南条あやのレビュー一覧
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今、彼女は彼岸の彼方にいるけれども、彼女は一体どんなまなざしで僕のことをみているのかな。この本を読むたびにそんなことを考えている自分がいます。
この本を最初に読んだのはもう6年近く前のことで、自分がかつて、漂泊していたころのことを思い出すし、内容も内容で、明るくは書いていますけれど、重度のリストカッター。精神科。そして数々のクスリに関する内容…。できればこの本は十代の後半、もっと具体的にいうなれば、高校生のころぐらいに読んでいただく、というのが一番妥当な線ではないか?そんなことを考えながら再読をしていました。
作者の南条あやさんは、ネットの世界では有名な方だったようで。僕もこの本を読んで -
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2月28日の自殺騒動のときの日記につけられた父親の注釈がひどく残念だった。
精神疾患の患者が、病状が重いときとかに他人の意見を曲解してしまったり、こちらの話を解ってくれないとかはよくあるし、苦労もそれなりに分かる。腹立たしいときもあるっていうかむかつきます(笑)正直。
でもあの注釈は彼女を傷つけてる。例え、フィクションが混じっていても、頼っていた父親から突き放された悲しみの叫びは本当だろうし。(うざったく感じながらも、彼女が父親に認められたい、良い関係になりたいと思っているのは日記からもうかがえるし)
むしろ、あんなふうに注釈をつけてしまえることが、彼女の感じていた絶望のひとつだったんだろ -
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南条あやは私の思春期のバイブルでした。躁鬱診断前にずいぶん昔に読んだのでネットのアーカイブで見ることはできますが本は紛失してしまったので再度購入して読み返してます。南条あやの日記は情緒不安定な10代20代で影響されるものがありました。リストカットやOD、私も30代ですが今なお治っていません。彼女の文才には躁鬱に通じるものがある気がします。自虐やユーモアは躁鬱気質の特徴とも言えます。彼女が躁鬱だったとはわからないけど微かにでも躁鬱を持つ私に通じるものがありました。そして家庭ではアダルトチルドレンのような父親がいる。私の家庭もアダルトチルドレンの父親がいるのでやっぱり異性の親からの精神的影響は強い
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南条さんはとても聡明な人だと思いました。
いつも心のどこかに醒めている自分がいて、はしゃいででラリっててもそれをちゃんと見て後で表現しているし。
心が繊細で傷付きやすくて、自分を甘やかせない、というのはそうだと思います。だらだらした生活をすることと、自分を甘やかすのは違う。
自分に甘い、というのは図太い人だと思います。わたしもかつてはODの虜だったし、今でも精神科に通っていますが、やっぱりどこか図太いのだろう。
わかる、というところと、違う、というところ。2歳しか年齢が離れてなかったのも衝撃でした。
南条さんも高野さんも、自ら死を選ぶ強さと絶望があったのだろうと思いました。 -
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二十歳の原点と比較されることが多いこの作品。
二十歳の原点は随分前に読み、今回、ようやく読むことができた。
二十歳の原点とは180度違う空気感。二十歳の原点が重い息苦しさであれば、こちらは息苦しいからこそ、軽く描くといった感じか。
軽いノリで描かれているけれど、息苦しい。
薬の量がどんなものかわからないけど、薬に頼り、どうしようもない今をもがいている感じ。
そして、途中で入った父親の注釈が苛立つ。南条あやにとっての現実と父親の現実は違うのだ。
事実でなく、その人の現実が大事なのだ。
最後の経歴のところで突然婚約者というのが出てきてビックリした。
日記には出てきてなかったよな?
ちょっと混乱し