【感想・ネタバレ】「棲み分け」の世界史 欧米はなぜ覇権を握ったのかのレビュー

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Posted by ブクログ

・サイエンスは時に人類に制御不能なのものをつくってしまう。それでもサイエンスは自己増殖することをやめることができない。資本主義と連動しているからである
・もともとユダヤ教は現世信仰。イエス・キリストの時代に、律法(生活規範)のみを権威とする正統派のサドカイ派に対して、天使、悪霊、霊魂の不滅、肉体の復活を信じる異端のパリサイ派が現れる。彼らは死後の世界、すなわち来世の存在を想定した
・ある程度「裕福」であれば、その国の一般市民は、戦闘になるような「本当の独立運動」を支持しない。ゆえにスコットランドの独立はありえない。日本でいえば、大阪は東京に強いライヴァル心を抱き、対抗的なアイデンティティをもっているが、独立を唱える人間はいないだろう
・1480年モスクワ大公イヴァン三世がキプチャク・ハン国はの忠誠を拒絶。それまで(1240年〜1480年)をロシア史では「タタール(モンゴル)のくびき」と呼ぶ
・クリミア戦争(1853年〜56年)はロシアが黒海方面への進出をもとめてオスマン帝国を攻めたものであったが、この地域の権益を狙うイギリス・フランスに徹底的に敗北
・工業化とは、工場・機械などをもつ自国の資本家が、原則自国在住の賃金労働者を使って工業製品を大量生産させ、自国の国民(労働者も含めて)に利益・儲けを還元させるシステムづくりに成功すること。原料調達地や販売市場は自国以外でも構わない。特に販売市場は自国以外の方が良い(収奪する)
・「資本主義」「サイエンス」「能動的棲み分け」は適合的で相性が良いが、この三者は合体して意味もなく勝手に自己増殖して制御不能になりつつある

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2018年11月04日

Posted by ブクログ

著者の本は偶然二冊目であるが、着目点が他と異なる事が多く、細かい事を考えなければ面白く読める。
強引な解釈も、根拠が不明確な断定も、「なぜなのかは不明である」と感性的な自説を展開するところもニヤニヤしながら読み進もう。
著者の概念、ヨーロッパ史の下部構造である棲み分けによって語られる異説は、既存の歴史概念では不明確であったヨーロッパが先進国となる過程を解き明かして行く。
逆説の日本史の様だとは言わないが、著者の視点で眺めると、「そうかもしれないな」と思わせてくれる面がある。
ある程度西洋史に詳しくなければ鵜呑みにするため危険である。しかし、著者の新しい視点は大いに面白く検証されてしかるべき深みを持っている。もっと評価されてしかるべきと思われる。

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2014年12月13日

Posted by ブクログ

なるほど!と思う部分とちょっと極端かなと感じる部分とあったけど、面白かったです。資本主義の説明がわかりやすくその怖さも考えさせられました。人を棲み分けするって恐ろしい。

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2015年05月20日

Posted by ブクログ

ヨーロッパ文明を「棲み分け」で読み解く試みで、切り口がとてもおもしろかったです。聖と俗の問題の棲み分けの問題は、かなり説得力があります。ただ日本も近世以前は、聖と俗は棲み分けられていました。これは、著者の主張する視点とはずれないと思います。中国に対しては、明代以降が主軸となっている気がします。というより、中国も視点が違うけど、「棲み分け」されている国と思うのですが。

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2015年02月05日

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