蒔田光治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
“「この人の能力が本物かどうか、確かめてほしいんです」
奈緒子は、パンフレットに書かれている男の肩書きを読み上げた。
「パラサイコロジーアカデミー学長・深見博昭。またインチキヤローですか?」
奈緒子は上田に聞く。それを上田は制し、続けてプロフィールを読むように促した。
「三年前にワタリゴメ」
「渡米」
「ハーバー大学で各員教授を務める傍ら、オオノウセイリガク?」
「大脳生理学」
「心理マナブ?」
「心理学」
「ノリ、ガク」
「法学!わざとだろう!?」
「……の博士号を取得したシンススムーキ…エイッの学者ぁ?」
「新進気鋭の学者!つまり、俺と同じ超一流の知識人というわけだ」
「だから何?」”
少し苦い後味が癖になる。
果たして、超能力者は存在するのか否か。
“「やっぱり、私が言ったとおりだ」
上田は急に、真面目な口調で頷く。
「オマエが何言った?」
奈緒子はビックリ。
「さすが先生、おみそれしました」
矢部が上田に合わせる。
「オマエもなに聞いていた!?」
ホントにこいつらはひどい、奈緒子は愕然とした。
「ということは、倉岡も口封じで殺された可能性もある。だけど婆さん達にはアリバイがあるしな……」
上田が真面目に考え込む。
「これだけはどうしようもないですね。この婆さんが犯人だという証拠になるものは何もない」
矢部も同様に考え込む仕草をする。二人の様子をみて、奈緒子が叫ぶ。
「私が犯人だという証拠もないでしょ。いいかがんここから出してください!」
「ほな、おまえ帰れや」
矢部が意外とあっさり言う。それなのに、なぜか奈緒子はためらいをみせた。
「けっこう、ここ居心地良いし、御飯だけ食べて帰ります」
こうして奈緒子は釈放された。” -
Posted by ブクログ
“「どうぞ」
呼ばれた奈緒子は研究室の中に入った。机の上には書物が積み上げられている。こちらに背中を向けていた上田らしき人物は、くるりと椅子を回転させて振り返ると、その手にはなぜかわらびもちを持っていた。白いシャツとベージュのチノパン。夏だというのに濃いグレーのベストを着ている。座っていても、かなり長身なのがわかる。上田は奈緒子を上から下まで疑り深い目でじっと眺め、わらび餅を食べながら言った。
「超能力者と称してここに来たのはあなたが十人目です。みんな私をがっかりさせる人ばかりでしたね。これ以上時間を無駄にしたくない。あなた、本当に超能力者なんですか?」
「私は本物です」
上田の机の前の椅子に腰かけた奈緒子は、とりあえず自信満々を装い、すかさず言った。
「封筒、ありますか?」
「何をする気です?」
「壁抜け」
くいっと眉を上げて、見下すような目つきをし、上田に負けないくらい不敵な表情を奈緒子は作ってみせる。上田はカチンときたようで、奈緒子の作戦は当たった。”
ドラマは見ていないが、気になっていたので読んでみた。
結構、面白い。
“「君、お母さんの実家に連れて行ってもらったことある?」
三男が奈緒子の背後にぴったりと詰め寄ってくる。
「いいえ。でもそんなの人の勝手です」
「勝手だよね、たしかに。でも変だと思わない?」
「……何が言いたいんですか?」
「君のお母さんが島で何をしたか、知ってるか?君たちにはそれ相応の償いをしてもらわないといけないと思ってね。だからここに来てもらったさ」
「……母はいったい何をしたんですか?」
「やっぱり知らないのか。だったらお母さんに直接訊いてもらうしかないさいが」
「話はそれから。我々はいつでもここにいる」
次男は勝手に話を締めくくる。
「もう二度と来ません」
「君のお父さんを殺したのが誰か、知りたくないか?えへへへー」
「えへへへー」
ふたりは奈緒子や里見がいつもするような笑い方をする。
「何か、知ってるんですか?」
「すこしは自分で調べれ。犯人は君がよーく知ってる人物だよ」” -
Posted by ブクログ
「私の目の前で超常現象の存在を証明できたら賞金をお支払いします」売れない奇術師、山田奈緒子はショーをクビにされ路頭に迷う寸前、若手物理学者・上田次郎の霊能力者に対する挑戦状を支配人から渡される。超能力者を装って上田の元を訪れた奈緒子だったが、上田の企みは別にあった…!はたしてこの世界に霊能力者はいるのか?本当に超常現象は存在するのか?売れない奇術師と石頭の物理学者の不協和音なコンビが不思議な現象のトリックを暴く!テンポのよさと絶妙なキャラでマニアを魅了した堤幸彦ドラマのノベライズ。
ノベライズなので本として紹介していいものかどうか・・・。ドラマの台本のようなものなので、ドラマを見ていただけるとありがたい。 -
Posted by ブクログ
友人がそれが面白かったからとすすめてくれました。というわけで、何箇所かなんで皆が笑うのかわからない箇所がいくかありました。実際初日に見に行ったわけですが、満席の観客もほとんどが年下。大学生くらいが中心かな。ちょっと年取った気分になりました。
基本的にはえせ超常現象を奇術のトリックとして、売れない奇術師と物理学教授が暴いていくというストーリー。教授というとなにやらおだやかなインテリで…というキャラかと思いきや(実際そうでないのはよくわかっているが)、俗物がでてくるので、笑えます。謎解きは面白いですが基本はお笑いで、特に仲間があいかわらずまじめな顔でおかしいことを言うのでかなりおかしかったです。有名人が続々登場で、なかなか癖のある人物を演じています(野際陽子とか竹中直人とか)。とはいえちょっと中途半端な使われ方だったような。
謎解きは、わりとさらさら解かれていくので小気味良いのですが、それでなんでこのトリックにすぐ気づかないの?というところもありました。それにすべてはトリックというわりにラストの謎解きはそれはちょっとなあという解決だった。でも全般に笑いも途切れず、テンポよく進んでいくので飽きませんでした。面白かったです。確か本がでているはずだから読んでみようかなと思いました。