下田淳のレビュー一覧

  • 居酒屋の世界史

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    ネタバレ

    居酒屋の文化と貨幣経済がつながっていることがとても勉強になった。また教会との関係、世界の居酒屋の比較など、面白い切り口で良かったです。
    一点、マイナスとしては同じことが繰り返し書かれていたように感じました。

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    2025年06月04日
  • 居酒屋の世界史

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    下田 淳
    (しもだ じゅん)
    一九六〇年生まれ。青山学院大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。ドイツ・トリーア大学歴史学科退学。博士(歴史学)。現在、宇都宮大学教育学部教授。専攻はドイツ史。著書に、『ドイツ近世の聖性と権力』『歴史学「外」論』(いずれも青木書店)、『近代ヨーロッパを読み解く』(共著、ミネルヴァ書房)、『ドイツの民衆文化』『ドイツ文化史入門』(共著)(いずれも昭和堂)などがある。

    居酒屋の世界史 (講談社現代新書)
    by 下田淳
    また、古代人は無償接待を当然とした。金銭を取って飲食物を提供する行為は、下賤とみなされた。この感覚は、貨幣経済が成

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    2024年05月23日
  • 居酒屋の世界史

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    ネタバレ

    居酒屋の多機能性……宿泊、金融、冠婚葬祭、エンターテインメント、犯罪者のアジト、革命の起点にも
    教会、修道院が経営……居酒屋の多機能性はキリスト教圏特有でイスラム圏や東アジアでは他のコミュニティ施設がそれを担った
    フランス革命以降、多機能性の「棲み分け」が進み、かつての居酒屋は衰退

    16世紀半ばまでドイツ、ウィーンはワインがたくさん飲まれてた→気候の変動、ぶどう栽培に適してた
    貨幣経済の成立→居酒屋の発展
    農村部での貨幣経済普及はヨーロッパが顕著
    →権力構造の差が原因?

    本題とはやや逸れるけど中近世のヨーロッパでは芸事として医療行為が行われていたっていうのは衝撃的でした

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    2024年12月19日
  • 「棲み分け」の世界史 欧米はなぜ覇権を握ったのか

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    ・サイエンスは時に人類に制御不能なのものをつくってしまう。それでもサイエンスは自己増殖することをやめることができない。資本主義と連動しているからである
    ・もともとユダヤ教は現世信仰。イエス・キリストの時代に、律法(生活規範)のみを権威とする正統派のサドカイ派に対して、天使、悪霊、霊魂の不滅、肉体の復活を信じる異端のパリサイ派が現れる。彼らは死後の世界、すなわち来世の存在を想定した
    ・ある程度「裕福」であれば、その国の一般市民は、戦闘になるような「本当の独立運動」を支持しない。ゆえにスコットランドの独立はありえない。日本でいえば、大阪は東京に強いライヴァル心を抱き、対抗的なアイデンティティをもっ

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    2018年11月04日
  • 「棲み分け」の世界史 欧米はなぜ覇権を握ったのか

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    著者の本は偶然二冊目であるが、着目点が他と異なる事が多く、細かい事を考えなければ面白く読める。
    強引な解釈も、根拠が不明確な断定も、「なぜなのかは不明である」と感性的な自説を展開するところもニヤニヤしながら読み進もう。
    著者の概念、ヨーロッパ史の下部構造である棲み分けによって語られる異説は、既存の歴史概念では不明確であったヨーロッパが先進国となる過程を解き明かして行く。
    逆説の日本史の様だとは言わないが、著者の視点で眺めると、「そうかもしれないな」と思わせてくれる面がある。
    ある程度西洋史に詳しくなければ鵜呑みにするため危険である。しかし、著者の新しい視点は大いに面白く検証されてしかるべき深み

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    2014年12月13日
  • 居酒屋の世界史

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    学生の頃、ローマのオスティア遺跡で居酒屋の跡を目にして「こんな時代にもあったのか!」と酒好きの私はずいぶんと感激したものだったが、この本を読んで、今の時代とは全く違う存在だったのだと今更ながら理解した。冒頭で”つまみ食い的に紹介”とあるように、時代も地域も幅広に扱われ、全体的につれづれとした構成となっている。雑学を身につける感覚で、気になる章からパラパラめくって読んでもいいかもしれない。


    ☆以下覚え書き☆

    ・居酒屋はもともと下層階級向けだった。
    ・上流階級は居酒屋を軽蔑。お酒はお客に対し無償で振る舞うもの。お金をとるなんて無作法という考え方。
    ・居酒屋は宿泊施設を兼ねていた。
    ・居酒屋は

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    2012年10月17日
  • 居酒屋の世界史

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    久々に良書を読んだという感想。

    居酒屋の発展を世界史の中で辿ることによって、貨幣経済がどのようにして農村まで広まったかということを論じる。貨幣がなければ居酒屋というのは成立しづらいし、さらに農村まで居酒屋が広がるには様々な条件が必要だった。ヨーロッパでは酒造りをしていた教会が、宗教改革によって聖俗分離が起きて、都市部に居酒屋が生まれたということ。地方では巡礼者のための宿屋兼居酒屋が出来て、それが貨幣経済の浸透にともなってコミュニティーの中心的な施設になっていった。また、中国では都市に茶館という居酒屋が出たものの、農村までは普及しなかった。韓国では貨幣経済が制限されていたのと、家造酒の文化があ

