太田直子のレビュー一覧
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映画字幕を生業としている著者によるタイトル通りの本。仕事をする上でのエピソードをエッセイ風に、配給会社の方針へ抗う時の葛藤や「乱れた日本語」に対する苦労・苦言をユーモアたっぷりに綴る。
海外の小説を翻訳するのとはまた違った苦労が伺える。何よりも映画字幕は「相当限られた時間とスペース」で物語を補足しなければならない。作品の意図や文化・歴史的背景を理解した上でのこの制限だから、苦労もひとしおのようだ。
洋画の翻訳と言えば真っ先に思い出すのは、ケビン・コスナーが主演した「アンタッチャブル」だ。大階段での銃撃シーンでエリオット・ネスが部下のジョージ・ストーンに「狙いは確かか?」と聞いた時のストーン -
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子どもが死ななくなった。
天才 X ネットワーク、データ
1968年 カラハリ砂漠 狩猟採集民クン人の年齢 相対的に年上年下はわかる
平均寿命35年と想定 青年期を乗り越えれば60代までは難しくはない
17世紀 ロンドンも同様に35歳
18世紀 天然痘 オスマントルコに赴任した貴族から伝わった人痘接種で改善
免疫学の父 イギリス人 ジェンナー 牛痘接種で死亡率低下のデータ
19世紀 アメリカで接種法律化 公的機関WHOへ発展 1979年天然痘根絶
工業化の最初の数10年 寿命低下 地図データ分析で上下水道が原因
牛乳のパスツーリゼーション(低温殺菌) 水道水の塩 -
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寿命の延び(=ゼロ歳の平均余命の延び)は乳幼児死亡率の劇的減少(20%→1-2%)で起こった。20世紀の前半まで子供の何割かが大人になる前に死んでいた。その子供たちがほぼ成人になり生殖して子供を作る、この部分で人口爆発が起こった。本書はこの事実をメインに据えながら、それをもたらした、あるいは補完したイノベーションを8つ取り上げる。
第1章 平均寿命の測定ーそもそも原初、寿命はなぜ短かったのか、それを記録し平均寿命という概念ができる。そこから平均寿命の差は乳幼児死亡率の差であることがわかる。
第2章 人痘接種とワクチンー乳幼児はなぜ死んだのか。これは端的に感染症が原因だ。特に天然痘が重大 -
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映画の字幕技術も、日本は突出しているらしい。数秒の間で読みとれ、かつオリジナルの意味を損なわないように表現される字幕は、たしかにすごいと思う。1秒4文字までだそうですよ、文字数。
びっくりしたのが、字幕翻訳の納期がかなり短いらしいこと。1週間ならいい方で、時には3~4日で納品してしまうこともあるのだとか。すごすぎ! そして、観客の日本語読解能力の衰えをひしひしと感じているというくだりも、「やっぱりそうなのか…」と共感してしまったのだった。
わたしは吹き替えよりは字幕の方が好きなんだけど……今、吹き替えの数が急増しているようなので、もしかして近い将来、字幕の方が珍しい存在になってしまうか -
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映画の字幕を考えている人のエッセイ
字幕についての業界話もあり、最近の日本語へのぼやきもあり、昨今の映画業界の愚痴もありで面白く読めた
字幕にする人がいるんだよなぁと改めて気づいた
字幕は字数制限があるから多少原語より要約しなきゃいけないとか、ものすごく締め切りが短いとか大変なことが多そう
だけど、限られた文字数の中でなるべく文脈が通るように考えられているのすごいし、字幕で映画を見るときに注目したいと思った
最初は映画館で上映されるのは字幕ばかりだったのに最近は吹替が多いって話が、ちょうど字幕で見たい映画があるのに公開直後に数館しか字幕版上映してなくて見れてない自分の悩みと合致しててとて -
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文字制限のある字幕作成の苦労と、昨今のおかしな日本語について、そして、字幕屋として吹き替え版映画の台頭を憂うお話。
ロシア文学を専攻されていた方だからか、米原万里さんと同じニオイがする。実は真面目な話なのだけれど、面白くサクサク読める。
私は映画俳優さん達の肉声や息遣いを聞きたいと思うので、“字幕派”だ。面倒くさいと思ったこともないし、違和感を抱いたこともなく、字幕を読んでいるという感覚すらない。…ということは、今まで観てきた映画には、良い字幕がついていたということなのだろう。
字幕というと「戸田奈津子」だったけれど、「太田直子」さんも意識してみよう。 -
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輸入映画につける字幕を作成する職業がある。業界では字幕屋というらしい。
これは一字幕屋の字幕にまつわる辛口エッセイ集。業界の舞台裏,職業倫理からくる配給会社とのバトル,そして愚痴,ぼやきが満載で,実におもしろい。そして,これは重要なことだが,万人に読みやすい。
字幕屋さんは皆英語が堪能で,映画を見つつスラスラ訳出しているのかと思ったら,これが大間違い。送られてくる英語の台本をもとに,辞書を引き引き仕事をするらしい。大物字幕屋ならいざ知らず,少なくとも筆者はバイリンガルとはほど遠いそうだ。映画一本,納期はふつう一週間。これはきつい。そして最も悩ましいのが,字幕特有の「一秒四文字」という長さ