村上和久のレビュー一覧
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アメリカ側の視点で見た太平洋戦争。 全6巻シリーズの5、6冊目の完結編。上巻はガダルカナル後からレイテ沖海戦まで、フィリピン戦も含む。 下巻はレイテ海戦後から沖縄戦、本土攻略、終戦までを描く。 上巻の前半はアメリカの政治的な話が多かったが、後半は日本の戦史本では読んだ事が無い様々なエピソードや出来事が詳細に考察されていて、大変面白かった。 日本側の戦史本では、米軍が物量と作戦で日本を圧倒したような記述が多いけれど、実は米軍も指揮官の判断ミスや失敗、予想外のことが起きていて、相当苦労しながら戦っていたらしい。 日本の陸海軍の仲が悪かったのと同様に、米軍も陸海軍の仲は良くなかった。 上級の指揮官の
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7月1日に白水社から発売された『米露諜報秘録1945-2020』を読んだ。
とにかく内容が濃い。
近現代史の知見が得られたのはもちろんのこと、民主主義にはらむ脆弱性についても気づかされた。
本書の主題は第二次大戦後の米ソ・米露関係である。
語り尽くされたテーマにも思えるが、諜報活動や外交についての膨大な量の機密解除文書にもとづいて書かれているため、歴史の舞台裏を垣間見ることができる。
前半は冷戦時代をあつかっている。
諜報の分野では帝政ロシア以来の歴史を持つソ連に対して、アメリカは素人だった。
アメリカは第二次大戦後にCIAを設立し、ソ連の政治戦に対抗していく。
コンゴ動乱やインドネシア9 -
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ガダルカナルと言えば日本軍が悲惨な敗北を喫したイメージしかなかったが、はじまった当初は米軍にとってもかなり際どい戦いであったと知った。日本側の戦力逐次投入が戦略ミスとして批判されたりするが、日本をそのように受け身の態勢に追い込んだ背後にも、現場の反対を押し切ってガダルカナル上陸のスケジュールを無理やり早めたキング提督の判断があったりするわけだ。上陸作戦は成功に終わるもののその後も空と海で一進一退の攻防が続き、一時は日本軍に島から追い出される心配までしていたとは意外なところ。また、日本軍の同島からの撤収は、完全に米軍を欺いた見事なものであったそうだ(撤収の実行以外はいいところがないのだが)。
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ご存知の通り,太平洋戦争(日本人の立場からは大東亜戦争と言うべきかもしれませんが)初期の約半年間に限っては,日本は大きな勝利を重ねていました.前代未聞の「空母機動艦隊」というアイデアは,真珠湾の米国大戦艦群を火の海の叩き込み,栄光の大英帝国海軍を太平洋から駆逐.彼らはインド洋まで進出,敵国の根拠地を覆滅しながらの大航海をしました.しかしその機動艦隊の栄光も,ミッドウェイで深い深い海の底に葬り去られます…….本書はそんな「日本が勝っていた半年間,アメリカから見れば,「我々が負け犬だった」半年間の話です.
日本海軍のミッドウェイにおける失敗,またそれを敷衍して,日本海軍の米海軍における根本的な戦 -
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本作は所謂<太平洋戦争>、第二次大戦の日米両国海軍の戦いに光を当てた3部作の第1部である。米国のサンフランシスコ在住であるという史家による作品だ。
本作では、日本側の“中心的人物”として山本提督を、米国側の中心的人物としてニミッツ提督を選んでいるが…主に米国側に関しては、他にニミッツの上役だったキング提督や、その他の人物に関する描写も厚い。そして、当時の米国指導者のルーズベルト大統領や、英国のチャーチル首相に関する挿話も多く取り上げている…
本作は、公文書や先行研究、色々な人達の回顧録や証言、従軍記者が綴ったモノなど、相当に幅広い史料を意識しながら、「一連の流れ」として日米両海軍の戦いを雄 -
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当時、ウォーレン委員会の若手法律スタッフとして第一線で捜査資料を収集、検討していた人々も、50年という歳月を経て、自らの見聞や体験を冷静に振り返り、語れるようになったのがよくわかる。
今日では FBI や CIA の捜査能力や情報収集が官僚主義的な自己保身と絡まりあって、かなり杜撰であったことが広く知られるようになっているので、この書にしばしば出てくる捜査資料の杜撰さに対するスタッフの憤懣にはさほど驚かないが、 FBI や CIA がまだ神話的な伝説に包まれていた時代に、その杜撰さに直面した当時の若手スタッフはさぞ驚いたであろうし、信じられない思いだっただろう。
いろいろな陰謀を説くケネ -
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膨大な資料をもとに、第2次大戦後からロシアが米国を弱体化させターゲットの国を自陣営に取り込む為に行ったプロパガンダ、エスピオナージ、偽情報の流布等の政治戦(Political Warfare)の秘史が暴かれる。「現実とフィクションのあいだの境界線をぼやかし、メディア事業体と情報環境、政府、国民相互、そして民主主義への信頼をそこなう “blur the lines between reality and fiction, erode our trust in media entities and the information environment, in government, in eac
