竹沢尚一郎のレビュー一覧

  • ホモ・サピエンスの宗教史 宗教は人類になにをもたらしたのか

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    人類の誕生以降の歴史とともに、とても多くの情報が整理されていて、議論の展開も丁寧。宗教の起源は狩猟採集時代の祝祭や儀礼にあること、軍事と祭祀が占有された時に国家が生まれたこと、儀礼を簡略化し、教義を中心として、個をターゲットとしたことで、民族や国家の枠を超えた世界宗教が生まれたことが説明されている。

    著者は、ホモ・エレクトスの段階で、狩猟の成果を持ち帰って集団が全員で分配と共食をしていたとすれば、大きな獲物を得た際に歓喜の光景が繰り返されてきたと推測する。集団であることが生存のための必須条件であったホモ族にとって、集団の結束を高め、集団であることの歓びを体感させる祝祭的行動は、彼らの存在の根

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    2025年04月11日
  • ホモ・サピエンスの宗教史 宗教は人類になにをもたらしたのか

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    現在、経済が相対的に好調な国家は、法体系でいうと英米法と北欧法の国家だ。
    本書を読むと、これらの国は宗教改革によって登場したピューリタニズムと不可分の関係にあることがわかる。
    合理性と自由を尊重する地域が成長を続ける一方、日本のように秩序や和を重視する国家は取り残されるのではないか、本書の内容とはズレるが、そんな感想を持った。

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    2023年11月19日
  • 社会とは何か システムからプロセスへ

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    本書は、社会人類学を専門とし、

    現在は国立民族博物館教授である著者が、

    「社会」のあるべき姿を考察する著作です


    筆者は、ホッブス、ディドロ、アダム・スミス、デュルケーム、コントなど

    近代社会科学の基礎を作った思想家たちを概観したうえで、

    今日における社会統合の困難の一として、フランスにおける移民問題を紹介。


    そして、水俣での市民運動などをてがかりに

    上述の社会科学が前提としてきた、

    閉鎖的で均質な、システムとしての社会像を批判し

    多様性と複数性からなるプロセスとしての社会像の構築を提唱します。


    近代の創生期において、複数性に注目したスピノザへの注目

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    2010年06月27日
  • 社会とは何か システムからプロセスへ

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    前半を中心に多くの部分を割いて、西欧を中心とした社会学の進展について概観し、後半部分を中心に、「社会とは何か」という問いについて筆者の答えが提示される。
    社会学の入門書としては有用であるが、主題である「社会とは何か」という問いに明確な回答が成されたかは甚だ疑問。
    今後スピノザなどの古典的名著を読む上での足掛かりとしてはいいのではないだろうか。

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    2012年07月01日
  • 社会とは何か システムからプロセスへ

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    「社会」をテーマにこの言葉の変化を
    歴史的変遷を説明し,事例をあげながら解説している.

    君主制の中世ヨーロッパのフランス革命時の「社会」
    イギリスなどの工業化が進む時代の「社会」などである.

    ひとまず全部読んだが、あとで読み直すことになる.
    感想はその時に追記.

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    2011年05月09日
  • 社会とは何か システムからプロセスへ

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    「社会」という語は、どのような意味や役割を担わされてきたのか。
    十七世紀以降のヨーロッパで、それは初め、統治や富の増大を目的に国家が介入する空間として認識された。
    後に、貧困・暴力・不衛生など、「社会的な」問題が拡大し、それに対処するための対象となった。
    社会を複数の要素からなる複合的なものとしたのはスピノザである。
    人が他者とともにより良き生を築くための場という彼の構想に、社会の可能性を読む。

    [ 目次 ]
    はじめに
    第1章 社会の発明―ホッブズ、スピノザ、ルソー
    第2章 社会の発見―統治性と社会問題の出現
    第3章 社会の科学の成立 ―社会主義と社会学
    第4章 社会と文化―文

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    2011年04月03日
  • 社会とは何か システムからプロセスへ

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    前半が社会というものをその認識の歴史に沿って解説しています。以下に章立てを挙げておきます。
    第1章 社会の発明―ホッブズ、スピノザ、ルソー
    第2章 社会の発見―統治性と社会問題の出現
    第3章 社会の科学の成立―社会主義と社会学
    それぞれおぼろげながらに見聞きしきたことが1つの流れとして理解できたような気になりました。私はこの手の文章を読むのは苦手で、まあなんとかついていくことができたといった感じですが。

    一方、後半は文体も打って変わって、事例による筆者独自の研究です。章立ては以下のとおりです。
    第4章 社会と文化―文化の名による排除から社会統合へ
    第5章 社会と共同体―複数性の社会へ
    4章は

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    2011年03月09日
  • 社会とは何か システムからプロセスへ

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    本書ではまず始めに、ホッブス、スピノザ、ルソーといった17〜8世紀の思想家達によって作り上げられた社会概念を確認する。その後、サン・シモン、コントらによって体系化された社会学を時系列にそって説明している。

    「社会はいかにして統合されているのか。(中略)社会をその内部から分裂させている要素は何か」ということは、社会というものを考える上で重要になってくる。
    それは、十九世紀までは「貧富の差」や「階級的対立」が主要な原因であったが、「代わって二十世紀の後半以降、主要な課題として浮上してきたのが、文化の違いを理由とした排除の問題」であった。

    現代においても主要な問題である「貧富の差」「階級的対立」

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    2011年02月13日
  • 社会とは何か システムからプロセスへ

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    社会のシステムから、プロセスへって副題にありますが。

    日本の「経済」においては、システムすら未熟 というのが、私の感想。もちろん、政治もねw

    って、よむひとによって感想も変わるのかなw

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    2011年01月17日
  • 社会とは何か システムからプロセスへ

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    難しかったです(笑)全部の話がとっても興味深かったのでもう一回世界史勉強しなおして読み直したいぐらい!たしかに「社会」ってよく使うけど、その定義って考えたことなかった。「社会」=国家っていう一般的なとらえ方にいろんな視点からメスいれてて、読んでて飽きなかったです。ただし少し話が散漫でした。

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    2012年01月12日
  • 社会とは何か システムからプロセスへ

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    「『社会』とは何か」というテーマのもとに、「社会」思想の歴史を概観し、かつ移民政策と水俣病を実際のケースとしてみることで、「社会」と「国家」、「コミュニティ」について考察した著。
    全体的にやや散漫観が拭えず、前半分と後ろ半分のつながりが今ひとつな気がする。新書にまとめられる内容ではなかったか。

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    2010年05月05日