ECDのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
石田さん、アル中の程度結構重かったんだな。
この後ずーっと呑まないでいたんだから凄い。
いろんな面を持ち合わせた面白い人だ。
女性に奥手な少年のような部分、(本著には全く出てこないけど)デモに参加したりする活動的な部分、サムライかってくらいの耐え忍ぶ部分、かと思えばそれはあくまでも処世術なんだよね〜っていう姑息な部分。
あと寂しがりや。ああ、そして頑固ね。
でもその頑固さでアル中克服したのかも。
この時点で音楽をやめる決心をしていたことに驚く。
なんかそこはもう絶対に続けるような人に思えたから。この後の著書にはここから音楽を続けることにする経緯が書いてあるのかな?そこ興味ある。
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Posted by ブクログ
ラッパーのECDの家族とは、という視点で自らの家族、人生を振り返ったエッセイ。
2018年1月にECDが亡くなったことを考えながら読むとどうしても感傷的になってしまうのでは、と思ったが、この本を読んでいる間はそんなことも思い出さないほど、生々しく活き活きと語られ、まるでまだ生きている人のような気がした。
それは、語り口が素朴で淡々としていて、友達や仲の良い知り合いに語りかけるような親密な雰囲気があるからだと思う。ECDが語りかけてくれているような本。
内容としては、執筆の途中に、弟の自殺、父の入院、自らの癌が判明と、次々に家族に災難が起こることで、非常にドラマチックなのに、静かな本になっ -
Posted by ブクログ
ーーー生き延びるために何をするかではなく、生きている間に何ができるかーーー
家長の立場である、妻と娘二人の石田家
息子の立場である、父と母と孝二と育の石田家
父が育った家族のこと
「家族」についての記述を残そうと構想していたエッセイは、弟・育の自殺、父親の入院、はたまた自らのガン発覚、と様相を変えてしまった。
それでも家族のことを書きたい、闘病記にはしたくない、というECDの構想はブレずに書籍化されたのではないかとおもう。
植本一子の『家族最後の日』で読んでいた感触とは、立場も考えかたも違う、石田さん目線の本。
いまの石田家については植本一子著のほうが触れている。
「僕」のことを振り返る -
Posted by ブクログ
ラッパーということ以外に殆ど知識のないまま、彼の『いるべき場所』を読む。
彼は1960年生。ということは3つ年上。
同世代と言っても構わないと思う。
嗜好はやや異なるものの、それでも音から感受しようとする態度、表現行為に対するモラル。
とても近く感じた。
友人の何人かはとても趣味がよい。
最先端の情報から、古き良きものまで、とても素晴らしいインデックスを持っている。
趣味判断の能力がとても高いのだ。
そんな中の一人から、僕はよく笑われる。
何が良くて、そんな駄作を好んでいるのか分からない、と。
残念なことに。或いは幸福なことに。
僕にとって音はただの空気の振動を指してはいない。
それは音