太田直子のレビュー一覧

  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    映画字幕を生業としている著者によるタイトル通りの本。仕事をする上でのエピソードをエッセイ風に、配給会社の方針へ抗う時の葛藤や「乱れた日本語」に対する苦労・苦言をユーモアたっぷりに綴る。

    海外の小説を翻訳するのとはまた違った苦労が伺える。何よりも映画字幕は「相当限られた時間とスペース」で物語を補足しなければならない。作品の意図や文化・歴史的背景を理解した上でのこの制限だから、苦労もひとしおのようだ。

    洋画の翻訳と言えば真っ先に思い出すのは、ケビン・コスナーが主演した「アンタッチャブル」だ。大階段での銃撃シーンでエリオット・ネスが部下のジョージ・ストーンに「狙いは確かか?」と聞いた時のストーン

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    2024年10月13日
  • EXTRA LIFE なぜ100年間で寿命が54年も延びたのか

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    子どもが死ななくなった。
    天才 X ネットワーク、データ
     1968年 カラハリ砂漠 狩猟採集民クン人の年齢 相対的に年上年下はわかる
      平均寿命35年と想定 青年期を乗り越えれば60代までは難しくはない
     17世紀 ロンドンも同様に35歳
     18世紀 天然痘 オスマントルコに赴任した貴族から伝わった人痘接種で改善
        免疫学の父 イギリス人 ジェンナー 牛痘接種で死亡率低下のデータ
     19世紀 アメリカで接種法律化 公的機関WHOへ発展 1979年天然痘根絶
       工業化の最初の数10年 寿命低下 地図データ分析で上下水道が原因
       牛乳のパスツーリゼーション(低温殺菌) 水道水の塩

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    2022年06月03日
  • EXTRA LIFE なぜ100年間で寿命が54年も延びたのか

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    寿命の延び(=ゼロ歳の平均余命の延び)は乳幼児死亡率の劇的減少(20%→1-2%)で起こった。20世紀の前半まで子供の何割かが大人になる前に死んでいた。その子供たちがほぼ成人になり生殖して子供を作る、この部分で人口爆発が起こった。本書はこの事実をメインに据えながら、それをもたらした、あるいは補完したイノベーションを8つ取り上げる。

    第1章  平均寿命の測定ーそもそも原初、寿命はなぜ短かったのか、それを記録し平均寿命という概念ができる。そこから平均寿命の差は乳幼児死亡率の差であることがわかる。

    第2章  人痘接種とワクチンー乳幼児はなぜ死んだのか。これは端的に感染症が原因だ。特に天然痘が重大

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    2022年05月12日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    有名な「君の瞳に乾杯!」という名せりふの英語は何か知っていますか?本書の冒頭に答えが載っています!

    数々の映画の字幕を作ってきた著者が語る字幕制作の現場は、様々な問題があって、面白くて、笑えます。そして映画そのものと同じくらいドラマがあって時に感動するほど、真剣です。

    その熱い語り口に、翻訳を超えて、仕事や日本語、更にコミュニケーションそのものについて考えさせられました。

    ペンネーム
    まめ

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    2016年01月22日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    期待した以上に面白かった。それに大変勉強になりました。「1秒4文字」、元テレビ局にいたものとして、うんうんと思わず頷いてしまった。こうした仕事をなさっているせいか、文章も大変上手で、読みやすかった。

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    2015年05月03日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    ネタバレ

    海外ドラマや映画を鑑賞するときは、字幕屋さんの力量を信じるしかない。
    「漢字が読めない」「読解力が乏しい」人を相手では、字幕制作者の苦労は計り知れないものがある。
    限られたスペースに日本語を埋め込んでいくわけだから。

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    2015年04月05日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    どこかで誰かに「おもしろい」と言われたのだったか、書評を読んだのだったか。気になりつつ読まずにおいた自分が恨めしい。
    1秒4文字という制限でいかに最大数の観客に台詞のエッセンスを伝えるか…。字幕なしで映画を観られるほどではないけれど、常に耳で聞こえた英語と字幕を比較してしまう癖がついている。「うまい!」と思うこともしばしば、「…あれ?」と思うこともちらほら。
    その「…あれ?」は決して字幕訳者のせいばかりではなかったのだと本書で知ったのでした。
    ご苦労、しのばれます。
    語り口が軽妙であっという間に読めた。著者の本をまた探して読むつもり。

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    2014年02月04日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    映画の字幕技術も、日本は突出しているらしい。数秒の間で読みとれ、かつオリジナルの意味を損なわないように表現される字幕は、たしかにすごいと思う。1秒4文字までだそうですよ、文字数。


    びっくりしたのが、字幕翻訳の納期がかなり短いらしいこと。1週間ならいい方で、時には3~4日で納品してしまうこともあるのだとか。すごすぎ! そして、観客の日本語読解能力の衰えをひしひしと感じているというくだりも、「やっぱりそうなのか…」と共感してしまったのだった。


    わたしは吹き替えよりは字幕の方が好きなんだけど……今、吹き替えの数が急増しているようなので、もしかして近い将来、字幕の方が珍しい存在になってしまうか

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    2011年07月20日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    もしあなたが翻訳(特に映像関連)に興味があるのであれば
    ぜひ読んで欲しい本。

    翻訳家のエッセイにありがちな単なる自慢話にならず、
    たんたんと筆者が経験した翻訳上のよもやま(+苦労)話を
    分かりやすく書いてあるので、とても勉強になるし共感できる。

