南条あやのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すごく良かった。
私も彼女と同じ、学校に通えてなくて、うつになり始めた18歳の頃にこの本を読み始めて、読み終えた今では19歳になってしまったけど、依然としてうつ病で、リストカット癖があって、精神科に通ってて、文章を読んだり日記を書いたりするインターネットと夜更かしが大好きなサブカル系の女の子だ。
彼女はそこにいた。まるで友達みたいに。
読み始めたときは彼女の自傷と自嘲がとにかく悲しくて、なんて痛々しいんだろうと思って胸が苦しかったけど、合間合間に挟まれるユニークな言い回しと普通の女の子の日常にそれらの毒々しさが飲み込まれていってスルスル読んでしまう、過激ながらも楽しい文章だった。
本筋とは -
Posted by ブクログ
私のことを
私が消えて
私のことを思い出す人は
何人いるのだろう
数えてみた
…
問題は人数じゃなくて
思い出す深さ
そんなことも分からない
私は莫迦
鈍い痛みが
身体中を駆け巡る (P.15)
怖いのです。何にもなれない自分が、情けなくて申し訳なくて五体満足の身体を持て余していて、どうしようもない存在だということに気付いて存在価値が分からなくなりました。ー所属する何かがないと、私はダメになってしまうようです。(P.298)
手首を切ったり、薬を飲んで自分を保っていたあやさん。それが彼女の生きやすさであり、ステータスであったのかもしれない。誰かに見捨てられる、見放されることに恐怖を感じ -
明るくて悲しい
この本を知った時は私も人生に絶望していました。
今では、厭世主義を気取っていただけだと思うけど、その時は本気。
文章は読みやすいけど、だからこそ率直な表現力が心に響きました。
今でも私の大切なバイブルです。 -
Posted by ブクログ
3年振りに再読。本を丁寧に読み返すことは意外としてこなかったことなのだけど、今の自分にはどうしても必要な言葉たちだと感じての、再読。
ここにはもう一人の自分がいる。この日記を求める人とは密かにそう思っている人がたくさんいるのではないか。わたしもそうだから。だから、南条あやという女の子の痛みを直に感じる。でも彼女なら心の底できっとこう思ってる。
「誰もわたしのことを理解してくれない。ずっとひとりぼっち」
それが分かるから、彼女の最期を想って胸が苦しい。
香山リカさんの解説が一縷の希望を感じさせて、少しだけ安心できた。
この本が若い人だけでなく色んな方々に読まれるものであってほしい。 -
Posted by ブクログ
ここにいるのは、特別な女の子ではありません。
もしかしたら自分だったかもしれない「もう一人のあなた」です。渋谷、ゲーセン、援交、カラオケ――。青春を謳歌しているイマドキの女子高生かと思いきや、実は重度のリストカット症候群にしてクスリマニア。
行間から溢れ出る孤独と憂鬱の叫びが、あなたの耳には届くでしょうか。死に至る三ヶ月間の過激にポップなモノローグ。精神病院入院体験などをインターネットで公開しネットアイドルとして人気だった南条あやが、残したネット日記を書籍化。
リストカットやオーバードーズにハマった理由、正しさを押し付け今の自分の状態を受け入れてもらえない被害妄想が激しい双極性の父親との関係 -
Posted by ブクログ
ネタバレはるか昔に読み終わった文庫です。24歳で精神科に通うようになって、仕事を休職して実家に帰った時、本屋で平積みにされているのを見て何かビビッと来て即買いしたものです。本能的にこの本は帰省先の親に見られてはいけないと思い本屋で「カバーをお願いします。」と言った本でもあります。
この作者、学年こそひとつ違えど、同い年なんです。ネットで日記を更新していました。(このころはテレホーダイで、24時間ネットが定額なんてものはなかった。)自分がマイパソコンを持ったのは就職活動の始まる20歳の頃。この日記が書かれていたのは18歳の頃です。
リストカット、瀉血など自傷行為、ODをしつつ、最終的には向精神薬によ -
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リストカッター、向精神薬依存症、18歳で自殺したとされる南条あやの死に至る4ヶ月間の日記。
高校3年時に町田あかね(薬事ライター)のウェブサイト「町田あかねのおクスリ研究所」の「精神病と向精神薬に関する体験談募集」にメールを送ったところ、その文才が評価され、1998年5月28日〜1999年3月17日までの日記を公開。ネットアイドルとなり、ファンクラブまでできていたという。
没後14年、当時話題だったのか。今頃になって知った。
明るく面白く書いているため、一見、その裏にあるものを感じさせない。
学校、医者、カラオケ、献血、そして服薬。表面上はほとんど変化のない毎日なのに、どうしてこれほど引き込 -
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ネタバレリストカッターの女子高生・南条あやさんが死ぬまでの3ヶ月間、ネットに公開された日記を書籍化したものです~。
『女子高生』っていうから、もっとチャラチャラしてて「なんか生きていくのが嫌になっちゃった~」的な文なのかと思ったらドッコイ。
かなりちゃんとした文章書いてます。
内容は、「何の薬を飲んでどんな生活をしたか」なんだけど、自分のことはちゃんと分析できてるし、精神的におかしいと言う感じがしないの。
すっごく冷静に見てる感じ。
でも、ところどころで心の苦しみみたいのが伝わってくるんだよね~。
最後の方は、精神的に相当きてるな~。でも南条あやとして、頑張って日記つけてるのがありありと分かる。