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第二次世界大戦終結から冷戦を経た現代に至るまでのアメリカのロシア政策あるいは無策を描く。確かにプーチンが大統領になってからのロシアは冷徹で戦略的な諜報活動によってその姿を保とうとして、それにある程度成功していたのかもしれない。特にトランプ当選に象徴されるSNSでの世論コントロールは改めて恐ろしいものだと思う。とはいえそこにはロシア独特の空虚な大義のなさが強く感じられる。確かにNATOの拡大は元々の話と違うものだ。しかしロシアはあまりにも都合の良い過去に自分自身が惑わされているように感じてならない。そもそも面積以外の面で本質的に大国であったことがないロシアが歴史のいたずらのようなナポレオンに対す
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メモ
真珠湾攻撃時の各国体制
日本
東條英機首相
山本五十六連合艦隊司令長官
南雲中将 真珠湾攻撃指揮官
アメリカ
フランクリン・ローズヴェルト大統領
フランク・ノックス海軍長官
ハロルド・R・ベティ・スターク海軍大将
ヘンリー・スティムソン陸軍長官
コーデル・ハル国務長官
ジョージ・C・マーシャル陸軍参謀総長
ダグラス・マッカーサー極東軍司令官(フィリピン)
リチャード・サザーランド参謀長
キンメル太平洋艦隊司令長官(ハワイ)
→真珠湾攻撃後解任。
チェスター・ニミッツ提督着任
アーネスト・J・キング大西洋艦隊司令長官(ニューポート)
→真珠湾攻撃後、合衆国艦隊司令官
→翌年3月ス -
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ケネディ大統領が暗殺されたダラスの悲劇。それは偶然の重なり
が犯行を可能にした事件だったのか。
上巻同様、下巻でもウォーレン委員会の若き調査員たちの奮闘
が綿密に綴られている。
FBIやCIA、シークレットサービス、ダラス警察から提出された資料を
読み込み、実地検分をし、関係者の宣誓証言を取り、矛盾する点は
ないか、見落としていることはないか。彼らは家族と共に過ごす時間
を削ってまで委員会の為に働く。
真相を見極めようをする彼ら調査員と対照的なのが委員たちである。
委員長の最高裁首席判事ウォーレンはケネディ家を気遣うあまり、
未亡人であるジャクリーンの宣誓証言を取る気はなかった。
結局 -
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1963年11月22日、アメリカ・テキサス州ダラス。第35代アメリカ
大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディがオープンカーでの
パレードの最中に射殺された。
現職大統領、しかもアメリカが大きな期待を寄せた新時代の
大統領の暗殺はアメリカのみならず、世界に大きな衝撃を
与えた。
ケネディ亡きあと、副大統領から新大統領となったジョンソンに
よって招集されたのがこの暗殺事件を検証する為のウォーレン
委員会だ。
連邦最高裁首席判事アール・ウォーレンを委員長に、後に大統領
となるフォード、ピッグス湾事件で失脚した元CIA長官アレン・ダレス
などの6人の委員によって構成された。
実際に事件の調 -
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真珠湾攻撃前夜からミッドウェイ海戦までの「戦艦至上主義の思想背景」、「指導者層としての昭和天皇」、「血なまぐさい現場単位」など、日米両者の立場を偏りないバランスで、著述されている。
1つの海戦だけ描く戦記物と異なり、強国アメリカを窮地に追い込んでいたというノンフィクションの本作は、新鮮で素晴らしい。
欠点は、翻訳が非常に悪い。
印象あるのは、戦闘機の事実上の名称ではなく、日本メーカー名+型式というのは、本当に分かりづらい。
また、スラングのある会話も分かりづらい。理解不能であった。
名著と断定できるのは、原書が素晴らしいため、アメリカの危機(対策)管理から、逆転に転じる史実を述べ、説得材 -
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前半良かったんだけどな。
良かったと言うか、えげつない。
大国の、それも、一部の図が高い奴らの思惑でどれほどの人間が不幸になるのか。
米国もえげつないことをやっていたらしいのだが、露国に対すれば子供みたいなもんだなぁ。C国はどうなんだろう。
露国を刺激したことが今の情勢を招いているのは間違いないんだろうが、じゃあ、露国が安定する、つまり、露国の圧政が少なくとも、それをよしとしない一部の非圧政を認めることも許されるべきだったのか。
なんにせよ、世の中って絶望しかないのか。
後半。言いたいことはここかと思ったが、トランプがロシアの操りで、その思惑通り大統領になったと。
唾つけて読まないと無理だ