    翻訳自体に興味がなくても、吹き替えや字幕と言語の違いに
    疑問を持ったことがある人も、文句を言う前にぜひ一読して欲しい。

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    2011年02月05日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    とても読みやすい本でした。読みながら反省したり「そうそう」って同意したりしながら読みました。字幕の世界の話もおもしろかったです。字幕派ですが田舎のシネコンは最近吹き替えしかこない映画が時どきあるんです。その事情もしりました。字幕がなくなって欲しくないです。

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    2013年05月23日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    映画の字幕を考えている人のエッセイ

    字幕についての業界話もあり、最近の日本語へのぼやきもあり、昨今の映画業界の愚痴もありで面白く読めた

    字幕にする人がいるんだよなぁと改めて気づいた
    字幕は字数制限があるから多少原語より要約しなきゃいけないとか、ものすごく締め切りが短いとか大変なことが多そう
    だけど、限られた文字数の中でなるべく文脈が通るように考えられているのすごいし、字幕で映画を見るときに注目したいと思った

    最初は映画館で上映されるのは字幕ばかりだったのに最近は吹替が多いって話が、ちょうど字幕で見たい映画があるのに公開直後に数館しか字幕版上映してなくて見れてない自分の悩みと合致しててとて

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    2025年08月29日
  • EXTRA LIFE なぜ100年間で寿命が54年も延びたのか

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    想定された内容ではあるのですが、きちんと順を追って書かれているので、基礎理解に役に立つと思います。寿命というある意味極めて個人的な問題を扱いながら統計的に考えてゆくと世界全体を、そして未来までを見通し、さまざまな問題があぶりだされ組み合わさって新しい世界観に意識が向いてゆく、そんな著書だと感じました。

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    2022年08月10日
  • EXTRA LIFE なぜ100年間で寿命が54年も延びたのか

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    感慨深い、最後に書いてあるけど。寿命が伸びて人口が増えて経済発展し、それがゆえの危機的状況。グレートリセット!

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    2022年07月11日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    ・新書の中でも表現がわかりやすく、中学生でも読みやすい。

    ・字幕映画の裏側を初めて知った。字幕屋が、元の言語の表現により近い表現を選びつつも、字数制限や配給会社の要求に従わざるをえない状況。
    ヒットのために表現を捻じ曲げ、「涙、感動、泣ける」と歌って観客を呼び込むこと。それにまんまと乗せられる観客。

    ・観客が漢字を読めない、文脈を読めないせいで、説明しすぎな字幕を要求される字幕屋の苦悩。

    ・私だったら、あえて変な日本語に変更させられるのは、仕事であっても我慢ならないと思う。字幕屋ってすばらしい。

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    2020年08月10日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    字幕翻訳家の仕事と日常が垣間見れる。
    ・「ざる知識のススメ」に勇気づけられる。
    ・あきらめずに、すくい続けること。
    ・字幕の仕事として、とにかく速く正確な情報を得ることが大事。
    ・非英語圏の映画字幕翻訳が面白そう。

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    2019年10月17日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    文字制限のある字幕作成の苦労と、昨今のおかしな日本語について、そして、字幕屋として吹き替え版映画の台頭を憂うお話。
    ロシア文学を専攻されていた方だからか、米原万里さんと同じニオイがする。実は真面目な話なのだけれど、面白くサクサク読める。

    私は映画俳優さん達の肉声や息遣いを聞きたいと思うので、“字幕派”だ。面倒くさいと思ったこともないし、違和感を抱いたこともなく、字幕を読んでいるという感覚すらない。…ということは、今まで観てきた映画には、良い字幕がついていたということなのだろう。

    字幕というと「戸田奈津子」だったけれど、「太田直子」さんも意識してみよう。

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    2019年01月23日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    字幕屋さんの快刀乱麻の歯切れのよい語りが素晴らしい一冊。やっぱり字幕屋って大変なんだと実感。自分は字幕派だけど、日本人の理解力が低下してるのには衝撃を受けた。でも字幕はなくなって欲しくないなあ

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    2015年08月03日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    得られる内容は以下の2つ.まず,字幕翻訳者の仕事がどのようなものか知ることができるといこと.そして,最近の日本語の使い方の問題点である.
    特に後者について,多くが同感できる内容であった.

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    2012年09月09日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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     輸入映画につける字幕を作成する職業がある。業界では字幕屋というらしい。
     これは一字幕屋の字幕にまつわる辛口エッセイ集。業界の舞台裏,職業倫理からくる配給会社とのバトル,そして愚痴,ぼやきが満載で,実におもしろい。そして,これは重要なことだが,万人に読みやすい。
     字幕屋さんは皆英語が堪能で,映画を見つつスラスラ訳出しているのかと思ったら,これが大間違い。送られてくる英語の台本をもとに,辞書を引き引き仕事をするらしい。大物字幕屋ならいざ知らず,少なくとも筆者はバイリンガルとはほど遠いそうだ。映画一本,納期はふつう一週間。これはきつい。そして最も悩ましいのが,字幕特有の「一秒四文字」という長さ

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    2011年10月26日
  • 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

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    さすが字幕作成を業にしているだけあって、流れるような文体かつここぞというところでのナイスな落ちに感服。また日本語論としても快哉をあげた。
    ・キリスト教徒のアラブ人も神のことを『アラー』という

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    2011年06月27日