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    2012年04月11日
  • 居酒屋の世界史

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    無償で提供するのが当たり前だった酒が、貨幣経済とともに農村部に普及していく、そして多機能だったものが棲み分けされていく変遷史です。
    日本においてはこの多機能さが生まれなかったということで、我々が感じる居酒屋というものと、世界での位置づけは全く違うと思ってもいいのかもしれません。
    酒そのものの本ではなく、居酒屋的機能を通じた文化史で、素直に面白いです。
    ヨーロッパの記述が多いので、ヨーロッパ渡航予定の方で酒好きはぜひ予習を。僕は復習になってしまいました。知っていたらいっそう楽しく飲めたかな。

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    2011年10月06日
  • 居酒屋の世界史

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    ヨーロッパなどのカフェや飲食店の本は目にしたことがあるが、日本やイスラム圏や中国などを含めた居酒屋の話をまとめた本は珍しい。色々な国の食文化が垣間見れるダイジェスト本。読みやすく興味深く面白い。

    びっくりしたのは居酒屋で抜歯まで行なわれていたということ。食べてる隣で麻酔もなく歯を抜かれている人を見たら、おいしいご飯ものどを通らなくなりそうだ。また、歯を抜かれた後に焼きたての鶏肉なんて見た時には、食べたいのに食べられないジレンマに苦しむことになるだろう。

    何はともあれ、居酒屋で商談が生まれ、陰謀が企てられ、恋が芽生えるのは今も昔も世界各国変わらない事実のようだ。

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    2011年09月17日
  • 居酒屋の世界史

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    本邦初の居酒屋の世界史ってことだけど、酒場の文化史みたいなので結構ありそうだけどなあ。
    ま、ともあれ酒好きとしてはなかなか興味を引く記述がたっぷりでよろしい。

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    2017年12月23日
  • 「棲み分け」の世界史 欧米はなぜ覇権を握ったのか

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    なるほど!と思う部分とちょっと極端かなと感じる部分とあったけど、面白かったです。資本主義の説明がわかりやすくその怖さも考えさせられました。人を棲み分けするって恐ろしい。

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    2015年05月20日
  • 「棲み分け」の世界史 欧米はなぜ覇権を握ったのか

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    ヨーロッパ文明を「棲み分け」で読み解く試みで、切り口がとてもおもしろかったです。聖と俗の問題の棲み分けの問題は、かなり説得力があります。ただ日本も近世以前は、聖と俗は棲み分けられていました。これは、著者の主張する視点とはずれないと思います。中国に対しては、明代以降が主軸となっている気がします。というより、中国も視点が違うけど、「棲み分け」されている国と思うのですが。

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    2015年02月05日
  • 居酒屋の世界史

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    かつて居酒屋は、単に金銭に替えて酒を飲む場である以上に、社交場であり、娯楽の場であり、商取引の場でもあった。特に、ヨーロッパではそれに加えて、祭り・冠婚葬祭の宴会の場であり、銀行であり、巡礼宿であり、さらには裁判所であり、病院であり(当時、外科手術は「芸」であった!)と、実に多様な機能を持っていた。そして、そんな居酒屋の農村地帯への進出(普通、居酒屋は都市部にしかない)こそ、ヨーロッパが、世界に先駆けあまねく貨幣経済を浸透させた証左ともなっている。やがては、その多機能性から、ドイツ農民戦争、フランス革命、ナチス成立の舞台ともなった居酒屋。しかし今日、居酒屋はその繁盛のほとんどを失ってしまった。

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    2013年09月01日
  • 居酒屋の世界史

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    主にヨーロッパの歴史上の、著者の定義する居酒屋について書かれている。居酒屋の定義については色々な切り口があるかと思うけれど、大昔から今に至るまで、お酒を飲む人と飲める場所が存在するのですね。

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    2013年02月19日
  • 居酒屋の世界史

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    ヨーロッパにおける居酒屋の社会史を考察する一冊。居酒屋は金を払って酒を飲む所だから、貨幣経済の浸透・封建制度の解体が前提になる。その意味で居酒屋の普及は近代資本主義国家への指標である。豊富なエピソードで楽しむことのできる「読み物」。

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    2012年08月18日
  • 居酒屋の世界史

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    膨大な数の文献から居酒屋という切り口で歴史を紐解くという、ある意味斬新な本。居酒屋の普及には貨幣経済の普及が不可欠、太古の居酒屋が持つ多機能性、宗教と居酒屋等々、かなり色々な観点で切り込んでいる。ただ、引用が多すぎてその「まとめ」的な感は否めなかった。しかし、人間っていうのは酒が本当に好きなんだなと再認識。好きすぎて禁止したり、おぼれたりするんだね。

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    2012年02月04日
  • 居酒屋の世界史

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    好きです。テーマがジャストミートです。
    だからこそもっと深めて欲しかった…!「なので多機能性を持ちました/持ちませんでした。終わり」ではなく!

    教会の役割が居酒屋に移ったっていうのは面白かった。協会と居酒屋が繋がってる所があったっていうのも。で、それはどこなんだいっていうところらへんが。

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    2011年11月20日
  • 居酒屋の世界史

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    居酒屋の世界史、タイトルも壮大ですが、まさに世界各地の大衆娯楽の世界史でした。
    ヨーロッパから始まる貨幣経済の流れとともに、コミュニケーションの場としての居酒屋が発展した歴史がわかって面白かったです。
    この本を読んで、発展途上国の居酒屋によると、意図せずして、その土地の貨幣経済の浸透度を測ることができるはずです。
    居酒屋の日本史を考えてみるのも楽しかなあとふと思いました。

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    2011年10月17日