それは、安楽死特区の主治医となり自殺幇助に
加担せよ、という受け入れがたいものであった。さらに、かつての東京都知事、池端貴子は
日本初の孤独担当大臣に国から任命されると、末期がんであることを明かし、
「私が、安楽死特区の第一号として死にます」と記者会見を行う…
女と男、それぞれの「死にたい」物語が交差したとき、前代未聞の事件は起きた。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読友さんの感想を読んで興味を持った作品。東京都に設置された「安楽死特区」。本人の自己決定権、特区であれば医師は自殺幇助に問われない、欧米との整合性、これを順守することで安楽死特区の効力が出てくる。孤独担当大臣・池端、小説家・澤井、薬剤師・酒匂が安楽死を実行するべくマンションに入居する。末期がん、認知症、多発性硬化症、3人がそれぞれの(身体的・精神的)痛みは本人にしか分からない。これを家族が理解しようとしてもやはり難しいのだろう。しかし、えええっ!1番目に実施した池端の安楽死は大変なことになってしまった。

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2021年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長尾先生は安楽死反対派なのかな!?

本の中で、順調に安楽死特区構想が進んでいたにも関わらず、非現実的な展開でズタズタになってしまったのがとても残念。また、安楽死の方法の薬が苦痛を伴う描写なのにも悪意を感じる。(スイスでの安楽死はもっと自然に眠るように行われているよう。)これをもって、安楽死制度が良くないとは言えないと思う。

そりゃあ、自然に穏やかに枯れて逝けるのが一番。
しかし、痛みや身体不自由、認知症等の状態になると、なかなか尊厳を守ってもらえない介護や医療を受けざるを得ず、また、近い大事な人への負担を負わせる。病状の苦しみに加え、これらによる精神的ダメージも計り知れない。
これらから解放されるための安楽死制度は、患者自身の尊厳に他ならない。日本でも是非進んで欲しい。

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2024年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

安楽死特区構想にリアリティがありましたね。妙に。
安楽死っていっても民衆に開かれてるものじゃなくて、カネがいるのよね。
最終目的はカネ集め。ありえる。
苦しまずに、眠るように死ねたらいいけど、現実はそんなものじゃないよね。
小説としては、まぁ、こんなもんか。という感じだけど、医師という立場できっと色んな場所で色んな人の話を聴いてこられて、それが反映されてるんだろうなと思うと、少しゾッとする。

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2023年06月22日

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